STORES予約とAirリザーブを比較 — Shopify運営者はどっち?

STORES予約とAirリザーブを比較するとき、最初に決めるべきなのは機能の多さではなく 顧客データをどこに貯めるか です。Shopify で物販をしながら受注会・ポップアップ・一日カフェ・体験会のような単発イベントの予約を受けたいなら、STORES予約(月額0〜66,000円)や Airリザーブ(月額0〜11,000円)のような独立型の予約システムより、Shopify のチェックアウトで完結するアプリ型のほうが運用は軽くなります。理由は単純で、購入履歴と予約履歴が同じ顧客データベースに並ぶからです。
この記事は、汎用的な「予約システム おすすめ10選」ではありません。 すでに Shopify で EC を運営している事業者が、単発イベントの予約をどう捌くか に絞って、料金・決済手数料・EC連携の3軸で比較します。わたしは Shopify アプリ「まるっと予約」を開発している立場なので、自社プロダクトの弱いところも同じ粒度で書きます。
本記事の比較軸は EC連携・単発イベント・自社ドメイン運用 に偏っています。常設の個人サロンや教室の予約管理が目的なら、STORES予約や媒体型サービスのほうが素直にまわります。用途が違う方はその前提でお読みください。
このページでわかること
自社サイト型・汎用SaaS型・媒体掲載型の違いを、Shopify 目線で整理します。
受注会・ポップアップ・体験会で実際に要求される4つの機能を洗い出します。
月額・決済手数料・予約件数上限を、公式ページで確認できた数字だけで並べます。
顧客データを自社で持ち続けるために必要な条件を確認します。
他サービスから移すときに何が持ち出せて、何が消えるかを整理します。
STORES予約とAirリザーブ、比較の軸は何?
比較表を作るとき、つい「機能◯個」「対応業種◯種」のような足し算をしてしまいます。ただ、導入後に効いてくるのはもっと地味な3点です。
- 01
顧客データがどこに残るか
予約者の連絡先・来店履歴・購入履歴が同じ場所にあるか。ここが割れると、メルマガも再来店施策も二重管理になります。 - 02
決済手数料が売上に対して何%か
月額は固定ですが、手数料は売上に比例して増えます。件数が伸びるほど、月額より手数料の差のほうが大きくなります。 - 03
予約画面でドメインが変わるか
example.comから外部サービスに飛ぶと、ブランド体験はそこで一度切れます。単発イベントは熱量で売る場面なので、この断絶は地味に効きます。
比較検討の順番は「必要機能の洗い出し → 該当サービスの絞り込み → 料金」です。料金表から入ると、安いプランで足りない機能に後から気づいて、結局アップグレードすることになります。
予約システムは3タイプ、どう違う?
ひとくちに予約システムと言っても、設計思想は大きく3つに分かれます。
- 予約システムの3タイプ
自社サイト型 :自分のドメイン・サイト内で予約フォームを完結させるタイプ。Shopify + 予約アプリはここに該当します。 汎用SaaS型 :予約管理に特化したクラウドサービスで、専用の予約ページを払い出してくれる。STORES予約・Airリザーブなど。 媒体掲載型 :プラットフォームの集客力に乗るタイプ。ホットペッパービューティーなどが代表例です。
判断の分かれ目は「集客チャネルを自前で持っているか」です。
Shopify で物販を運営している場合、 顧客データは Shopify 側に貯まり続ける というのが出発点です。Shopify では顧客プロフィールにタグを付けて、そのタグから顧客セグメントを作れます。汎用SaaS型の予約システムを併用すると、このタグと予約履歴が別のデータベースに分かれてしまうのが最大の摩擦になります。
出典:Shopify ヘルプセンター「お客様を管理する」(2026年9月12日 WebFetch で内容確認)
単発イベントに向いている予約システムはどれ?
