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Pepin
コラム2026-09-27約9分で読めます
ソロプレナー個人開発AI

AIとShopifyアプリを個人開発 — 任せること、任せないこと

書いた人 個人開発者 / ソロプレナー

AIとShopifyアプリを個人開発 — 任せること、任せないこと

わたしは Shopify アプリを1人で個人開発していて、コードの実装、テストとレビュー、記事や LP の文章、調査を AI に任せています。任せていないのは、 何をつくるか 、 公開してよいか 、 デザインの最終判断 、 お客さんへの返信 の4つです。AI ツールの費用は月 $200 くらいです。いま提供している4本のアプリでは、コミットの51〜78%に AI が共同作者として記録されています。記録が残っているものだけを数えたので、「少なくとも」の数字です。

「公開してよいか」を手放さないのには、はっきりした理由があります。AI と書いたブログ記事に、わたしが話したことのない人の声や、出典に載っていない数字が混ざっていたからです。2026年9月に見直して見つけ、書き直しました。

わたしは2026年1月に屋号 Pepin で開業し、2月末に会社を辞めて、3月から専業の個人開発者、ソロプレナーとして Shopify アプリをつくっています。これは専業7か月目、2026年9月の時点の記録です。インストール数や売上は出しません。AI に何を任せて、何を任せず、どう確かめているのか。そこだけを、git の履歴から数えた数字と一緒に書いておきます。編集者からエンジニアになり、独立するまでのことは 自己紹介の記事 にあります。

いまの状態を数字にすると、こうなります。

$200 くらい
AI ツールの費用(ひと月)
Claude Code・Cursor・ChatGPT・Gemini
4本
提供中の Shopify アプリ
6本つくり、2本は提供を終えました
10〜12時間
1日の作業時間
体感です。ツールでは測っていません

出典:Pepinによるアプリ(Shopify App Store、提供中の4本)

AI と個人開発で、どんなアプリをつくってきた?

Shopify アプリは、これまでに6本つくりました。いま提供しているのは、次の4本です。

残りの2本、まるっと法務作成とまるっとフォルダ管理は、需要が小さく、2026年7月に提供を終えました。そのいきさつは 伸びずにやめたアプリとメディアの記事 に書いています。

いまの4本を、git の最初のコミットと App Store への公開の日付で並べると、こうなります。

  1. 2025年12月3日

    まるっと予約の最初のコミット

    まだ会社員だったころに、つくり始めています。

  2. 2026年1月5日

    開業

    屋号 Pepin で、個人事業として開業しました。

  3. 2026年2月1日

    まるっと請求書の最初のコミット

    帳票をつくるアプリに取りかかりました。

  4. 2026年3月

    専業になる

    2月末で会社を辞め、ここから専業です。

  5. 2026年3月6日・10日

    まるっと売上ランキングとまるっと検索の最初のコミット

    6日に売上ランキング、10日に検索をつくり始めました。

  6. 2026年3月17日

    まるっと予約を公開

    最初のコミットから104日で、App Store に並びました。

  7. 2026年4月25日

    まるっと検索を公開

    最初のコミットから46日です。

  8. 2026年4月30日

    まるっと請求書とまるっと売上ランキングを公開

    請求書は最初のコミットから88日、売上ランキングは55日です。

  9. 2026年7月

    2本の提供を終える

    まるっと法務作成とまるっとフォルダ管理の提供を終えました。

  10. 2026年9月

    個人の記事を見直す

    AI と書いた記事に作り話が混ざっていたのを見つけ、書き直しました。

AI と個人開発するとき、何を任せている?

ノートパソコンでアプリをつくるイメージ

短く言うと、つくる作業の多くは AI に任せて、決めることと、お客さんへの返信は自分に残しています。並べると、こうなります。

AI に任せていること
  • コードの実装
  • テストとレビュー
  • 記事や LP の文章
  • 調査
AI に任せていないこと
  • 何をつくるか
  • 公開してよいか
  • デザインの最終判断
  • お客さんへの返信

AI に任せている4つは、それぞれどんな仕事?

