ネイルサロンの予約サイトの作り方|施術時間の幅と写真の見せ方

ネイルサロンの予約サイトの作り方で、最初につまずくのは施術時間です。ワンカラーとアート込みのフルセットでは、かかる時間がまるで違います。そこにオフの有無と持ち込みデザインが乗るので、「1コマ60分」のような一律の枠では受けきれません。この記事は、施術時間の幅を予約枠にどう落とすかを起点に、ネイルサロンの予約サイトを組み立てる順番をまとめました。
わたし(SHIN)は、この記事で紹介しているShopify予約アプリ「まるっと予約」を作っている開発者です。ネイルサロンを運営した経験はありません。自社アプリをすすめる立場なので利益相反があります。弱点も先に書いておきます。まるっと予約はApp Storeのレビューが0件で、Built for Shopify認定も取れていません(2026年9月17日にApp Storeで確認)。長く使われた実績の裏付けは、まだない段階です。料金の数字は、Shopifyの公式料金ページとApp Storeのリスティングに書いてある値だけを使いました。
- ネイルサロンの予約サイトとは
サロンが自分のドメインで持つ予約受付ページのことです。ポータルサイトの店舗ページと違い、メニュー・枠の刻み・キャンセル規定・顧客データをすべて自分で決められます。
ネイルサービス市場(ネイルサロンを中心とした施術の市場)は2023年に1,531億円と推計されています。ネイル産業全体2,047億円の74.8%を占める、いちばん大きい区分です。
ネイルサロンの予約サイトの作り方は?決めるのは4つだけ
ツールの操作より先に、決めることが4つあります。ここが決まっていないと、どの予約システムを使っても同じところで詰まります。
| 決めること | 具体的に決める中身 |
|---|---|
| 枠の刻み | 15分刻みか30分刻みか。片付け時間の扱い |
| メニュー構成 | オフ込みか別か。持ち込みとリペアの位置 |
| 写真の置き場 | デザイン一覧から予約へ飛ばす順路 |
| 電話の逃がし先 | 施術中にかかってきた電話をどこへ送るか |
順番も大事です。写真を先に整えても、枠の刻みが決まっていないと予約ボタンの行き先が作れません。上から順に固めます。
最初の1週間でやること
- 直近20件の施術を、開始時刻と終了時刻でメモする
- そのうちオフありが何件だったかを数える
- 持ち込みデザインの相談が何件来たかを数える
この3つの実測がないと、枠の刻みは勘で決めるしかなくなります。