受注会・ポップアップ・料理教室のような単発イベントには、常設サロン向けにはない要件があります。
- 01
開催が不定期
期間限定のスロットを都度作れる必要があります。常設の週次スケジュール前提の設計だと、毎回の設定が苦行になります。 - 02
購入履歴ベースの優先枠
既存顧客やVIPを先に通したいケースが多く、Shopify の顧客タグと連動できると強い武器になります。 - 03
物販との同時購入
受注会では試着予約と一緒に商品をカートへ入れたい。EC と一体で動くかどうかが体験の質を決めます。 - 04
前金・キャンセル料
単価が高いイベントほどデポジットが要ります。Shopify のチェックアウトで処理できると、会計側の突き合わせもラクです。
この4つを同じストア内で扱いたいなら Shopify + 予約アプリ型が有力です。逆に、回数券・業種別アンケート・LINE 配信のような定型機能を優先するなら汎用SaaS型が候補になります。前金の設計そのものについては → Shopify予約のデポジットはいつ・いくら取るか にまとめています。
料金と手数料を比較すると何が見えてくる?
ここからは公式ページで確認できた数字だけを並べます。確認できなかった軸は「要問い合わせ」と書き、推測では埋めません。
STORES 予約
| プラン | 月額(年間契約) | 月間予約件数 |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | 50件 |
| スモール | 9,790円 | 200件 |
| チーム | 19,690円 | 300件 |
| ビジネス | 28,600円 | 2,000件 |
| エンタープライズ | 66,000円 | 5,000件 |
複数月契約(最短3ヶ月以上)だと、スモール12,980円、チーム22,880円、ビジネス31,790円、エンタープライズ77,000円と、年間契約より高くなります。決済手数料は公式の料金表で 5.2%〜 と表記されています(スタンダードプラン加入かつ中小特別料率適用時は3.3%〜)。LINE ミニアプリ連携や事前決済・回数券管理といった機能が用意されていますが、オプション料金の有無は公式へ確認してください。
出典:STORES 予約 料金プラン(2026年9月12日 WebFetch で内容確認)
Airリザーブ
| プラン | 月額(税込) | 月間予約件数 |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | 無制限 |
| ベーシック | 5,500円 | 無制限 |
| スタンダード | 11,000円 | 無制限 |
| プレミアム | 要問い合わせ | 無制限 |
決済手数料は全プラン共通で 3.24% 、公式は業界最安水準と表記しています。フリープランから予約件数が無制限なのが最大の特徴で、初期費用0円・契約期間の縛りなしと明記されています。提供元は株式会社リクルートで、リマインドメール自動配信、予約情報のCSVダウンロード、複数店舗管理、Google カレンダー連携が公式ページに挙がっています。
出典:Airリザーブ 料金ページ(2026年9月12日 WebFetch で内容確認)
Coubic(クービック)はまだ比較対象になる?
なりません。coubic.com にアクセスすると302で stores.jp/reserve へ、さらに301で stores.fun/reserve へ転送され、STORES 予約のページに着地します。新規導入の比較では STORES 予約と同一視して問題ありません。既存契約の扱いは STORES へ確認してください。
出典:STORES 予約 公式サイト(2026年9月12日 WebFetch でリダイレクト先と内容を確認)
Shopify + まるっと予約
まるっと予約は Free(合計10件)、Starter 月額19.99ドル(月30件)、Growth 月額49.99ドル(無制限+Google カレンダー・ICS 同期)、Pro 月額99.99ドル(無制限+複数拠点管理・顧客プロファイル・Shopify Flow 連携)の4段階で、有料プランには7日間の無料トライアルが付きます。請求は30日ごとのUSD建てなので、円換算は為替で動きます。
Shopify 本体は Basic が年払い3,650円/月、Grow 10,100円/月、Advanced 44,000円/月。国内クレジットカード手数料は Basic で3.55%です。すでに物販サイトを運営しているなら、Shopify 料金は既存コストなので、比較すべき増分はアプリ料金だけになります。
出典:Shopify 料金プラン(日本)(2026年9月12日 WebFetch で内容確認)
出典:まるっと予約 Shopify App Store(2026年9月12日 WebFetch でプラン内容を確認)
決済手数料はどれくらい差が出る?
