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Pepinby SHIN
マーケティング2026-04-164分で読めます
広告運用SNS広告検索広告

SNS広告 vs 検索広告 — ECで使い分ける判断基準とROAS比較

SNS広告 vs 検索広告 — ECで使い分ける判断基準とROAS比較

ECで広告を始めるとき「SNSと検索、どっちから?」は誰もがぶつかる分岐点です。結論から言えば、検索広告は「欲しい人を刈り取る」、SNS広告は「まだ知らない人に知ってもらう」 で役割が違います。どちらか一方ではなく、事業の成長段階と商材特性で配分を決める のが正解です。

この記事では、両者のCPC・CVR・ROASを数字で比較し、ECの月商規模別に最適な配分をデータで示します。

日本のデジタル広告市場の現状

3.65兆円
インターネット広告費(2024)
前年比109.6%で拡大、総広告費の47.6%を占める
7.67兆円
日本の総広告費(2024)
3年連続で過去最高を更新
3.49%
検索広告の平均CVR(Shopping)
Google Ads 2024年ベンチマーク(Shopping/Collectibles/Gifts)
6.96%
Google Ads 全業界平均CVR
2024年 WordStream 集計(全23業界)

出典:電通「2024年 日本の広告費」WordStream - Google Ads Benchmarks 2024

出典:WordStream - Google Ads Benchmarks 2024

Shopping / Apparel といった EC 関連カテゴリは、Google Ads 全体平均(6.96%)と比べると CVR が低めです。検索広告 > SNS広告という単純比較は誤りで、業界特性とユーザー行動を合わせて評価する必要があります

なぜ今、広告の使い分けを学び直すべきか

運用型広告を取り巻く環境は、ここ2〜3年で大きく変わりました。「どちらかだけ」では最適解から外れる 背景には3つの潮流があります。

  1. 01

    CPC(クリック単価)が継続的に上昇している

    WordStream の 2024年 Google Ads ベンチマークによると、CPC は 全業界の86%で上昇、前年比で平均10%増。広告予算が同じでも、獲得できるクリック数は毎年減り続けている。効率の悪いチャネルに予算を注ぎ続けると、利益は簡単に吹き飛ぶ。

  2. 02

    プライバシー規制強化でターゲティング精度が落ちた

    iOS 14.5以降のATT(App Tracking Transparency)フレームワークにより、Appでユーザーのトラッキングや広告識別子の取得には事前の許可が必要に。「SNS広告で顕在購買層を高精度に狙う」モデルは困難に なった一方、検索広告は「検索クエリ自体が意図を示す」ため影響を受けにくい。

  3. 03

    AI運用(P-MAX/Advantage+)でチャネルの境界が曖昧に

    Google の P-MAX や Meta の Advantage+ の登場で、媒体側が自動で最適化するため、出稿側は「どのチャネルに」より「どの顧客層・どのクリエイティブを」で考える時代になった。つまり 出し手側は「役割分担」の設計こそが本業 になっている。

出典:WordStream - Google Ads Benchmarks 2024Apple Developer - App Tracking Transparency

SNS広告と検索広告の戦略フレームワーク

両者を「同じ広告」とまとめて考えると使い分けに失敗します。次の5つの軸で役割が真逆だからです。

比較軸検索広告SNS広告
主な目的顕在層の刈り取り(Convert)潜在層への認知(Reach)
ユーザーの状態能動的に検索している受動的にフィードを見ている
CVR(EC関連業界)Shopping 3.49% / Apparel 3.33%トラフィック配信は相対的に低め
課金方式クリック課金(CPC)が中心インプレッション課金 or CPC
向く商材指名買い・緊急性・比較検討系ビジュアル訴求・新規カテゴリ商品
効果が出るまで即日〜1週間2〜4週間(学習フェーズあり)

出典:WordStream - Google Ads Benchmarks 2024

判断の軸は「検索されているKWがあるか」。自社商材をGoogleキーワードプランナーで調べて月間検索1,000以上あるKWが10個以上あれば、検索広告から着手。なければ SNS広告で認知獲得から始めて、指名検索が発生するまで育てる。

