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Pepinby SHIN
Shopify2026-03-317分で読めます

Shopifyのチェックアウトで離脱される原因と対策

Shopifyのチェックアウトで離脱される原因と対策
カート離脱・ウィンドウショッピングのイメージ

「商品をカートに入れてくれたのに、なぜか購入まで至らない」

ECストアを運営していると、この壁にぶつかる瞬間が必ずあります。
わたし自身、以前企業のShopifyストア運営に携わっていたとき、チェックアウトの離脱率をどう下げるかはチーム全体の最重要テーマでした。

正直なところ、カゴ落ちをゼロにするのは不可能です。でも、原因を正しく理解して手を打てば、確実に数字は改善できます。

この記事では、チェックアウト離脱が起きる原因を最新データとともに整理し、Shopifyストアで今日から実践できる具体的な対策をまとめました。

チェックアウト離脱率の実態を知る

まず、数字で現状を把握しましょう。Baymard Instituteが50件の調査を集計したデータによると、ECサイト全体のカート離脱率は 70.19% に達します。

70.19%
カート離脱率
ECサイト全体の平均値(50件の調査を集計)
2,600億ドル
回収可能な損失額
米国・EU圏でチェックアウト改善により回収可能と試算
35.26%
CVR改善余地
チェックアウト最適化で得られる平均的なコンバージョン率向上幅

出典:Baymard Institute - Cart Abandonment Rate Statistics 2026

つまり、カートに商品を入れた人の約7割がそのまま離脱しているということです。逆に言えば、ここを改善するだけで売上に直結するインパクトがあります。

Baymard Instituteの試算では、チェックアウトのデザインとフローを最適化するだけで、大規模ECサイトで平均35%のコンバージョン率向上が見込めるとされています。

チェックアウトで離脱される7つの原因

チェックアウト離脱(Checkout Abandonment)

商品をカートに入れた後、決済を完了せずにサイトを離れてしまうことです。「カゴ落ち」とほぼ同義ですが、厳密にはチェックアウトページまで進んだ上での離脱を指します。

Baymard Instituteの調査から、チェックアウト離脱の主な原因をまとめました。「なんとなく見ていただけ(43%)」を除くと、以下の7つが上位に並びます。

出典:Baymard Institute - Cart Abandonment Rate Statistics

ひとつずつ見ていきます。

  1. 01

    送料・手数料が想定外に高い(48%)

    離脱原因の第1位。商品ページでは安く見えたのに、チェックアウトで送料や手数料が加算されて「思ったより高い」と感じた瞬間、ユーザーは離脱します。商品ページの段階で送料の目安を表示しておくのが鉄則です。

  2. 02

    アカウント作成を求められる(26%)

    「買いたいだけなのに、なぜ会員登録が必要なの?」という心理的ハードルは想像以上に大きいです。Shopifyではゲストチェックアウトを有効にすることで、この離脱を大幅に減らせます。

  3. 03

    セキュリティへの不安(25%)

    クレジットカード情報を入力する場面では、ストアの信頼性が直接問われます。SSLバッジやセキュリティマーク、決済ブランドのロゴを表示することで安心感を高められます。

  4. 04

    合計金額が事前にわからない(21%)

    税込み価格が最後まで見えない、送料の計算が複雑で表示されない、といったケースです。日本のストアでは税込み表示が義務化されていますが、送料も含めた「支払い総額」をできるだけ早く見せる工夫が必要です。

  5. 05

    返品ポリシーが不満(18%)

    返品・交換の条件が厳しかったり、そもそもポリシーが見つけにくかったりすると、不安から離脱につながります。チェックアウトページやフッターにポリシーへのリンクを設置しましょう。

  6. 06

    サイトエラー・技術的問題(17%)

    ページの読み込みが遅い、ボタンが反応しない、エラーが出る。こうした技術的な問題は、せっかくの購買意欲を一瞬で消し去ります。定期的なテストが欠かせません。

  7. 07

    決済手段が少ない(13%)

    クレジットカードしか使えないストアは、それだけで機会損失が発生します。Apple Pay、Google Pay、コンビニ決済、後払いなど、ターゲットに合った決済手段を揃えることが大切です。

Shopifyの決済設定画面

Shopifyのチェックアウト改善機能を活用する

Shopifyには、チェックアウトの離脱率を下げるための機能がすでに備わっています。ここでは特に効果の高い3つを紹介します。

Shop Payで決済スピードを劇的に改善

Shop Pay

Shopifyが提供するアクセラレーテッドチェックアウト(高速決済)機能です。ユーザーが一度情報を登録すると、以降はメールアドレスだけでワンタップ決済ができます。世界で1.5億人以上が利用しています。