月額より効いてくるのが手数料です。3社の料率を並べるとこうなります。
月150件・単価8,000円・オンライン決済の利用率50%(決済額60万円)で計算すると、3.55%なら21,300円、5.2%なら31,200円で、差は月9,900円。年間では約11.9万円です。件数が増えるほどこの差は素直に積み上がります。手数料そのものの掘り下げは → 予約システムの決済手数料を比較 にまとめました。
月額0円のプランは、公開ページ数・予約件数・スタッフ数・決済などのどこかに制限があります。また、すでに Shopify を運営している場合は、Shopify の既存費用と予約の追加分を分けて比較してください。円換算を固定せず、請求時の為替と必要プランで判断するのが安全です。
無料プランで実際にどこまで運用できるかは → 予約システムは無料と有料で何が違うか で検証しています。
この記事では扱っていませんが、店頭での会計を軸に組み立てるなら Square 予約も候補に入ります。Shopify と並べたときにどこで差がつくかは Square予約とShopifyの料金・機能の比較 に分けて書きました。
イベント予約システムの比較で見落とされる3つの軸
料金表と機能一覧だけ見ていると、導入後に効いてくるこの3つが抜けます。
予約の3日前・前日に届く通知は、ノーショー対策の主戦力です。メールだけなのか、LINE も使えるのか、送信タイミングを自分で変えられるのかを確認してください。EC 側で使っているメール配信ツールと送信元ドメインが揃うかどうかも、到達率に効きます。
イベント単位の割引やクーポンを使いたい場合も、どちら側で発行するかで運用が変わります。Shopify 側なら金額割引・定率割引・送料無料などをチェックアウトでそのまま適用できます。
出典:Shopify ヘルプセンター「ディスカウント」(2026年9月12日 WebFetch で内容確認)
STORES予約とAirリザーブを比較した結論は?
ここまでの整理をふまえると、Shopify EC 運営者の単発イベント予約については判断はシンプルです。
各構成の良し悪しを平等に並べます。自社プロダクトのネガティブな点も同じ粒度で書きます。
事前決済・回数券管理・LINEミニアプリ連携など、常設の店舗運用で必要になる機能が公式ページに揃っています。予約に専業でお金をかけている分だけ、機能の層は厚いです。
決済手数料3.24%は今回の3社で最安。フリープランから件数無制限なので、小さく始めるハードルが極めて低いのが強みです。
予約・購入・顧客タグが1つの Shopify 顧客DBに集約されます。受注会で購入履歴ベースのVIP枠を作るような、 EC 的な使い方 ができます。
Shopify の顧客タグや購入履歴とは直接連動しません。決済手数料も公式表記で5.2%〜と、Shopify Payments の3.55%より高めです。
テンプレートの世界観に依存するため、ブランドサイトの空気をそのまま予約画面へ持ち込むのは難しいです。定型予約には向きますが、ブランド体験を売るイベントとは噛み合いにくい。
回数券・キャンセル待ち・業種固有のアンケートといった常設向け機能は、現行のプラン一覧に載っていません。必要な運用が満たせるかは7日間の無料トライアルで先に確かめてください。
単発イベント運用での適性(本記事の比較軸での評価)
上の点数は「EC連携・単発イベント・自社ドメイン運用」という本記事の軸での評価です。常設サロンの軸で採点すれば順位は入れ替わります。Shopify 向け予約アプリ同士の比較は → Shopify予約アプリ5つを開発者が徹底比較 が詳しいです。
判断フロー
- 常設サロン・教室で回数券や業種別機能を重視 → STORES 予約を検討
- BtoBや無人施設の定型予約で件数が多い → Airリザーブ
- Shopify で物販を運営していて、単発イベント予約を後付けしたい → Shopify + 予約アプリ
- 媒体からの新規集客がまだ必要な段階 → 媒体型と併用
乗り換えるとき何をどう移す?