施術時間が読めないネイルの予約枠は、どう設計する?
ネイルは、同じ「ジェル」でも中身が違えば所要時間が変わります。オフの有無、長さ出しの有無、アートの本数。ここが読めないまま一律の枠を切ると、遅延が次の予約に連鎖します。
枠は「施術時間」ではなく「占有時間」で切る
予約枠に入れるべき数字は、施術そのものの時間ではありません。お客様が席に着いてから、次のお客様を迎えられる状態に戻るまでの時間です。
- カウンセリングと手指の消毒
- 施術
- 仕上げの確認と会計
- ダストの片付けとファイル類の消毒
この4つを足した数字が占有時間です。施術だけを見て枠を切ると、毎回この差の分だけ遅れます。
自分のサロンの数字で表を埋める
下の表は記入例です。数字はサロンごとに違うので、前のセクションで取った実測値に置き換えてください。ここに他店の平均を入れても、自分の予約表は合いません。
| メニュー | 施術+片付け | 受付枠 |
|---|---|---|
| ワンカラー | 記入 | 記入 |
| デザインあり | 記入 | 記入 |
| 長さ出しあり | 記入 | 記入 |
| オフのみ | 記入 | 記入 |
| リペア | 記入 | 記入 |
受付枠は、施術+片付けを枠の刻みで切り上げた値にします。15分刻みなら、占有時間95分のメニューは105分の枠になります。
幅のあるメニューは「上限で取って早く終わる」
デザインネイルのように所要時間に幅が出るメニューは、長いほうに合わせて枠を取ります。短く取って延びると次の予約に食い込みますが、長く取って早く終わっても、誰も困りません。
件数が減る分は、オフのみやリペアといった短いメニューを終業前後に差し込める設定にして埋めます。
オフ・持ち込みデザイン・リペアは予約枠でどう扱う?
この3つは、ネイルサロンの予約フォームでいちばん事故が起きるところです。予約の時点で確定していないと、当日の枠が足りなくなります。
オフは「込み」ではなく選択式にする
他店で付けたジェルのオフは、自店で付けたものより時間がかかることがあります。メニューを「オフ込み」に固定すると、オフ不要のお客様からは取りすぎ、他店オフのお客様には足りません。
- オフなし・自店オフ・他店オフの3択を予約時に選んでもらう
- 選択肢ごとに枠へ加算する分数を決めておく
- スカルプやアクリルのオフは別枠にする
この3択を商品のバリエーションとして持たせるか、予約メニューそのものを分けるかは、加算する分数があるかどうかで変わります。判断の基準は Shopify予約オプションの設定方法 にまとめました。
持ち込みデザインは予約前に画像を受け取る
持ち込みデザインは、見てからでないと時間も金額も決まりません。予約を取ったあとで「この本数だと2時間では終わらない」と分かるのがいちばん困ります。
予約確認メールに画像の送り先を書いておき、施術日の数日前までに送ってもらう運用にします。届いた画像を見て枠が足りなければ、そこで枠を延ばすか、日程を変えてもらいます。
リペアは短い独立メニューにする
1本折れた、浮いた、といった相談は急ぎです。フルセットの枠しか用意していないと、そもそも予約が取れずに他店へ行きます。30分前後の独立メニューを用意して、終業前や昼の隙間に置けるようにしておきます。
予約フォームで確定させておきたい3点
- オフの区分(なし・自店・他店)
- 長さ出しの有無
- リペアの本数
この3つは当日ではなく予約時点で聞きます。当日に聞くと、もう枠は動かせません。
デザイン写真から予約につなげるには?
ネイルは写真で選ばれます。ところが多くのサロンでは、写真はInstagram、予約は別のサイト、という分断が起きています。気に入ったデザインを見つけた人が、そこから予約枠までたどり着けません。
コレクションでデザインを束ねる
Shopifyでは、商品をコレクションにまとめてギャラリーのページとして表示できます。お客様がコレクションページの画像をクリックすると、その商品ページへ移動します。
ネイルサロンでは、この仕組みをそのままデザインカタログに使えます。
| コレクション例 | 中に入れるもの |
|---|---|
| ニュアンス | 該当デザインの施術写真 |
| フレンチ | 該当デザインの施術写真 |
| シンプル・オフィス | 短めの爪で映える写真 |
| 季節のデザイン | 今月おすすめの写真 |
各デザインのページに、そのデザインが入る予約メニューへのリンクを置きます。「かわいい」と思った瞬間から予約枠まで、2クリックで届く状態を作ります。
写真には代替テキストを付ける
Shopifyの商品メディアには代替テキストを設定できます。検索やスクリーンリーダーが読む文字なので、「IMG_0412」のままにせず、デザインの言葉で書きます。

SNSのプロフィールリンクは予約ページに向ける
Instagramのプロフィールリンクを店舗トップに向けているサロンは多いのですが、そこから予約ボタンを探させると1手増えます。リンク先はデザインコレクションか予約ページに直接向けます。
1人サロンで施術中に電話が取れない問題はどう解く?
ネイルの施術中は両手がふさがります。硬化の待ち時間に取れることもありますが、施術の途中で手を止めれば仕上がりに響きます。1人サロンでは受付を置けないので、構造的に電話は取れません。

