Shopifyカゴ落ちメールの書き方と設定手順 — 回収率を上げるテンプレート付き
「カートに入れてくれたのに、そのまま帰ってしまった」
ECストアを運営していると、この状況に何度も直面します。でも、カートに商品を入れたということは、少なくとも興味はあったということ。あと一押しがあれば、購入につながっていたかもしれません。
その 「あと一押し」 を担うのが、カゴ落ちメール(チェックアウト離脱メール)です。
わたし自身、以前Shopifyストアの運営に携わっていたとき、カゴ落ちメールの文面と送信タイミングを見直しただけで、回収率が明らかに変わった経験があります。設定自体はとてもシンプルなので、まだ取り組んでいない方はぜひこの記事を参考にしてみてください。
出典:Baymard Institute - Cart Abandonment Rate Statistics、Omnisend - Email Marketing Statistics 2025
カゴ落ちメールの開封率は平均45%と、通常のメルマガの約2〜3倍。さらに開封した人の約10%が購入に至るというデータがあります。つまり、送らない理由がないのです。
カゴ落ちメールとは
- カゴ落ちメール(Abandoned Cart Email)
カートに商品を入れたまま購入せずにサイトを離れたお客様に対して、自動で送信されるフォローアップメールのこと。Shopifyでは「チェックアウト離脱メール」として、管理画面から設定できます。
Shopifyの標準機能として組み込まれているため、外部アプリなしで始められます。チェックアウトに進んでメールアドレスを入力したものの、購入を完了しなかったお客様に対して、自動的にリマインドメールが配信される仕組みです。
Shopifyの標準カゴ落ちメールは 全プランで利用可能 です。管理画面の 「設定」→「チェックアウト」 から、テンプレートのカスタマイズや送信タイミングの変更ができます。
Shopifyでカゴ落ちメールを設定する手順
設定はとてもシンプルです。以下の手順で進めてください。
- 1
管理画面から「設定」→「チェックアウト」を開く
Shopify管理画面の左下にある「設定」をクリックし、「チェックアウト」セクションを選択します。
- 2
「チェックアウト離脱メール」セクションを確認する
ページをスクロールすると「チェックアウト離脱メール」の設定項目があります。自動送信がオンになっていることを確認してください。
- 3
送信タイミングを設定する
離脱からメール送信までの待機時間を選択します。推奨は 1時間後 です(後述)。
- 4
メールテンプレートをカスタマイズする
「チェックアウトをカスタマイズ」からメールの件名・本文・デザインを編集します。ブランドに合ったトーンに調整しましょう。
- 5
テスト送信して確認する
設定後は必ず自分宛にテスト送信を行い、表示崩れやリンク切れがないか確認します。
出典:Shopify公式ヘルプ - チェックアウト離脱メールを回復する
カゴ落ちメールが送信されるのは、チェックアウトページで メールアドレスを入力した お客様だけです。カートに入れただけでチェックアウトに進んでいない場合は、標準機能ではメールを送れません。より広い範囲をカバーしたい場合は、Shopify Messagingのオートメーション機能やKlaviyoなどの外部アプリを検討してください。
送信タイミングの最適解
カゴ落ちメールの効果は、送るタイミングで大きく変わります。
多くの調査で 離脱から1時間以内 の送信が最も回収率が高いと報告されています。Shopifyの初期設定は10時間ですが、1時間に変更するのがおすすめです。早すぎると「監視されている」と感じさせるリスクがありますが、1時間はちょうどよい間隔とされています。
出典:Omnisend - Best Time to Send Abandoned Cart Emails
回収率を上げるメールの書き方
カゴ落ちメールは「送るだけ」では効果が限定的です。文面やデザインを工夫することで、回収率は大きく変わります。
- 件名はシンプルかつ具体的に(「お忘れ物はありませんか?」など)
- カートに残っている商品画像と商品名を表示する
- チェックアウトに戻るボタンを目立たせる
- 送料無料や割引などのインセンティブを添える(2通目以降が効果的)
- スマホで崩れないレスポンシブデザインにする
- 購入を急かすのではなく「お手伝いできることはありますか?」というトーンで
件名のテンプレート例
件名はメール開封率を左右する最も重要な要素です。以下のパターンを参考にしてみてください。
- 01
リマインド型