すでに他の予約システムを使っている場合、移行で詰まりやすいのは機能ではなくデータと導線です。
- 1
予約者データをCSVで書き出す
氏名・メール・電話・過去の予約日を先に手元へ落とします。書き出せる項目はサービスによって違うので、解約前に必ず確認してください。 - 2
既存予約が終わるまで並走させる
先の日付で入っている予約は移し替えず、期日まで旧システムで消化します。二重受付を避けるため、新規受付だけ新システムに寄せます。 - 3
旧予約ページのリンクを差し替える
Instagram のプロフィール、Google ビジネスプロフィール、過去のメルマガ。差し替え漏れが一番多いのはSNSのプロフィール欄です。 - 4
顧客をShopifyの顧客データに取り込む
移行後は購入履歴と予約履歴が同じ顧客に紐づきます。タグを付けておくと、次のイベント告知でセグメント配信ができます。
STORES 予約からの具体的な移行手順は → STORES予約からShopifyへ移行する手順 に、Airリザーブとの1対1比較は → Airリザーブ vs Shopify+まるっと予約 にまとめています。
解約のタイミングだけは慎重に。予約者データの書き出しは、契約が切れると同時にできなくなる場合があります。書き出し → 中身の確認 → 解約、の順番を崩さないでください。
よくある質問
月間の予約件数と、オンライン決済の利用率です。この2つが決まると、月額と手数料のどちらが効くかが決まります。件数が少なく単価が高いなら手数料重視、件数が多く単価が低いなら月額と件数上限を重視してください。
件数次第です。Airリザーブはフリープランでも予約件数が無制限、STORES 予約のフリーは月50件、まるっと予約の無料プランは合計10件までと、上限の考え方がそれぞれ違います。まず自分の月間件数を数えてから比べるのが確実です。
2026年9月12日時点で coubic.com は STORES 予約のページへ転送され、新規申し込みは STORES 予約の導線に進みます。既存契約の扱いは STORES へ直接確認してください。
いけなくはありません。集客チャネルが完全に分かれているなら、別々でも問題は起きにくいです。困るのは 同じ顧客が両方を使い始めたとき で、名寄せとメール配信の重複が効いてきます。統合コストは後から効いてくる、とだけ覚えておいてください。
月150件・単価8,000円・オンライン決済率50%(決済額60万円)なら、3.55%で21,300円、5.2%で31,200円。月9,900円、年間で約11.9万円の差です。件数が伸びるほど、月額の差より大きくなります。
スコープを明示しています。本記事は Shopify EC 運営者の単発イベント予約 に限った比較です。常設サロンや、媒体集客がまだ必要なフェーズの方には別の選択肢が最適になります。前提を変えれば結論も変わります。
まとめ
- 予約システムの比較は、機能数ではなく「顧客データの置き場所・決済手数料・ドメインの連続性」の3軸で見る
- STORES 予約はフリー0円〜エンタープライズ66,000円、決済手数料は公式表記で5.2%〜
- Airリザーブは全プラン件数無制限、決済手数料3.24%。小さく始めるハードルが最も低い
- Coubic は STORES 予約へ転送済み。新規導入の比較対象としては同一視してよい
- Shopify で物販を運営しているなら、比較すべきは増分コストだけ。まるっと予約は19.99〜99.99ドル
- 常設運用が主目的なら、回数券・キャンセル待ち・アンケートの必要性を先に洗い出してから比較する
→ まるっと予約 Shopify App Store ページを見る
2026年9月12日時点の情報です。各サービスの料金は公式サイト掲載情報に基づきますが、プラン改定により変更される場合があります。「STORES」は STORES 株式会社、「Airリザーブ」は株式会社リクルート、「Coubic」は株式会社クービック(現 STORES 株式会社)の登録商標または商標です。


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