50%
CVR向上
ゲストチェックアウトと比較した場合のコンバージョン率改善
4倍
決済スピード
従来のチェックアウトと比較した速度改善
1.5億人+
利用者数
Shop Payのグローバルユーザー数

出典:Shopify - Shop Pay: The Best-Converting Accelerated Checkout

わたしが以前のストア運営に携わっていたとき、Shop Payの導入前後でモバイルのコンバージョン率が目に見えて改善した経験があります。特にリピーターの購入率が上がったのは、毎回住所やカード番号を入力する手間がなくなったことが大きかったと感じています。

Shop Payはモバイルでの効果が特に大きく、モバイルでのコンバージョン率は最大91%向上するというデータもあります。スマホからの購入比率が高いストアほど、Shop Payの有効化は必須です。

出典:Shopify - Shop Pay Checkout

ワンページチェックアウトに移行する

Shopifyは2024年から、全プランでワンページチェックアウトをデフォルトにしています。従来の複数ページ方式と比べて、情報入力から決済完了までが1画面で完結するため、離脱ポイントが物理的に減ります。

従来の複数ページ
  • 情報入力→配送方法→決済の3ステップ
  • 各ステップでページ遷移が発生
  • 読み込み待ちのたびに離脱リスク
  • 「あとどれくらい?」の不安
ワンページチェックアウト
  • すべての情報を1画面で入力
  • ページ遷移なしでスムーズ
  • 進捗が一目でわかる安心感
  • 平均7.5%のCVR改善効果

出典:Shopify - One-Page Checkout

Shopifyでは、レガシーチェックアウト(checkout.liquid)の廃止が段階的に進んでいます。Plusストアは2025年8月、通常プランは2026年8月が移行期限です。まだ旧チェックアウトを使っている方は、早めのアップグレードをおすすめします。

出典:Shopify公式ヘルプ - One-page checkout

ゲストチェックアウトを有効にする

先ほどの離脱原因で「アカウント作成が必須」が26%を占めていたように、会員登録の強制は大きな離脱要因です。Shopifyの管理画面から、ゲストチェックアウト(アカウント登録なしでの購入)を有効にできます。

  1. 1

    管理画面の「設定」を開く

    Shopify管理画面の左下にある「設定」をクリックします。

  2. 2

    「チェックアウト」を選択

    設定メニューから「チェックアウト」を選びます。

  3. 3

    顧客アカウントの設定を変更

    「顧客アカウント」セクションで、「アカウントを任意にする」または「アカウントなしでチェックアウトを許可」に設定します。

出典:Shopify公式ヘルプ - Customer account settings

チェックアウト離脱を防ぐ実践チェックリスト

ここまでの内容を踏まえて、Shopifyストアのチェックアウトを最適化するためのチェックリストをまとめました。すべてにチェックが入る状態を目指しましょう。

  • Shop Payを有効化している
  • ワンページチェックアウトに移行済み
  • ゲストチェックアウトを許可している
  • 商品ページで送料の目安を表示している
  • 3種類以上の決済手段を用意している(クレカ、Apple Pay、コンビニ決済など)
  • 返品ポリシーをチェックアウトページから確認できる
  • SSL証明書・セキュリティバッジが表示されている
  • モバイルでのチェックアウトフローを定期的にテストしている
  • カゴ落ちメールの自動送信を設定している

カゴ落ちメールで離脱した顧客を呼び戻す

Shopifyの通知設定画面

チェックアウトの最適化と並行して取り組みたいのが、カゴ落ちメール(abandoned checkout email)の活用です。離脱してしまった人を「もう失った顧客」と考えるのではなく、「まだ購買意欲がある見込み客」として捉えるのがポイントです。

45%
開封率
1時間以内に送信したカゴ落ちメールの平均開封率
16%
コンバージョン率
最適なタイミングで送ったカゴ落ちメールの購入完了率
10〜20%
売上回収率
3〜5通のメール施策で回収できる割合