「カートに商品が残っています」「お買い物の続きはいかがですか?」
- 02
パーソナル型
「〇〇さん、お忘れ物はありませんか?」
- 03
インセンティブ型(2通目向け)
「今なら送料無料でお届けします」「特別クーポンをご用意しました」
- 04
緊急性型
「在庫がわずかです。お早めにどうぞ」
件名に「【重要】」や「急いでください」などの強い煽り文句は避けましょう。スパムフィルターに引っかかりやすくなるうえ、ブランドイメージの低下にもつながります。
メール本文のテンプレート
実際にカゴ落ちメールを書くとき、ゼロから考える必要はありません。以下のテンプレートをベースにアレンジしてみてください。
件名: カートに商品が残っています
〇〇さん、こんにちは。
先ほどカートに入れていただいた商品が、まだお待ちしています。
[商品画像・商品名・価格]
もしお買い物の途中で何かお困りのことがあれば、お気軽にご連絡ください。
[チェックアウトに戻る] ← ボタン
件名: 〇〇さんへ、特別クーポンをご用意しました
こんにちは。昨日カートに入れていただいた商品、まだご購入いただけていないようです。
もしよろしければ、こちらの 10%OFFクーポン をお使いください。
クーポンコード:COMEBACK10(有効期限:48時間)
[商品画像・商品名・価格]
[クーポンを使ってお買い物を続ける] ← ボタン
件名: カートの商品をまもなく削除します
〇〇さん、こんにちは。
カートに入れていただいた商品の在庫確保期間がまもなく終了します。ご購入をお考えの場合は、お早めにお手続きください。
[商品画像・商品名・価格]
[お買い物を完了する] ← ボタン
ご不明点があれば、いつでもお問い合わせください。
Shopifyの標準機能では 1通のみ 自動送信できます。2通目・3通目のシナリオを組みたい場合は、Shopify Messagingの オートメーション機能 を活用するか、Klaviyoなどの外部アプリを導入してください。
さらに回収率を高める3つのコツ
基本設定ができたら、次のステップとしてこれらの工夫も取り入れてみてください。
カゴ落ちメールに商品レビューや評価を載せることで、購入への不安を軽減できます。「他の人も買っている」という社会的証明は強力です。
1通目はリマインド、2通目はインセンティブ、3通目は在庫切れの警告。段階的にアプローチを変えることで、異なるタイプの離脱者にリーチできます。
件名、送信タイミング、CTAボタンの色や文言など、ひとつずつ変数を変えてテストしましょう。小さな改善の積み重ねが回収率を大きく変えます。
よくある質問
一般的には 2〜3通 が推奨されています。1通目はリマインド(1時間後)、2通目はインセンティブ付き(24時間後)、3通目は最終通知(72時間後)。4通以上はスパムと感じられるリスクがあるため、控えたほうが無難です。
1通目からクーポンをつけると、「カゴ落ちすれば割引がもらえる」と学習されてしまう可能性があります。1通目はリマインドのみにして、2通目以降でインセンティブを出すのがおすすめです。
小規模ストアであれば、標準のカゴ落ちメール機能だけでも十分効果があります。ただし、複数通のシナリオ配信やセグメント別の出し分けをしたい場合は、Shopify Messagingのオートメーションや、Klaviyoなどの専門ツールを検討してください。
日本では特定電子メール法により、事前に同意を得た相手にのみ広告メールを送れます。Shopifyのチェックアウトでは、メールマーケティングへの同意チェックボックスを設置できるので、必ず有効にしておきましょう。なお、「取引に関する通知」として送る場合は広告メールとは別扱いになりますが、過度な宣伝内容を含めないよう注意が必要です。
まとめ
カゴ落ちメールは、設定のハードルが低いわりに売上への直接的なインパクトが大きい施策です。まだ設定していない方は、今日からでもすぐに始められます。
- Shopify管理画面でカゴ落ちメールを有効にする
- 送信タイミングを1時間後に変更する
- 件名と本文をブランドに合わせてカスタマイズする
- テスト送信で表示を確認する
- 余裕があればShopify Messagingで複数通のシナリオを構築する
カゴ落ちメールは「売上を取り戻す」仕組みです。広告費をかけずに、すでに興味を持ってくれたお客様にもう一度アプローチできる。コストパフォーマンスの高さを考えると、やらない理由はありません。
この記事はShopify予約アプリ「まるっと予約」の開発元であるPepinが執筆しています。


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