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Pepinby SHIN
EC運営2026-04-042026-04-156分で読めます
ShopifyカスタマーサポートEC運営

ECサイトのカスタマーサポート効率化 — 少人数でも回る仕組みの作り方

ECサイトのカスタマーサポート効率化 — 少人数でも回る仕組みの作り方

このチュートリアルのゴール: Shopifyの標準機能 + 無料ツールだけで、 問い合わせ対応時間を1日3時間から1時間以内に短縮する 仕組みを5ステップで構築します。FAQ / テンプレート / 自動通知 / チャットボット / データ分析の順に、小さいものから積み上げる構成です。

ECを運営していると、早い段階で「問い合わせが増えて人手が足りない」という壁にぶつかります。対応に追われて、本来やるべき商品企画やマーケティングに時間が割けなくなる。わたしもShopifyアプリの開発・サポートをやるなかで、この問題に何度もぶつかりました。

結論から言うと、このチュートリアルで紹介する順番どおりに仕組みを作れば、 問い合わせの70〜80%は自動対応 に回せます。有料ツールを導入する前に、まずはShopifyの標準機能でやれることを全部やりきる、という方針で進めます。

前提条件:このチュートリアルを始める前に用意するもの

  • Shopifyストアの管理画面にログインできる(Basic以上のプラン)
  • 過去1〜3ヶ月分の問い合わせメールやチャットログが見返せる状態
  • テーマエディタで「折りたたみ可能なコンテンツ」セクションが使える(主要テーマは標準搭載)
  • 作業時間:合計3〜4時間(5ステップをまとめて1日でやる想定)
  • Shopifyの通知設定を触る権限がある(管理者またはスタッフ権限)

出典:Shopify公式ヘルプ - スタッフアカウント権限

手順

ステップ1:問い合わせパターンを5〜10カテゴリに分類する

いきなりFAQを書き始める前に、 自分のストアで何について聞かれているか を洗い出します。ここを飛ばすと、的外れなFAQを作ってしまい効果が出ません。

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    直近90日分の問い合わせを1つのシートに集める

    メール・チャット・LINEなど、チャネルごとに散らばった問い合わせをスプレッドシートに集めます。件名だけでいいので、件数ベースで傾向を見たいので多少の雑さはOK。

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    カテゴリ5〜10個に手作業でラベリング

    「配送状況」「返品・交換」「商品仕様」「支払い」「在庫・再入荷」の5分類からスタート。追加で「サイズ相談」「ラッピング対応」などが出てきたら足します。

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    上位3カテゴリを特定する

    件数上位3つが、仕組み化で最大のインパクトを出せる領域です。ECの一般的な分布では、配送状況(25〜30%)、返品・交換(15〜20%)、商品仕様(15〜20%)で全体の6割を占めます。

カテゴリを細かくしすぎると運用が破綻します。最初は5〜7個でざっくり分類する。精度を上げるのはステップ5のデータ分析フェーズで、データが溜まってからで十分です。

ステップ2:FAQページをShopifyのノーコード機能で作る

上位3カテゴリに対応するFAQを、Shopifyのテーマエディタだけで作ります。アプリ不要。

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    「オンラインストア → ページ → ページを追加」からFAQページを新規作成

    テンプレートは「page.faq」を選択(無い場合は「page」でも可)。タイトルは「よくある質問」、URLは /pages/faq にします。

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    テーマエディタで「折りたたみ可能なコンテンツ」セクションを追加

    各カテゴリごとにセクションを配置。質問タイトルは お客様の言葉で書く のがコツ。「返品ポリシー」ではなく「買った商品を返品できますか?」のように疑問文で。

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    フッター・ナビゲーションからFAQページへのリンクを設置

    購入導線の邪魔にならない位置(フッター、ヘッダーのサブメニュー、商品ページの配送情報近く)に配置。問い合わせフォームの直前にも配置しておくと、フォームに辿り着く前に自己解決するケースが増えます。

FAQは最初から完璧を目指さず、 10問でいいのでとにかく公開する 。ステップ5のデータ分析で足りないFAQを特定してから追加するほうが、実際の問い合わせに即した内容になります。

出典:Shopify公式ブログ - FAQページのデザイン15例

ステップ3:注文通知メールを「質問されない設計」に書き換える

配送関連の問い合わせの大半は、 通知メールに情報が足りない or 見つけにくい ことが原因です。ここを直すと「いつ届く?」問い合わせが一気に減ります。

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    「設定 → 通知」から注文確認・発送完了メールを開く

    Shopify管理画面の左下「設定」から「通知」タブを開き、編集したいテンプレートを選びます。

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    件名に商品名 or ブランド名を入れる

    「ご注文ありがとうございます #1234」→「【◯◯◯】ご注文の〇〇が発送されました」のように、開封時に 中身が想像できる件名 に変更。件名変更は開封率に直結します。

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    本文に追跡番号リンクと配達目安日を大きく配置

    {{ fulfillment.tracking_url }} のLiquidタグを使えば、追跡番号を自動挿入できます。配達目安日(例:「11/25〜11/27頃お届け予定」)も目立つ位置に。