ひとつ目は、コードの実装です。Shopify アプリのコードは、AI と一緒に書いています。どのくらい一緒なのかは、このあと git の履歴から数えます。

ふたつ目は、テストとレビューです。テストを書くことも、書いたコードを読み直して問題を探すことも、AI に頼んでいます。ただし、テストの扱い方には決まりを置いています。これもあとで書きます。

3つ目は、文章です。このブログの記事も、アプリの LP の文章も、AI と書いています。この記事もそうです。

4つ目は、調査です。調べものを AI に頼んでいます。ただ、記事に出典として載せるページは、公開の前に自分で開いて確かめます。わたしがつくっている、コスプレに特化した C2C のマーケットプレイス COSMA では、もう一歩進めて、情報を集めてまとめ、データベースに入れてサービスで使うところまで AI に任せています。

AI に任せていないのは、どんなこと?

何をつくるかは、わたしが決めます。6本つくって2本をやめているので、ここは外したこともあります。

デザインは、途中で AI の手を借りても、最後にどれでいくかは自分で決めます。お客さんへの返信も、AI には任せていません。

そして、公開してよいかどうか。4つのうち、任せない理由をいちばんはっきり書けるのがこれです。痛い目を見ているからです。これは、あとの章でくわしく書きます。

どんな AI ツールを使って、月にいくらかかっている?

使っている AI ツールは、Claude Code、Cursor、ChatGPT、Gemini の4つです。費用は合わせて、月 $200 くらいです。

このうち Claude Code は、コードベースを読んで、ファイルを編集し、コマンドを実行するコーディング用の AI ツールです。このあと出てくる CLAUDE.md は、Claude Code が読むためのファイルです。

出典:Claude Code Docs「概要」

1日の作業時間は、体感で10〜12時間です。ツールで測ってはいません。なので、AI を使ってどれだけ速くなったかを、数字で言うことはできません。AI を使わずに同じアプリをつくった「比べる相手」も、手元にないからです。

言えるのは、どのくらい AI の手を借りたか、のほうです。これは git の履歴に残っています。

個人開発のコミットのうち、AI が共同作者なのは何割?

2026年9月27日に、アプリごとの git の履歴を数えました。数えたのは、マージを除いたコミットです。「AI が共同作者」は、コミットの説明文に Co-Authored-By: Claude の記録が残っているものを指します。

Co-Authored-By(共同作者の記録)

コミットの説明文の最後に書く1行で、そのコミットを複数の人でつくったことを示します。GitHub はこの行を見て、コミットを共同作者にも結びつけます。

出典:GitHub Docs「複数の作者を持つコミットを作成する」

最初のコミットから App Store に公開するまでの日数です。

アプリ最初のコミット公開日数
まるっと予約2025-12-032026-03-17104日
まるっと請求書2026-02-012026-04-3088日
まるっと売上ランキング2026-03-062026-04-3055日
まるっと検索2026-03-102026-04-2546日

コミットのうち、AI が共同作者として記録されている数です。

アプリコミットAI が共同作者割合
まるっと予約55728651.3%
まるっと請求書28119168.0%
まるっと売上ランキング1028078.4%
まるっと検索67143264.4%

4本を合わせると、1,611コミットのうち989、61.4%に AI が共同作者として記録されています。

同じ数は、それぞれのリポジトリの中で次の2行を実行すると出せます。1行目がマージを除いたコミットの数、2行目がそのうち Claude の記録が残っているコミットの数です。

git log --no-merges --format=%H | wc -l
git log --no-merges -i --grep='Co-Authored-By: Claude' --format=%H | wc -l

この割合は「少なくともこれだけ」の数字です。数えたのは Claude の記録が残っているコミットだけなので、記録を付けずにコミットしたものや、ほかのツールだけを使ったものは、AI を使っていても入っていません。

表を読むときに、あと4つ添えておきます。

  • 日数は、最初のコミットの日から公開の日までの、カレンダーの上の日数です。手を動かしていた日数ではありません。
  • 日数には、Shopify の審査を待つ期間も入っています。審査のやりとりは Shopifyアプリの審査の記録 に、まるっと予約を申請から公開まで通した流れは 30日の記録 に書いています。
  • まるっと予約は、会社員のうちにつくり始めています。104日の中には、会社員だった期間も入っています。
  • このサイト(pepin.studio)のリポジトリは508コミット中322(63.4%)、COSMA は1,082コミット中755(69.8%)です。

この割合は、どれだけ AI の手を借りたかの目安です。速さや品質を表す数字ではありません。

AI の仕事を正直に保つために、どんな決まりを置いている?

