EC運営に必要な法律知識まとめ — 特商法・景表法・個人情報保護法
ECサイトを運営していると、「この表示で法的に問題ないかな?」「個人情報の取り扱いってどこまで対応すればいいんだろう?」と不安になることがありませんか。
わたし自身、ECの仕事に関わるなかで、法律まわりの知識があいまいなまま進めてしまい、あとから慌てて修正した経験があります。法律というと難しく感じますが、EC運営に関係するポイントは意外と限られています。
この記事では、ECサイト運営者が最低限押さえておくべき 5つの法律 を、実務に即したかたちで整理しました。
出典:消費者庁 景品表示法に基づく措置命令等の実施状況(2023年度)
EC運営に関わる法律の全体像
まずは、ECサイト運営で関わりの深い法律をざっと把握しておきましょう。
- 1
特定商取引法(特商法)
ネット販売に必須の表記義務。違反すると行政処分の対象になります。 - 2
景品表示法(景表法)
商品やサービスの広告表現を規制する法律。誇大広告はNGです。 - 3
個人情報保護法
お客様の氏名・住所・メールアドレスなどの取り扱いルールを定めた法律。 - 4
薬機法
健康食品・化粧品などを扱う場合に注意が必要な法律。 - 5
著作権法
商品画像やテキストの無断使用を防ぐ法律。自分のコンテンツを守る側面もあります。
それぞれ詳しく見ていきます。
特定商取引法(特商法)。ネットショップ運営の土台
特定商取引法は、ネット通販を含む 「通信販売」に対して表示義務を課す法律 です。ECサイトを開設するなら、必ず対応しなければなりません。
- 特定商取引法(特商法)
消費者を不当な勧誘や取引から守るための法律です。ネット通販では「特定商取引法に基づく表記」ページの設置が義務付けられており、事業者情報・返品条件・支払方法などを明示する必要があります。
記載が必要な項目
- 事業者名(法人名または個人名)
- 所在地(住所)
- 連絡先(電話番号またはメールアドレス)
- 販売価格(税込表示)
- 送料・手数料などの追加費用
- 支払方法と支払時期
- 商品の引渡時期
- 返品・交換の条件
- 責任者の氏名
特商法の表記がないまま販売を続けると、消費者庁から 行政指導や業務停止命令 を受ける可能性があります。「小さなショップだから見逃してもらえる」ということはありません。
個人事業主の住所公開について
2022年6月の法改正により、一定の条件を満たせば住所や電話番号を「請求があった場合に遅滞なく開示する」という対応も認められるようになりました。ただし、完全に非公開にできるわけではないため、バーチャルオフィスの活用も選択肢のひとつです。
景品表示法(景表法)。広告表現のルール
景表法は、消費者が商品やサービスを正しく選べるように、 誇大広告や不当な表示を規制する法律 です。EC運営では商品ページやSNS広告の表現に直接関わります。
- 景品表示法(景表法)
実際の商品・サービスよりも著しく優良であると消費者に誤認させる表示(優良誤認)や、価格が著しくお得であると誤認させる表示(有利誤認)を禁止する法律です。2024年10月から確約手続制度が導入され、違反時の課徴金リスクがさらに高まっています。
こんな表現は要注意
- 「業界No.1」「日本一」と書いておきながら客観的な根拠がない
- 「通常価格10,000円 → 今だけ3,000円」で、通常価格が実在しない
- 「満足度98%」のアンケートの母数や条件が不明確
- 「限定50個」と書きながら実際は在庫が十分にある
数字やランキングを使うときは、 必ず根拠を示せるデータを手元に持っておく ことが大切です。「No.1」を名乗るなら第三者調査の結果が必要ですし、割引価格を表示するなら過去の販売実績が証拠になります。
個人情報保護法。顧客データの取り扱い
ECサイトでは注文のたびにお客様の氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどの個人情報を取得します。これらの情報を適切に管理するためのルールが 個人情報保護法 です。
ECサイトに必要な対応
- 01
プライバシーポリシーの公開
どんな個人情報を、どんな目的で取得し、どう管理するかを明示します。 - 02
SSL/TLS暗号化の導入
サイト全体をHTTPS化し、通信データを暗号化します。Shopifyなら標準で対応済みです。 - 03
データの安全管理措置
アクセス権限の制限、パスワード管理、不要データの適切な破棄などを実施します。 - 04
第三者提供のルール遵守
お客様の同意なく個人情報を外部に渡すことは原則禁止されています。
2022年4月の改正個人情報保護法により、 漏えい時の報告義務 が強化されました。一定の要件に該当する漏えいが発生した場合、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務付けられています。
薬機法と著作権法。該当する場合は要注意
EC運営で扱う商品ジャンルによっては、さらに注意が必要な法律があります。
健康食品、サプリメント、化粧品などを販売する場合に関わる法律です。これらは「食品」や「化粧品」であり「医薬品」ではないため、医薬品のような効果効能の表現が禁止されています。
「飲むだけで痩せる」「シミが消える」といった表現は薬機法違反になります。成分の事実を伝えたり、機能性表示食品として届出を行うなど、正しい方法で商品の魅力を伝えましょう。
商品画像やブランドロゴ、ブログ記事のテキスト、SNS投稿の写真など、あらゆるコンテンツに著作権があります。他社の画像を無断で使用したり、メーカー公式の写真を許可なく商品ページに掲載するのはNGです。
逆に、自分が撮影した商品写真やオリジナルの文章が無断で使われた場合は、著作権を根拠に対処できます。
法令遵守のためにやるべきことチェックリスト
最後に、EC運営者として今すぐ確認しておきたいポイントをまとめます。
- 特商法に基づく表記ページを作成・公開している
- プライバシーポリシーを公開している
- 商品ページの表現に誇大広告がないか確認した
- 価格表示は税込で、二重価格表示のルールを守っている
- SSL証明書が有効で、サイト全体がHTTPS化されている
- お客様の個人情報へのアクセス権限を適切に管理している
- 健康食品・化粧品を扱う場合、薬機法の表現ルールを確認した
- 使用している画像・テキストの著作権を確認した
法律は定期的に改正されます。年に1回は消費者庁や個人情報保護委員会のサイトをチェックして、最新のルールに対応しているか見直す習慣をつけましょう。
まとめ
EC運営に関わる法律は多岐にわたりますが、まず押さえるべきは 特商法・景表法・個人情報保護法 の3つです。扱う商品によっては薬機法や著作権法も意識する必要があります。
「知らなかった」は通用しないのが法律の世界です。でも、難しく考えすぎる必要もありません。ひとつずつ確認して対応していけば、お客様にとって安心できるショップになりますし、自分自身を守ることにもつながります。
Shopifyを使っている方は、法的ページの自動生成テンプレートやSSL標準対応など、プラットフォーム側のサポートも充実しています。まだ対応が不十分な部分があれば、この記事をきっかけに見直してみてください。


Shopify予約アプリ
まるっと予約
無料プランあり・日本語サポート
Shopifyストア構築もお任せください
「自分でShopifyを設定するのは不安」という方に、アプリ開発者本人がShopifyストア構築+まるっと予約の導入をまるごとサポートいたします。


