Shopifyで複数スタッフの指名予約を管理する方法

「カットはいつもAさんにお願いしたい」「前回良かったスタイリストを指名したい」
美容室やサロンにとって、スタッフの指名予約はお客様との信頼を深める大切な仕組みです。リピーターが増えるほど「あの人にやってほしい」というニーズは自然に高まります。
ただ、Shopifyには指名予約の仕組みが標準で備わっていません。予約アプリを使って実現する必要があります。
この記事では、Shopifyで複数スタッフの指名予約を管理する方法を、設定手順から運用のコツまで具体的に紹介します。
なぜ指名予約が必要なのか
指名予約を導入する一番の理由は リピート率の向上 です。
美容センサス(2024年上期)によると、美容室の再来率において 担当者を指名しているお客様のほうが継続率が高い ことが報告されています。「いつもの人に任せたい」という安心感が、次の来店につながるわけです。
指名制は売上面でもメリットがあります。
- 指名料 による客単価アップ
- 担当固定 による施術時間の効率化(お客様の好みや髪質を把握済み)
- スタッフのモチベーション向上 — 自分のお客様がつくことでやりがいが生まれる
逆に、指名予約の仕組みがないと「前回と違う人が担当になった」とお客様が不満を感じるリスクがあります。とくにオンライン予約の場合、電話と違って「〇〇さんでお願いします」と口頭で伝える場がないので、システムで対応する必要があります。
Shopify単体では指名予約ができない
Shopifyは優れたECプラットフォームですが、予約機能は標準で入っていません。当然、スタッフごとの予約枠管理や指名制にも対応していません。
実現するには 予約アプリの導入 が必要です。
Shopifyの予約アプリは複数ありますが、スタッフ指名予約を実装するには最低限こんな機能が求められます。
| 必要な機能 | なぜ必要か |
|---|---|
| スタッフの個別登録 | 誰が対応するかを管理する土台 |
| スタッフごとのスケジュール設定 | 出勤日・時間がスタッフによって違うため |
| スタッフごとの対応メニュー設定 | 全員が全メニューを担当するとは限らない |
| 予約枠の自動制御 | ダブルブッキングを防ぐ |
| お客様側でスタッフを選べるUI | 指名予約の入口 |
予約アプリの比較については、こちらの記事で詳しくまとめています。
→ 【2026年版】Shopify予約アプリ5つを開発者が比較
まるっと予約でスタッフ指名予約を設定する手順
ここからは、まるっと予約を使った具体的な設定方法を解説します。まるっと予約はスタッフ管理機能を備えており、指名予約の仕組みをノーコードで構築できます。
まだShopifyで予約サイト自体を作っていない方は、先にこちらのガイドをご覧ください。
Step 1: スタッフを登録する
まるっと予約の管理画面から「リソース」メニューを開き、スタッフを一人ずつ登録します。
登録する情報:
- スタッフ名 — お客様に表示される名前(例:山田太郎、Taro など)
- プロフィール画像 — 顔写真があるとお客様が選びやすい
- 紹介文 — 得意な施術や資格、経歴など
スタッフが3人いれば、3人分をそれぞれ登録します。ここで登録した情報が、お客様が指名する際の判断材料になるので、 写真と紹介文は丁寧に 用意しましょう(運用のコツは後述します)。
Step 2: スタッフごとの対応メニューを設定する
すべてのスタッフが全メニューに対応できるとは限りません。たとえば、アシスタントはカットを担当しない、カラーリストはカラーメニューのみ、といったケースはよくあります。
まるっと予約では、スタッフごとに 対応可能なメニュー(商品) を紐付けられます。
設定例:
| スタッフ | 対応メニュー |
|---|---|
| 山田(スタイリスト) | カット、カット+カラー、パーマ、ヘッドスパ |
| 佐藤(カラーリスト) | カラー、カット+カラー、トリートメント |
| 鈴木(アシスタント) | シャンプー・ブロー、ヘッドスパ |
この設定をしておくことで、お客様が「カット」を選んだときに鈴木さんが候補に表示されることはありません。 お客様の混乱を防ぎ、スタッフ側も無理な予約が入らない 仕組みになります。
Step 3: スタッフ個別のスケジュール(シフト)を設定する
スタッフによって出勤日や勤務時間は異なります。まるっと予約では、スタッフごとに 個別のスケジュール を設定できます。
設定のポイント:
- 曜日ごとの出勤時間 — 例:山田さんは月・水・金の10:00〜19:00、佐藤さんは火〜土の11:00〜20:00
- 休日設定 — 定休日や有給休暇の設定
- 臨時の変更 — 研修日や早退などのイレギュラー対応
スケジュールを正しく設定しておけば、お客様が予約画面で見るカレンダーには そのスタッフが実際に対応できる日時だけ が表示されます。「予約を入れたのにスタッフがいなかった」というトラブルを未然に防げます。
Step 4: 予約画面での指名フロー
設定が完了すると、お客様側の予約フローは次のようになります。
- メニューを選ぶ — 「カット」「カラー」などの施術メニュー
- スタッフを選ぶ — そのメニューに対応可能なスタッフが一覧表示される
- 日時を選ぶ — 選んだスタッフが出勤している日時だけが表示される
- 予約を確定する