AI が出してくるものは、間違っているときでも、きちんとして見えます。コミットの説明文でも、ブログの記事でも、わたしはそれを見てきました。だから、出てきたものを確かめる仕組みを先に置いています。決まりは、次の4つです。

  1. 01

    CLAUDE.md に進め方を書く

    リポジトリごとに CLAUDE.md を置いて、計画を先に書く、テストで確かめる、といった進め方を書いています。

  2. 02

    テストで確かめる

    動いたかどうかは、テストで確かめます。まるっと検索には、日本語の検索結果を確かめるゴールデンテストがあります。

  3. 03

    直したことは lessons.md に書き足す

    わたしが AI の仕事を直したら、その中身を tasks/lessons.md に書き足してもらい、同じ失敗を防ぎます。

  4. 04

    出力をそのまま信じない

    コードだけでなく、コミットの説明文のような文章も読み直します。

CLAUDE.md には何を書いている?

CLAUDE.md

Claude Code に、プロジェクトの決まりや進め方を伝えるための Markdown ファイルです。Claude Code は、セッションを始めるたびにこのファイルを読みます。

出典:Claude Code Docs「Claude があなたのプロジェクトを記憶する方法」

たとえば、このサイト(pepin.studio)のリポジトリの CLAUDE.md には、英語でこんな行があります。

- After ANY correction from the user: update `tasks/lessons.md` with the pattern
- Review lessons at session start for relevant project
- Never mark a task complete without proving it works

上から順に、指摘を受けたらそのパターンを tasks/lessons.md に書き足す、セッションの始めに lessons を読み返す、動くと証明できるまでは終わりにしない、という意味です。ほかに、計画を先に tasks/todo.md へ書く、という決まりもあります。

同じページでは、CLAUDE.md に書き足すタイミングとして、Claude が同じ間違いを2回したとき、などが挙げられています。tasks/lessons.md に書き足していくのも、考え方は同じです。

ただ、同じページには、CLAUDE.md は指示として読み込まれるもので、強制される設定ではない、とも書かれています。書いておけば必ず守られる、というものではありません。だから、テストを置いています。

ゴールデンテストの「テストを変えるな、実装を直せ」とは?

まるっと検索には、日本語の検索結果が期待どおりかを確かめるテストがあります。わたしはこれをゴールデンテストと呼んでいます。そのファイルの冒頭には、こう書いてあります。

//! RULE: Never modify these tests to make them pass. Fix the IMPLEMENTATION instead.

日本語にすると、「テストを通すためにテストを変えるな、実装を直せ」です。まるっと検索の CLAUDE.md にも、同じ方針を書いています。

テストが落ちたとき、直す先は2つあります。実装か、テストか。テストのほうを書き換えても、結果は「合格」になります。この1行は、その近道をふさぐために置いています。

検索エンジンそのものの話は、Rust で日本語の検索エンジンをつくった記録 にまとめています。

AI が書いたコミットの説明文は、どう間違っていた?

まるっと検索では、文章を単語に区切る「形態素解析」に lindera を使っています。ところが、AI が書いたコミットの説明文に「Sudachi」と書かれていたことがありました。Sudachi も日本語の形態素解析の道具ですが、まるっと検索では使っていません。

出典:lindera(GitHub)

出典:sudachi.rs(GitHub)

コミットの説明文はコードではないので、テストでは見つかりません。読んだ人が気づくまで、間違いはそのまま残ります。AI の出力は、コードでも文章でも、そのまま信じずに確かめる。この1件は、その決まりがなぜ要るのかをよく表しています。

「公開してよいか」を自分で決めるのはなぜ?