出典:Shopify - Abandoned Cart Emails: Best Practices

送信タイミングが成果を左右する

カゴ落ちメールは、タイミングがすべてと言っても過言ではありません。離脱から時間が経つほど、ユーザーの購買意欲は急速に薄れていきます。

  1. 1

    1通目:離脱から1時間後

    最も効果が高いタイミング。「お買い物の途中でしたか?」とやさしくリマインドします。商品画像とカートへのリンクを必ず含めましょう。

  2. 2

    2通目:離脱から24時間後

    まだ購入していない場合のフォローアップ。商品レビューや他のお客様の声を添えて、社会的証明で後押しします。

  3. 3

    3通目:離脱から72時間後

    最終リマインド。在庫が残りわずかであることや、期間限定クーポンなど、緊急性を持たせた内容が効果的です。

Shopifyの標準機能でカゴ落ちメールの自動送信が設定できます。管理画面の「マーケティング」→「自動化」から設定可能です。Shopify Messagingを使えば無料で始められるので、まだ設定していない方は今すぐ有効にしましょう。

出典:Shopify公式ヘルプ - Recovering abandoned checkouts

メールに入れるべき要素

効果的なカゴ落ちメールには、以下の要素を盛り込みます。

メリット
カートに入れた商品の画像と名前
ワンクリックでカートに戻れるリンク
お客様の名前を使ったパーソナライズ
購入者レビューや評価(社会的証明)
デメリット
いきなり割引で釣る(利益を圧迫する)
売り込み感の強すぎる文面
複数商品の羅列だけで理由がない

チェックアウト改善で意識したい3つの視点

最後に、Shopifyストアのチェックアウトを改善する際に意識しておきたい視点を3つ共有します。

1. 「完璧」を目指さず、インパクトの大きい施策から

チェックアウトの離脱原因は多岐にわたりますが、すべてを一度に解決しようとすると手が回りません。まずは上位3つの原因(送料表示・アカウント不要化・セキュリティ表示)から着手するのが現実的です。

2. モバイル体験を最優先にする

日本のEC購入の6割以上がスマートフォン経由です。チェックアウトの改善もモバイルファーストで考えるべきです。Shop Payがモバイルで91%のCVR向上を記録しているのも、スマホでの入力の手間を劇的に減らしているからです。

3. データを見て、改善を繰り返す

Shopifyの管理画面にある「アナリティクス」から、チェックアウトの到達率やコンバージョン率を確認できます。施策を打ったら必ず数字を確認して、何が効いたかを把握しましょう。

オンラインショッピングのイメージ

よくある質問

70%前後は業界全体の平均値で、決して異常ではありません。Baymard Instituteが50件の調査を集計した結果がこの数字です。ただし、この中には「なんとなく見ていただけ」の人も含まれています。実際にコントロールできる離脱を減らすことに集中すれば、売上は着実に改善できます。

はい、日本のShopifyストアでもShop Payは利用可能です。Shopify Paymentsを有効にしていれば、管理画面の「設定」→「決済」からShop Payをオンにするだけで使い始められます。日本語にも対応しています。

1通目からクーポンを出すのはおすすめしません。まずはシンプルなリマインドで十分です。2〜3通目でも購入に至らない場合に限り、小額の割引や送料無料クーポンを検討しましょう。最初からクーポンを出すと、「離脱すれば割引がもらえる」という学習効果が生まれてしまいます。

基本的なカスタマイズ(ロゴ、カラー、フォントの変更など)は全プランで可能です。より高度なカスタマイズ(チェックアウトUIの拡張、スクリプトによる割引ロジックなど)はShopify Plusの機能になります。ただし、ワンページチェックアウトやShop Payといった離脱対策の中心となる機能は、全プランで利用できます。

Shop Payの有効化やゲストチェックアウトの設定など、すぐに実装できる施策であれば、1〜2週間で効果が見え始めることが多いです。カゴ落ちメールの最適化は、ABテストを繰り返しながら1〜3ヶ月ほどかけて改善していくイメージが現実的です。

チェックアウトの離脱は、どんなECストアでも避けられない課題です。でも、原因を把握して適切な対策を打てば、確実に改善できるポイントでもあります。

まずはShop Payの有効化、ワンページチェックアウトへの移行、カゴ落ちメールの設定。この3つから始めてみてください。小さな改善の積み重ねが、売上の底上げにつながります。

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この記事はShopify予約アプリ「まるっと予約」の開発元であるPepinが執筆しています。

SHIN

この記事の執筆者

SHIN

Pepin代表。Shopifyアプリ「まるっと予シリーズ」開発者。Webエンジニアとして10年以上の経歴。
Shopifyアプリ開発・ストア構築 / webサービス開発 / メディア運営 / ストリーマーとしてマルチに活動。

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