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Pepinby SHIN
Shopify2026-05-089分で読めます
Shopifyアプリ開発アプリ審査ソロプレナー

Shopifyアプリ申請から公開まで30日 — まるっと予約YOYAKUの全工程ログ

Shopifyアプリ申請から公開まで30日 — まるっと予約YOYAKUの全工程ログ

Shopifyアプリ「まるっと予約YOYAKU」を申請から公開まで通すのに、わたしは約30日かかりました。 準備に10日、Partner Dashboard登録と書類整備に5日、初回審査の往復に10日、最終確認とリリースに5日 という配分でした。詰まったのはコードよりも、Privacy Policy・GDPR mandatory webhooks・サブスクリプション設定など「アプリ審査固有のルール」の部分です。この記事は、わたし(SHIN)が2026年2〜3月に実際に通した30日工程を、後続のソロ開発者向けに残す一次情報ログです。

本記事はわたし(SHIN)が2026年2〜3月にまるっと予約YOYAKUを申請〜公開した一次情報です。所要日数や工数は「わたし個人比の体感値」「設計時の見込み値」であり、Shopify公式の審査SLAではありません。アプリの規模・カテゴリ・審査担当者によって変動します。

なぜ30日もかかったのか?

正直に書きますが、コードを書く時間より「審査のお作法を理解する時間」の方が長かったです。Shopifyアプリは個人開発でもPlay Store / App Storeほど厳格ではないものの、 マーチャント保護のためのルール一式 が独特で、初回はそこに時間を吸われます。

申請〜公開
2026-02-15〜2026-03-17(個人体感)
うち実装
アプリ本体の機能実装
うち審査対応
Shopify審査チームとの往復

出典:まるっと予約YOYAKU(Shopify App Store)

30日は わたしが初めてShopifyアプリを申請したケースの体感値 です。2本目以降は審査の勘所が分かるため、3本目(まるっとフォルダ管理)は約2週間で公開まで通せました。慣れの効果は大きいです。

なぜまるっと予約YOYAKUを作ったのか?

独立直後で売上ゼロの状態だったわたしが、最初に手を付けたのが予約アプリでした。Shopifyには予約系の日本語アプリが少なく、無料で使えるものはさらに少なかったからです。「自分が欲しい」と「市場に空きがある」が重なった領域でした。

  1. 01

    日本語UIの予約アプリが少ない

    Shopifyの予約アプリは海外製が多く、日本語UIや日本の商習慣(事前決済・キャンセルポリシー・受付メール文化)に馴染むものは限定的でした。

  2. 02

    独立直後で実装速度が必要だった

    最小機能で公開し、フィードバックをもらいながら育てる戦略が現実的でした。最初から多機能を目指すと公開できません。

  3. 03

    自分自身が欲しかった

    自分のサービス紹介ページにも予約導線を置きたかったので、ドッグフーディングが成立する領域でした。作って自分で使う、が最初の動機です。

30日のタイムライン(Day 1〜Day 30)

ここからが本題です。実際の30日工程を時系列で並べます。日付は2026年2月15日を Day 1 として数えています。

  1. Day 1〜3

    Partner Dashboardの整備

    Shopify Partnerアカウントを作成し、開発ストア(Development Store)を1つ立てます。本人確認・税務情報・支払い受け取り口座の登録までここで終わらせます。書類が揃わないと後段の課金APIが通せません。

  2. Day 4〜10

    アプリ本体の最終仕上げ

    機能実装はほぼ終わっていたので、ここでは「審査で見られる箇所」を仕上げます。OAuth・Session Token・GDPR mandatory webhooks・課金API連携。コードよりも設定の方に時間がかかりました。

  3. Day 11〜15

    App Listingの作成

    アプリ名・説明文・スクショ・カテゴリ選択・価格設定。スクショは想像以上に重要で、5回くらい撮り直しました。日本語と英語の二言語版を用意するのが推奨です。

  4. Day 16

    初回提出

    ここで初めてSubmitボタンを押しました。審査キューに乗るまで数時間、最初のフィードバックが返ってくるまで約5営業日でした。

  5. Day 21

    初回フィードバック受領

    指摘は5項目。Privacy Policyの記述不備、サポートメールアドレスの未設定、scopes過剰、テスト用Demoストアの提示要求、サブスク料金表示の不整合。1日で対応可能な内容と、そうでない内容が混在していました。