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    本文末尾にFAQページへのリンクを設置

    「他にご質問がある場合はこちら」のテキストでFAQページへ誘導。問い合わせフォームより先にFAQに着地させる導線です。

Liquidタグを触るときは、まず「プレビュー」ボタンでテスト送信して、タグが正しく展開されるか必ず確認してください。{{ }} の書き間違い1つでメールが壊れます。本番に反映する前に、自分宛にテスト送信するのを習慣にしましょう。

ステップ4:Shopify Inboxで24時間の一次対応を実現する

営業時間外の問い合わせを放置しないために、無料の Shopify Inbox を有効化します。

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    Shopifyアプリストアから「Shopify Inbox」を無料インストール

    管理画面の「アプリ」→「アプリストア」から検索してインストール。数クリックで完了します。

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    自動返信メッセージを設定する

    営業時間外に自動で送るメッセージを用意。「ご連絡ありがとうございます。営業時間は平日10:00〜18:00です。配送状況は [追跡ページ] から、FAQは [こちら] からご確認いただけます」のように、自己解決の動線を含めます。

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    よくある質問のクイック返信を5〜10個登録

    Shopify Inboxには「クイック返信」機能があります。ステップ1で洗い出した上位カテゴリに対応するテンプレート回答を登録しておくと、1クリックで送信できます。

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    ストアフロントにチャットウィジェットを表示

    テーマエディタからチャットアイコンの表示位置を調整。右下固定が一般的ですが、スマホではスクロール時にCTAと重ならない位置にしましょう。

Shopify Inboxで解決できない高度な問い合わせは、有料ツール(Tidio / Gorgias / チャネルトーク)にステップアップする選択肢があります。ただし、まずは無料ツールで仕組みを回してから有料化を検討するほうが、ROIが見えやすくなります。

ステップ5:月次で問い合わせデータを振り返り、FAQ・通知を更新する

仕組みは作って終わりではなく、 月1回の振り返り で育てます。この運用サイクルがないと、1年経ったら形骸化します。

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    毎月末に問い合わせをカテゴリ別に集計

    Shopify Inboxの会話履歴、またはGorgias等のレポート機能から件数を抽出。カテゴリ別の推移をスプレッドシートに記録します。

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    件数が増えているカテゴリの「なぜ?」を深掘り

    たとえば「サイズ相談」が増えていたら、商品ページのサイズ表記が不十分な可能性が高い。原因をサイト側に求める姿勢が大事です。

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    FAQ / 通知メール / 商品ページの情報を更新

    根本原因をつぶせる場所を修正。商品ページのサイズ表を詳しくする、配送目安日を商品ページにも表記するなど。

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    翌月の件数で効果を検証

    改善 → 計測 → 再改善のサイクル。1つの施策で15〜20%減るケースも珍しくありません。

トラブルシューティング

仕組みを動かし始めると、現場で詰まるポイントがいくつか出てきます。よくある症状と対処をまとめました。

考えられる原因は3つ。(1) FAQへの導線が弱い(フッターにしか置いていない等)。(2) FAQの見出しが「返品ポリシーについて」のような一般的な言い回しで、お客様の検索ワードと合っていない。(3) そもそもFAQの内容が古い。まずステップ5のデータ分析で「どのカテゴリの問い合わせが減らないか」を特定し、該当カテゴリのFAQ見出しを疑問文に書き換えるのが効きます。

「設定 → 通知」ではなく、Shopify Inboxアプリ内の「設定 → 自動応答」から設定する必要があります。また、自動返信は訪問者が最初にメッセージを送った直後の1回のみ。連続送信中は発火しない仕様です。営業時間の設定が正しいタイムゾーンになっているかも確認してください。

タグのスペルミス、または閉じカッコの抜けが原因のほぼ全て。{{ fulfillment.tracking_url }} のように 内側にスペースを入れる のが正しい記法です。プレビューで崩れたまま保存しないよう、テスト送信を必ず挟みましょう。

一次対応をチャットボットで受け、複雑な相談は人間にエスカレーションする設計にすれば、「すぐに反応がある」という点でむしろ満足度は上がります。大事なのは、チャットボットで解決できない場合に有人対応へ スムーズに繋ぐ導線 を用意すること。「担当者に繋ぐ」ボタンを画面上に常に表示しておくだけで印象は変わります。

月間の問い合わせが100件を超えてきたら外注も選択肢。ただし、このチュートリアルの5ステップを先に整備してからにしてください。仕組みが未整備のまま外注すると、委託先でも同じ非効率が発生するだけです。仕組み化 → それでも人手が足りない → 外注、の順番が鉄則。

応用:ステップ5が回り始めたら次にやること

5ステップが仕組みとして動き出したら、次は以下の応用パートに進めます。

  • Shopify Flow による配送遅延時の自動フォローメール構築 — 追跡情報の更新が3日止まったら自動通知、など
  • 返品・交換ポリシーの明文化Shopifyの返品・交換ポリシー設計ガイド で詳細を解説
  • 問い合わせテンプレートの多言語化 — 海外顧客を取る場合
  • Gorgias / Tidio などEC特化ツールへの移行 — 月間100件を超えてきたら検討

→ Shopifyでカスタマーサポートを仕組み化する

この記事はShopify予約アプリ「まるっと予約」の開発元であるPepinが執筆しています。

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SHIN

この記事の執筆者

SHIN

Pepin代表、Webエンジニアとして10年以上の経歴を持ち、
Shopifyアプリ・ストア開発 / webサービス開発 / メディア運営などマルチに活動。

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