書いたものを1つずつ確かめるイメージ

AI と書いたブログ記事に、わたしが話したことのない人の声や、出典に載っていない数字が混ざっていたからです。

見つけたのは、2026年9月です。自分のことを書いた個人の記事を見直していて、見つかりました。公開したときには気づかず、見直してはじめて分かったことです。作り話は外して、書き直しています。どの記事だったかは、ここには書きません。

話したことのない人の声も、出典に無い数字も、記事の中ではほかの文と同じ顔をして並んでいました。1つずつ確かめるまで、わたしは見分けられていませんでした。

文章を書くことは AI に任せられても、それを出してよいかは、名前を出して書いているわたしが決めるしかありません。いまは公開する前に、次の3つを自分で確かめています。

公開する前に、自分で確かめる3つ

  • 人の発言わたしが実際に聞いたことか
  • 数字出典のページに、その数字が載っているか
  • 出典書いたことが、リンク先に書いてあるか

この記事も AI と書いています。出てくる数字は、git の履歴を数えたものと、わたし自身の数字(AI ツールの費用と、体感の作業時間)だけです。

これから AI と個人開発を始めるなら、何を先に置く?

わたしのいまのやり方から選ぶなら、次の3つです。どれも、コードを書き始める前に置けます。

  1. 進め方を書いたファイルを置く。 Claude Code なら CLAUDE.md です。計画を先に書く、テストで確かめる、といった決まりを、毎回説明し直さずに済みます。
  2. AI に書き換えさせないテストを1本置く。 わたしのゴールデンテストのように、冒頭に「テストを変えるな、実装を直せ」と書いておきます。何を正解とするかを、AI ではなく自分が持っておくためです。
  3. 公開の判断は自分に残す。 人の発言、数字、出典は、公開する前に自分で確かめます。

コードの実装や文章をどこまで任せるかは、この3つを置いてから広げていけば十分です。

AI に任せる範囲が変わっても、いまのところ、何をつくるか、公開してよいか、デザインの最終判断、お客さんへの返信の4つは手元に置いています。独立してからの働き方や個人開発の現実は、YouTube チャンネル「SHIN | 1人で事業をつくるソロプレナー」でも話しています。

よくある質問

AI ツールの費用は、月 $200 くらいです。使っているのは Claude Code、Cursor、ChatGPT、Gemini の4つです。

何をつくるか、公開してよいか、デザインの最終判断、お客さんへの返信の4つです。コードの実装、テストとレビュー、記事や LP の文章、調査は AI に任せています。

提供中の4本のアプリでは、コミットの51.3〜78.4%に AI が共同作者として記録されています。4本を合わせると1,611コミット中989で、61.4%です。記録が残っているものだけを数えたので、少なくともこれだけ、という意味の数字です。

テストで確かめます。まるっと検索には日本語の検索結果を確かめるゴールデンテストがあり、冒頭に「テストを変えるな、実装を直せ」という意味の決まりを英語で書いています。リポジトリごとに CLAUDE.md で進め方を伝え、わたしが直したことは tasks/lessons.md に書き足して、同じ失敗を防いでいます。

ありました。話したことのない人の声や、出典に載っていない数字が混ざっていました。2026年9月に個人の記事を見直して見つけ、作り話を外して書き直しました。いまは人の発言、数字、出典を、公開する前に自分で確かめています。

いいえ。Claude Code、Cursor、ChatGPT、Gemini の4つを使っています。ただ、コミットに共同作者として記録が残っているのは Claude の分なので、この記事の割合もその分だけを数えています。

数字では言えません。AI を使わずにつくった比べる相手がなく、作業時間もツールで測っていないからです。参考までに、最初のコミットから App Store に公開するまでは、アプリごとに46〜104日でした。この日数には、審査を待つ期間も入っています。

→ 伸びずにやめたアプリとメディアの話を読む

→ まるっと予約を申請から公開まで通した30日の記録

→ Rust で日本語の検索エンジンをつくった記録

→ Pepin の Shopify アプリ一覧(Shopify App Store)

→ わたし(SHIN)について

この記事は、Shopify予約アプリ「まるっと予約」の開発者、大島慎平(SHIN)が書いています。

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大島慎平(SHIN)

この記事の執筆者

個人開発者 / ソロプレナー

日本のShopifyストア向けアプリ「まるっとシリーズ」を、AIのコーディングツールと一緒に1人で企画・開発・運営しています。書籍編集者からWebエンジニアに転じて約10年。YouTubeでは、1人で事業をつくる過程を話しています。

まずは、課題の共有から。

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