ここで効くのは「電話を頑張って取る」ではなく、電話を減らす設計です。
- 01
予約の受け先をサイトに一本化する
予約サイトを公開し、名刺・看板・SNSの導線をすべてそこへ向けます。電話番号は残しますが、予約の第一導線からは外します。 - 02
留守番電話の案内を予約サイトに変える
「施術中のため電話に出られません。ご予約はこちらのサイトから24時間承ります」と読み上げ、URLをSNSと看板に出します。 - 03
よく聞かれる質問をサイトに書く
所要時間・駐車場・オフの料金・キャンセル規定。電話の中身の多くはこの4つです。ページに書いてあれば、電話そのものが減ります。 - 04
変更とキャンセルも自己完結にする
日程変更を電話でしか受けないと、また取れない電話が増えます。予約システム側で変更できるようにしておきます。
電話がゼロにはなりませんが、「取れなかった電話=失った予約」ではなくなります。予約は勝手に入り、電話は相談だけになります。
個人サロンの予約管理を電話とDMから切り替える手順は、別記事にまとめてあります。
ネイルサロンの予約サイトの作り方(Shopify+まるっと予約の手順)
ここからは実際の構築手順です。サロン全般に共通する基本手順は下の記事にあるので、ここではネイルで判断が変わるところだけ書きます。
→ サロンのShopify予約サイト、本当に必要?開発者が答える7つの素朴な疑問
- 1Shopifyでストアを作るShopify でアカウントを作ります。プランはBasicで足ります。無料体験の期間中に、メニューと枠まで作ってしまうのがおすすめです。
- 2写真が映えるテーマを選ぶネイルは画像で選ばれるので、画像を大きく並べられるテーマにします。スマホ幅で施術写真がどう見えるかを先に確認します。
- 3まるっと予約を入れるまるっと予約 をインストールします。Freeプランは累計10件まで予約を受けられるので、まず無料で流れを試せます。
- 4占有時間で予約メニューを作る前のセクションで出した受付枠の分数を、そのままメニューの所要時間に入れます。施術時間ではなく占有時間です。
- 5オフ・長さ出し・リペアを選択式にするオフの3区分と長さ出しの有無を、予約時に選んでもらう形にします。ここが当日聞く運用のままだと枠が崩れます。
- 6デザインコレクションを作る施術写真をコレクションにまとめ、各デザインから対応する予約メニューへリンクします。
- 7ネイリストごとの稼働を登録する複数人いるサロンでは、ネイリストごとに対応メニューと稼働時間を設定して指名予約を受けます。
- 8デポジットとキャンセル規定を決める前払いを取るかどうか、何日前から変更できるかを決めて、予約ページに書きます。金額は自店の客単価とキャンセル実績から決めます。
- 9スマホでテスト予約して公開する自分のスマホで最初から最後まで予約してみます。デザイン写真から予約完了まで、迷わず進めるかを見ます。
複数のネイリストで指名を受ける場合の設定は、下の記事で詳しく書いています。

予約サイトの月額はいくらかかる?
固定でかかるのは、Shopifyの月額とまるっと予約の月額です。
| 費目 | 月額 |
|---|---|
| Shopify Basic | 4,850円(月払い) |
| まるっと予約 Growth | 49.99ドル |
Shopify Basicは月払い4,850円、年払いなら3,650円です。オンラインのカード決済手数料はBasicで3.55%です。
まるっと予約はUSD請求で、Growthが月49.99ドル。予約件数が増えても従量課金はありません。Freeプランは累計10件まで、Starterは月30件までで19.99ドルです。
出典:まるっと予約|来店・イベント予約(Shopify App Store)
円換算は為替で動きます。1ドル150円なら49.99ドルは約7,500円、160円なら約8,000円。Shopify Basicと合わせると、月額はおおむね12,300〜12,900円の幅に収まります。独自ドメインの取得費用と決済手数料は、これとは別にかかります。
費用の内訳をもっと細かく見たい場合は、下の記事にまとめてあります。
→ 個人サロンがShopifyで月額1万円台から予約サイトを運営する方法
ホットペッパービューティーはやめるべき?
結論から書くと、自社サイトを公開した時点で解約する必要はありません。役割が違うからです。
まず事実関係を整理します。ホットペッパービューティーはネイルサロンも掲載対象で、公式ページはリラク・エステなどの掲載店舗数を108,000店以上(リクルート調べ・2026年4月時点)としています。一方で掲載料は公開されていません。公式サイトのよくある質問は、掲載費について「ご希望のエリアやプランによって異なります」と書いており、金額は問い合わせて見積もりを取る形です。
出典:掲載・料金・申込(ホットペッパービューティー・株式会社リクルート)
つまり「月額いくら」と言い切れる相場はありません。金額は自分のサロンで見積もりを取った数字で判断します。
現実的なのは併用です。まだサロンを知らない人への露出はポータルが得意で、リピーターはすでに行き先を決めているので、わざわざポータルを経由する必要がありません。新規はポータル、リピートは自社サイト、と受け先を分けます。
掲載料の見積もりの取り方は、下の記事にまとめました。
→ ホットペッパービューティーの掲載料はいくら?見積もりの取り方
※「ホットペッパービューティー」は株式会社リクルートの登録商標です。
ノーショーと直前キャンセルへの備え
ネイルは1枠が長いので、当日に飛ぶと埋め直しがほぼできません。2時間の枠が空いたとき、その日のうちに別のお客様で埋まる可能性は低いです。
対策の中心は、前払い(デポジット)とキャンセル規定の明示です。金額を何%にするかは、業界の相場ではなく自店の数字で決めます。客単価、キャンセル率、常連比率によって適正値が変わるからです。
デポジットの金額を決める材料
- 直近3か月のキャンセル件数と、そのうち当日の件数
- 飛んだ枠の平均の長さ
- 新規とリピーターのどちらで起きているか
新規だけで起きているなら、新規予約にだけ前払いを付ける手もあります。
同じ「1枠が長くて当日は埋め直せない」構造は、まつエク・眉サロンでも起きます。担当指名やデザインの引き継ぎが絡むぶん埋め直せる相手はさらに狭く、美容師免許やアートメイクの扱いという業種固有の前提もあります。そちらは まつエクサロンのノーショー対策とデポジット設計 に分けて書きました。
キャンセル規定の書き方や、前払い以外の打ち手は下の記事にあります。
物販を同じサイトに置けるのがShopifyの強み
ネイルサロンはオイルやケア用品を扱います。Shopifyはもともとネットショップの仕組みなので、予約メニューと物販商品が同じ管理画面に並びます。
施術の最後に「このオイル、サイトからも買えます」と言える状態は、専用の予約システムでは作れません。予約サイトと通販サイトを別々に運用する手間もなくなります。