お客様にとってはシンプルな3〜4ステップ。裏側では、対応メニュー・スケジュール・予約枠がすべて連動して制御されています。
「指名なし(フリー)」と「指名あり」を両方受け付ける
サロンの運営では、指名予約だけでなく 「誰でもいいからとにかく早い日時で予約したい」 というお客様も少なくありません。
まるっと予約では、スタッフ選択画面で 「指名なし(おまかせ)」 を選べるようにする設定があります。
「指名なし」で予約が入った場合、その時間帯に対応可能なスタッフに自動的に割り当てられます。つまり、指名予約とフリー予約を ひとつの予約システムの中で両立 できます。
実際のサロン運営では、新規のお客様はフリーで予約して、2回目以降に気に入ったスタッフを指名するパターンが多いです。この両方に対応しておくことが大事です。
ダブルブッキングを防ぐ仕組み
スタッフの指名予約を導入するうえで一番怖いのが ダブルブッキング です。同じスタッフの同じ時間帯に複数の予約が入ってしまうと、現場が混乱します。
まるっと予約では、次の仕組みでダブルブッキングを自動で防いでいます。
リアルタイムの空き枠制御
あるスタッフの予約が確定した時点で、その時間帯は自動的に 予約不可 になります。他のお客様がカレンダーを見たとき、すでに埋まっている枠は表示されません。
バッファ時間の考慮
施術と施術の間に バッファ時間(準備時間) を設定しておけば、予約と予約が隙間なく詰まることもありません。たとえば施術60分 + バッファ15分に設定すれば、75分間隔で予約枠が確保されます。
複数スタッフ間の独立管理
山田さんの予約枠と佐藤さんの予約枠は 完全に独立 して管理されます。山田さんの13:00が埋まっていても、佐藤さんの13:00は空いていれば予約可能です。これがスタッフ管理のない予約システムとの大きな違いです。
指名料の上乗せについて
「指名料500円」「トップスタイリスト指名 +1,000円」のように、指名するスタッフによって追加料金を設定しているサロンも多いです。
Shopifyでこれを実現する方法はいくつかあります。
- 指名料込みの専用メニューを作る — 「カット(トップスタイリスト指名)」のように、指名料を含んだ別メニューを登録する方法。シンプルで管理しやすい
- バリアント(商品オプション)で対応 — 同じメニュー内で「指名なし / 指名あり(+500円)」のように価格を分ける
運用しやすさの面では、指名料込みの専用メニューを作る方法がおすすめです。メニュー数が少し増えますが、お客様にとっても 料金がひと目でわかる のでトラブルを防げます。
運用のコツ:指名率を上げるためにやること
指名予約の仕組みを作っても、お客様に「このスタッフを指名したい」と思ってもらえなければ活用されません。仕組みと同時に スタッフの見せ方 も工夫しましょう。
スタッフのプロフィールを充実させる
初めて来店するお客様は、スタッフの顔も名前も知りません。予約画面で名前だけが並んでいても、選びようがないのが本音です。
用意すると効果的な情報:
- 顔写真 — 笑顔の写真がベスト。親しみやすさが大事
- 得意な施術 — 「ショートカットが得意」「ハイトーンカラーが得意」など具体的に
- 経歴・資格 — 美容師歴、受賞歴、取得資格など
- ひとこと自己紹介 — お客様に語りかけるトーンで。硬い文章は避ける
施術写真を掲載する
スタッフごとに 施術事例(ビフォー・アフター、スタイル写真) を載せると、指名率は大きく上がります。「この人にやってもらったらこうなるんだ」というイメージが伝わるからです。
ShopifyならメニューページやスタッフページにUPで写真を掲載できるので、積極的に活用しましょう。
SNSと連動させる
スタッフ個人のInstagramアカウントがあれば、プロフィールや商品ページからリンクを貼るのも効果的です。施術事例やお客様の声がSNSに蓄積されていれば、お客様が指名を決める後押しになります。
まとめ
Shopifyで複数スタッフの指名予約を管理するために必要なことをまとめます。
| やること | ポイント |
|---|---|
| 予約アプリを導入する | Shopify単体では指名予約に非対応 |
| スタッフを個別に登録する | 名前・写真・紹介文を丁寧に |
| 対応メニューを紐付ける | 全員が全メニュー対応とは限らない |
| スタッフ個別のスケジュールを設定する | 出勤日・時間は人によって違う |
| ダブルブッキング対策を確認する | アプリ側の自動制御に頼る |
| フリー予約にも対応する | 指名なしのお客様も受け入れる |
| スタッフの見せ方を工夫する | 写真・紹介文・施術事例が指名率を左右する |
指名予約は「お客様が選ぶ」仕組みであると同時に、「スタッフが選ばれる」仕組みでもあります。仕組みを整えるだけでなく、スタッフ一人ひとりの魅力がお客様に伝わる工夫をセットで考えることが、長い目で見て一番大切なことだと思います。

この記事の執筆者
SHIN
Pepin代表。Shopifyアプリ「まるっと予約」開発者。Webエンジニアとして10年以上の経歴。
Shopifyアプリ開発・ストア構築 / webサービス開発 / メディア運営 / ストリーマーとしてマルチに活動。

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