月商規模別の推奨配分

EC事業の成長段階に応じて、検索 : SNS の配分は変わります。

月商規模検索広告SNS広告意図
〜50万円70%30%まず顕在層を確実に刈り取ってCPA を確定させる
50〜300万円50%50%検索で刈り取りつつ、SNSで次の顧客層を育てる
300〜1,000万円40%60%検索の伸び代が頭打ち。SNSで認知拡大し市場そのものを広げる
1,000万円以上30%70%ブランド想起を大量に作り、指名検索を増やすフェーズへ

配分は「ROASが高い方に寄せる」のが鉄則。上記はあくまで初期配分の目安。運用開始から1ヶ月経ったら、チャネル別ROASを比較して、勝っている方に5〜10%シフトしていく。

実行ロードマップ — 90日で効率的な配分を確立する

  1. Day 1-14

    検索広告の立ち上げ(コンバージョン計測の基盤作り)

    GA4とGoogle Ads を連携。主要商材の指名KW + 比較KW + 悩みKWの3グループで検索広告を開始。日予算は1グループあたり2,000〜5,000円から。最初の2週間はCVR・CPAを毎日記録 して、黒字化できる入札単価の天井を把握する。

  2. Day 15-30

    SNS広告の並走開始(学習フェーズ)

    Meta Advantage+ で広告セットを組み、商品の価値が一目で伝わるクリエイティブを3〜5本投入。最初の2週間は学習フェーズなのでCVRが低くても止めない。日予算は検索広告の50〜70%からスタート。

  3. Day 31-60

    チャネル別ROAS比較と予算シフト

    検索 / SNS の ROAS を週次で比較。勝っているチャネルに予算を5〜10%シフト。負けているチャネルは即撤退せず、クリエイティブやKWを3回入れ替えてから判断 する。学習が浅いうちに止めると機会損失が大きい。

  4. Day 61-90

    スケールとクロスチャネル最適化

    ROASが安定した広告セットは予算を1.5〜2倍にスケール。SNS広告で認知獲得したユーザーが指名検索してくる導線ができてきたら、検索広告の「ブランド名KW」を絞って効率を最大化。同時にリターゲティング(両チャネル)を強化。

KPI設計 — 何を見ればうまくいっているかわかる?

広告運用でもっとも多い失敗は「なんとなく止めた / なんとなく増額した」です。次のKPIを毎週確認すれば、感覚に頼らない運用ができます。

400%以上

ROAS(広告費用対効果)

商品単価の30%以内

CPA(顧客獲得単価)

60%以上

新規顧客比率

月次+20%

指名検索数(Search Console)

「SNS広告のROASは低くても正解」ケースがある。SNS広告で認知を広げたユーザーが、後日 検索広告や直接流入で購入 するケースは、SNS単体のROASでは計測しきれない。指名検索数の推移とセットで見る のが正しい評価方法。

チャネル別に見るべき指標

検索広告(Google Ads):

  • インプレッションシェア(機会損失率)
  • 品質スコア(KW単位で6以上を目安)
  • クエリレポートで除外KWを毎週追加

SNS広告(Meta / TikTok):

  • サムネイルCTR(1.5%以上が目安)
  • 動画完了率(15秒動画で20%以上)
  • Frequency(同じユーザーへの表示回数、3回超えたらクリエイティブを変える)

まとめ — 役割が違う広告を、役割どおりに使う

SNS広告と検索広告の「どちらが優れているか」という議論は、目的を見誤らせます。検索広告は刈り取り、SNS広告は種まき。役割が違う以上、ROASの数字だけで優劣を決めることはできません。

EC事業の成長段階に応じて配分を調整し、両チャネルを連動させる。この設計ができれば、広告費はコストではなく 成長ドライバー になります。

実際に広告運用を始める際の具体的な設定手順は、以下の媒体別ガイドもあわせてご覧ください。

→ ShopifyのGoogle広告活用ガイド

→ ShopifyのFacebook広告活用ガイド

→ ShopifyのTikTok広告活用ガイド

この記事はShopify予約アプリ「まるっと予約」の開発元であるPepinが執筆しています。

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SHIN

この記事の執筆者

SHIN

Pepin代表、Webエンジニアとして10年以上の経歴を持ち、
Shopifyアプリ・ストア開発 / webサービス開発 / メディア運営などマルチに活動。

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