3〜4週間後のメンテナンス来店を促すメールも、Shopifyの顧客リストから送れます。来店履歴がサロン側に残っているからできることです。
よくある質問
直近20件ほどの施術について、席に着いた時刻と次の準備が終わった時刻を記録することです。この占有時間が分からないと予約枠の分数を決められず、どの予約システムを選んでも同じところで詰まります。ツールの選定はそのあとで問題ありません。
長いほうに合わせて取ります。短く取って延びると次の予約に食い込みますが、長く取って早く終わっても困る人はいません。空きが増える分は、オフのみやリペアのような30分前後の短いメニューを差し込める設定にして埋めます。
オフなし・自店オフ・他店オフの3択を予約時に選んでもらい、選択肢ごとに枠へ加算する分数を決めておきます。「オフ込み」で固定すると、オフ不要の方からは時間を取りすぎ、他店オフの方には足りなくなります。スカルプやアクリルのオフはさらに時間が読めないので、別メニューにします。
予約を受けたあと、施術日の数日前までに画像を送ってもらう運用が扱いやすいです。予約確認メールに送り先を書いておきます。画像を見て枠が足りないと分かった時点なら、枠を延ばすか日程を変えてもらう相談ができます。当日に初めて見ると、もう動かせません。
Shopifyのコレクション機能でデザインを束ね、各デザインのページから対応する予約メニューへリンクします。そのうえでInstagramのプロフィールリンクを、店舗トップではなくデザインコレクションか予約ページに直接向けます。「かわいい」と思った瞬間から予約枠まで、2クリックで届く状態を目指します。
App Storeのレビューが0件で、Built for Shopify認定も未取得です(2026年9月17日確認)。長期運用の実績はまだありません。また顧客カルテと複数ロケーションはProプラン(月99.99ドル)の機能なので、Growthプランの範囲を先にリスティングで確認してください。Freeプランで累計10件まで試せるので、自分のメニュー構成が組めるかを無料のうちに確かめるのが安全です。
まとめ
- 枠は施術時間ではなく 占有時間 で切る。片付けと消毒まで含めた数字を使う
- 幅の出るメニューは 上限で取る 。短い枠は遅延が連鎖する
- オフ・長さ出し・リペアは 予約時に確定 させる。当日では枠を動かせない
- デザイン写真は コレクションで束ね 、そこから予約メニューへ直接つなぐ
- 施術中の電話は取るのではなく 減らす 。受け先をサイトに一本化する
ネイルサロンの予約サイトの作り方は、突き詰めると「自分のサロンの時間を正しく数字にすること」です。そこさえ決まれば、あとはツールの設定作業になります。
Shopifyとまるっと予約の料金は2026年9月17日にそれぞれの公式ページで確認した値です。料金と仕様は変更される場合があります。「ホットペッパービューティー」は株式会社リクルートの登録商標です。


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