  6. Day 22〜26

    修正と再提出

    指摘5項目を順番に潰します。Privacy Policyだけは別途URLを公開する必要があり、独自ドメインの運用に時間がかかりました。再提出後の審査は早く、2営業日で結果が返ってきました。

  7. Day 28

    承認

    再審査でApprove。Shopifyの審査担当からは「修正対応ありがとう」のメッセージのみ。あっけないくらい静かな承認でした。

  8. Day 30

    リリース

    自分のタイミングで公開ボタンを押せます。承認=即公開ではなく、 公開タイミングは自分で決められる のがポイントです。週末を避け、平日の朝に公開しました。

30日の工程で一番大きな分岐点は Day 21 の初回フィードバックでした。ここで指摘5項目をどれだけ早く潰せるかで、公開日が前後に1〜2週間ずれます。

申請に必要なものは何?

「最低限これが揃っていないとSubmitできない」項目をチェックリストにまとめます。Shopify公式の要件チェックリストに沿っています。

  • Shopify Partnerアカウント(本人確認済み)
  • Development Storeが最低1つ稼働
  • Partner Dashboardでアプリ登録済み(API key発行済み)
  • OAuth実装(インストール時の権限同意フロー)
  • GDPR mandatory webhooks 3種実装(customers/data_request, customers/redact, shop/redact)
  • Privacy Policyの公開URL(自社ドメイン推奨)
  • サポートメールアドレス(自動応答ではなく実在)
  • App Listing用のスクショ(最低3枚、推奨5〜7枚)
  • アプリの紹介動画またはGIF(任意だが審査が早くなる印象)
  • Shopify Billing API実装(有料プランの場合)
  • テスト用デモストアまたは動作確認手順書

出典:Shopify App Store Best Practices

GDPR mandatory webhooks は 「実装した」だけでは通りません 。Shopifyの審査側はテストリクエストを実際に投げてきます。HMAC検証して200を返す実装を入れていないと、ここで一発で差し戻されます。

出典:Shopify GDPR Webhooks 公式ドキュメント

審査で詰まったポイントは?

初回審査で指摘された5項目を、後続のために具体的に残します。一般論ではなく、わたしのケースで実際に詰まった箇所です。

  1. 01

    Privacy Policyが「準備中」だった

    申請時にPrivacy Policyをサイトに公開しておらず、Notionのドラフトリンクを貼っていました。当然NG。独自ドメイン配下に公開URLを用意し直しました。所要1日。

  2. 02

    サポートメールが個人Gmailだった

    support@ ではなく個人Gmailを登録していました。審査では弾かれませんが、Built for Shopify を視野に入れると独自ドメインのメールを推奨されます。所要半日。

  3. 03

    scopesが過剰だった

    使っていない write_customers と read_inventory を要求していました。最小権限原則違反。 必要なscopeだけに絞る のは審査でほぼ確実に見られます。所要半日。

  4. 04

    テスト用デモストアの提示を求められた

    審査担当が動作確認するためのストアURLとログイン情報を求められました。最初は提示せず、後から追加で送る形になりました。所要半日。

  5. 05

    サブスク料金表示の不整合

    App Listingの価格表記とBilling APIで設定したRecurringChargeの金額が1円ズレていました。意図せぬ転記ミス。一致させて再提出。所要15分。

5項目のうち、4項目は 再提出を急げば1営業日以内に潰せる内容 でした。Privacy Policy だけは独自ドメインのDNS反映待ちがあったため1日かかりました。事前準備さえ完璧なら、再提出ループは短くできます。

工数の内訳はどうなっていたか?

30日の中身を「フェーズ別の体感工数」で振り返ります。これは わたし個人比の見込み値 であり、アプリ規模やカテゴリで大きく変動します。

準備フェーズ
Partner登録・本人確認・Development Store構築
機能実装
本体機能の最終仕上げ
審査用設定
Webhooks・OAuth・Billing API
書類整備
Privacy Policy・App Listing・スクショ
審査往復
初回提出から承認まで
リリース
承認後の公開準備とリリース当日

上記の数値は わたし個人比の見込み値 です。アプリの複雑度、Shopifyの審査キューの混み具合、審査担当者のレスポンス速度によって、各フェーズは1.5倍程度に伸びる可能性があります。

単独申請 vs 既存アプリのアップデート

「初回申請」と「アップデート申請」では難易度が大きく違います。両者の違いを整理します。

初回申請(新規アプリ)

審査項目が全項目フルチェック。Privacy Policy・GDPR Webhooks・OAuth・Billing API・App Listingまで全て初回確認です。所要は約30日(わたしの場合)。

アップデート申請(既存アプリの新バージョン)

変更箇所のみが審査対象。スコープ追加・新機能追加など差分が小さければ数日で通ります。2本目以降はこちらに近い感覚で進められます。

出典:Shopify App Submission Guide

申請パターン3類型

申請者の状況によって、最適な進め方は変わります。3パターンに分けて整理します。

わたしのケース。30日見積もり。Privacy Policyの公開やサポートメールなどの「外回り」整備に時間が割かれます。

  • 独自ドメインを先に取得
  • Privacy Policyテンプレを早めに用意
  • サポートメールを独自ドメインで作る

申請のメリットと注意点

Shopify App Store公開のメリットと、想定外に詰まった点を整理します。

メリット

App Store掲載アプリはShopify審査済みという暗黙の保証が付きます。個人開発でも同じ土俵に乗れます。

自前で決済画面を作る必要がなく、Shopifyの請求書に同梱される形で課金できます。審査も楽です。

海外製アプリが多い中、日本語UIで参入すると検索で見つけてもらいやすくなります。

デメリット

独自ドメインで公開する必要があり、コードと別の作業として時間を取られます。先回りで準備しておくのが鉄則です。

実装するだけでなく、Shopify側からの実テストリクエストに200を返す必要があります。HMAC検証は省略不可です。

初回フィードバックまで約5営業日、再提出後は2営業日が体感値。コントロール不能な待ち時間が発生します。

再申請を避けるための準備チェックリスト

初回でApprove を狙うための、わたしの個人体感ベースのチェックリストです。これを全部潰してからSubmitすれば、再提出ループに入る確率はかなり下がります。

  • Privacy Policyを独自ドメインで公開済み
  • サポートメールが独自ドメインで実在
  • scopesは最小権限のみ要求
  • GDPR mandatory webhooks 3種が200を返す
  • HMAC検証コードが本番設定で動く
  • Billing APIの料金表示がApp Listingと完全一致
  • テスト用デモストアのURLとログインを用意
  • App Listingのスクショが最低5枚
  • App Listingが日本語と英語の二言語
  • アプリ名がブランド名スタートになっている

出典:Built for Shopify status criteria

Built for Shopify を狙うべきか?

公開後すぐに目指す必要はありません。Built for Shopify は 公開後の指標が安定してから 申請する位置付けです。

Safety, Security, Reliability

GDPR Webhooksなど安全性関連はほぼ App Store 申請で満たせます。差分は少ないです。

Performance

Lighthouseスコアの低下を10ポイント以内に抑える、などの定量基準があります。公開後の実測が必要です。

Ease of Use

Polaris/App Bridgeでの統合度合い。これは初期実装で意識しておくと後で得します。

Proven Usefulness

インストール数・レビュー・評価の蓄積が必要。新規公開直後は満たせない項目です。

わたしも初回申請ではBuilt for Shopify は目指しませんでした。 まずは公開して使われ始めることが最優先 です。指標が貯まってから申請する方が、審査も短く済みます。

公開タイミングの戦略

承認 = 即公開ではありません。承認を受けてから、自分の都合で公開ボタンを押せます。わたしは以下の判断基準を使いました。

  1. 01

    平日の朝に公開する

    トラブル発生時に即対応できる時間帯を選びます。週末や深夜の公開は、何かあった時にリカバリが遅れます。

  2. 02

    サポート体制を1日空ける

    公開当日は他作業を入れず、問い合わせ対応に集中します。最初の24時間が一番質問が来やすい時間帯です。

  3. 03

    リリース告知を準備しておく

    X(旧Twitter)やブログ記事を事前に用意しておき、公開と同時に発信します。発見されない期間を短くする工夫です。

よくある質問(FAQ)

申請前後でわたし自身が気になっていた質問と、後から振り返って答えられるようになった内容をまとめます。

わたしのケースでは初回フィードバックまで約5営業日、再提出後の確認まで約2営業日でした。合計の審査往復で約8〜10営業日というのが個人体感値です。Shopify公式の確定SLAではなく、キューの混雑状況によって前後します。

回数制限はありません。指摘事項を潰して再提出すれば、何度でも審査キューに戻れます。ただし、毎回の再審査でも数営業日のリードタイムが発生するので、一度で全項目潰す方が早く公開に到達できます。

無料アプリなら不要です。有料プラン(サブスク・買い切り・従量)を提供する場合は Shopify Billing APIの利用が必須 です。自前のStripe決済などをアプリ内に組み込むのは禁止されています。

Partner Dashboard上でアプリは「Draft」状態のままで、Development Storeにインストールしてテストできます。さらに、Custom Distributionで特定ストアにのみ配布することも可能です。公開前にUXを詰めるならこの段階が一番自由です。

App Store公開後、安全性・パフォーマンス・使いやすさ・有用性・情報の完全性の5基準を満たすと申請可能です。新規公開アプリは「Proven Usefulness」(インストール・レビュー)の蓄積が必要なため、しばらくは取れません。公開後数ヶ月の実績が前提です。

Partner Dashboardのアプリ詳細ページに、審査担当者からのコメントが残ります。同時にPartner登録のメールアドレスにも通知が来ます。Slackなど他チャネルへの通知連携は基本ありません。

申請自体は無料です。ただしShopify Partnerアカウントの取得時に本人確認や税務情報の登録が必要で、そこに準備の手間がかかります。費用ではなく時間コストの方が大きいです。

可能です。Partner Dashboardから「Unpublish」できます。ただし既にインストール済みのストアにとっては突然使えなくなる挙動になるので、取り下げ前に告知期間を設けるのがマナーです。

わたしが2本目以降で省略できたこと

1本目は30日かかりましたが、2本目以降は約2週間で通せるようになりました。 省略できた工程 を整理します。

  1. 01

    Privacy Policyの再利用

    1本目で作ったPrivacy Policyを、アプリ名と取得データ範囲だけ差し替えて流用できました。テンプレ化が効きます。

  2. 02

    サポートメール・サポートページの共通利用

    まるっとシリーズはサポート窓口を統一しているため、2本目以降は新規に用意する必要がありません。

  3. 03

    App Listingテンプレの流用

    アプリ名・スクショ・カテゴリ以外はテンプレで埋められるようになりました。書く時間が3分の1に短縮されます。

  4. 04

    Billing APIの実装パターン化

    1本目で実装したRecurringApplicationChargeのコードを、2本目以降はモジュール化して使い回せます。

1本目は「アプリ審査というゲームのルールを覚える時間」でした。覚えてしまえば、2本目以降は同じルールの上で走るだけなので、コードを書く時間以外は劇的に短くなります。

設計者として伝えたい申請の鉄則

6本のアプリを通しながら見えてきた、申請を通すための鉄則を3つに絞ります。

  1. 01

    Privacy Policy・サポートメール・独自ドメインを先に作る

    コードより先にこれを準備しておくと、申請直前で詰まる確率が大きく下がります。後回しにすると必ず痛い目を見ます。

  2. 02

    GDPR Webhooksは実装+実テスト両方やる

    実装しただけで安心せず、自分のサーバに実際にテストリクエストを投げて200を返すことを確認してください。HMAC検証もここで通しておきます。

  3. 03

    scopesは絞るほど審査が早い

    将来使うかもしれないscopeを先に取っておくのは悪手です。 使う時に追加申請する 方が、初回審査がスムーズに通ります。

申請プロセスは確かに地味で、コードを書くより面白くありません。それでも、 マーチャントが安心して使えるアプリの土台はここで決まる と考えると、面倒な工程ではなく品質保証のフェーズに見えてきます。

まとめ

Shopifyアプリ「まるっと予約YOYAKU」を申請から公開まで通すのに、わたしは30日かかりました。コードよりも審査のお作法に時間を吸われた30日でしたが、 2本目以降は約2週間に短縮 できたので、初回投資としては妥当な工数だったと振り返れます。

これからShopifyアプリを申請する個人開発者の方は、 Privacy Policyとサポートメールを独自ドメインで先に作っておくことGDPR mandatory webhooksの実テストまで通しておくことscopesを最小権限に絞ること 。この3点だけでも初回申請の通過率は大きく変わると感じています。

→ まるっと予約YOYAKU(Shopify App Store)

→ まるっとシリーズ6本のアーキテクチャ進化記を読む

→ まるっと予約YOYAKU開発の気づきを読む

→ Shopifyアプリ開発で踏んだアーキテクチャの失敗を読む

この記事はShopify予約アプリ「まるっと予約」の開発元であるPepinが執筆しています。

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SHIN

この記事の執筆者

SHIN

Pepin代表、Webエンジニアとして10年以上の経歴を持ち、
Shopifyアプリ・ストア開発 / webサービス開発 / メディア運営などマルチに活動。

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