クラウドファンディング徹底比較 — Makuake / CAMPFIRE / GREEN FUNDING / Kickstarter をEC移行のしやすさで選ぶ【2026年版】
「クラファンで先行販売したいけど、結局どこを使えばいいのか」。わたしがShopifyアプリ開発でEC事業者さんの相談を受けるとき、この質問が一番多いです。
結論からいうと、 手数料の安さだけで決めるのは危険 です。クラファンはゴールではなく「Shopifyで本格的にECを育てる前のテストマーケ」。 支援者をそのまま自社ECの初期顧客に引き上げられるか という視点で選ぶのが、長期的には一番得をします。
この記事では、国内外の主要4社(Makuake / CAMPFIRE / GREEN FUNDING / Kickstarter)を、EC移行のしやすさという軸で比較します。2026年4月時点の公式手数料を反映しました。
- 購入型クラウドファンディング
支援者が「リターン(商品・サービス)」を受け取る前提で資金を提供する仕組み。商品の先行販売に近い形で運用でき、在庫リスクを抑えながら市場の反応を確認できます。目標未達でも資金を受け取る「All-In型」と、未達なら支援金ゼロの「All-or-Nothing型」があります。
比較の前提 — EC移行視点で選ぶ5つの軸
手数料率ばかり注目されがちですが、 クラファン後に自社ECへ移行する前提 で選ぶなら、見るべきポイントは5つあります。
| 評価軸 | なぜ重要か |
|---|---|
| 手数料(税抜) | 集まった支援金から差し引かれる。粗利を圧迫するので無視はできない |
| 個人起案の可否 | 法人格が必要か、個人でも起案できるかで初動の選択肢が変わる |
| 支援者層 | 新しいモノ好き層が多いか、社会貢献文脈が強いか。商品ジャンルとの相性を決める |
| 掲載までの審査難易度 | 厳しいほどブランド信頼性が上がる一方、初回起案者にはハードルになる |
| Shopify移行のしやすさ | 顧客データの引き継ぎ、配送導線、自社EC誘導の自由度に直結 |
比較サマリー表 — 4社を一覧で並べる
先に全体像を見ましょう。手数料は税抜・成功時ベースで揃えています。
| プラットフォーム | 手数料(税抜・成功時) | 個人起案 | 強い商品ジャンル | 支援者層の傾向 |
|---|---|---|---|---|
| Makuake | 20% | 可 | ガジェット・家電・食品 | 新しいモノに敏感な20-40代 |
| CAMPFIRE | 17% | 可 | 物販全般・地域・エンタメ | 幅広い。国内最大のユーザー数 |
| GREEN FUNDING | 20%(税込) | 法人のみ | ガジェット・D2C家電 | TSUTAYA系の感度高めファン層 |
| Kickstarter | 約 8〜10%(5%+決済) | 可 | グローバル向けプロダクト | 海外ユーザー中心・英語必須 |
出典:Makuake 料金・手数料、CAMPFIRE 掲載時の手数料、GREEN FUNDING について、Kickstarter Fees Guide(2026年4月時点)
手数料は同じ20%でも「決済手数料込みか別か」で実質コストが変わります。一般に、表示が税抜きか税込みかも必ず確認しましょう。
各プラットフォームの詳細レビュー
1. Makuake(マクアケ)
物販・ガジェットに強い国内では「新商品を先行販売する場所」として最も認知されているプラットフォームです。審査がしっかりしている分、掲載されること自体がブランドの信用に繋がりやすいのが特徴。手数料は 20%(税抜・決済手数料込み) で、All-or-Nothing型なら目標未達時は発生しません。
2. CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
初めての起案に向く掲載プロジェクト数で国内トップクラス。物販以外に地域活性化やエンタメ、社会貢献系まで扱う守備範囲の広さが持ち味です。手数料は 17%(サービス利用料12%+決済手数料5%、いずれも税別) で、4社中で最も低い水準。初めてのクラファンにも入りやすい設計です。
3. GREEN FUNDING(グリーンファンディング)
D2C・家電ブランド向けTSUTAYAを展開するCCCグループが運営する法人向けクラファン。手数料は 20%(税込、決済手数料4%込み) で、税込で18.2%(税抜換算)という位置づけです。個人起案はできず、法人格が必須。TSUTAYA店頭や蔦屋書店でのオフライン連動プロモーションが組めるのが最大の差別化ポイントです。
4. Kickstarter(キックスターター)
グローバル挑戦向け世界最大級の購入型クラファン。プラットフォーム手数料 5%+決済手数料約3〜5%(Stripe) で、合計 8〜10%程度 に抑えられるのが最大の魅力です。ただし、日本からの起案はページ作成が英語前提で、リターン配送も海外発送を含むため、運営難易度は国内クラファンより一段上がります。
コスト試算 — 300万円調達したときの手取り比較
手数料率の差が、実際の手取りにどう響くのか。 All-or-Nothing型で300万円を達成した という前提でシミュレーションしてみます。簡略化のため税抜きベースで計算しています。
| プラットフォーム | 手数料率(税抜換算) | 手数料額 | 手取り |
|---|---|---|---|
| Makuake | 20% | 600,000円 | 2,400,000円 |
| CAMPFIRE | 17% | 510,000円 | 2,490,000円 |
| GREEN FUNDING | 約18.2% | 約546,000円 | 約2,454,000円 |
| Kickstarter | 約9% | 約270,000円 | 約2,730,000円 |
Kickstarterは手数料だけ見ると圧倒的に安いですが、 翻訳費・海外配送費・関税対応の工数 を上乗せすると、実質コストは国内クラファンと逆転することも珍しくありません。単純比較は避け、個別の商品特性で判断してください。
クラファン後のShopify移行が本番
クラファンの数字ばかり追いかけていると見落としがちですが、 集まった支援者はその後のブランドにとっての「初期顧客リスト」 です。ここをどれだけ自社ECに引き上げられるかで、ブランドの長期的な収益性が決まります。
出典:Shopify プラン・料金(2026年4月時点)
クラファンの手数料が17〜20%なのに対し、 Shopifyの決済手数料は3.55%程度 。この差額はそのままブランドの再投資余力になります。顧客データを自社で持てるため、リピート促進やメールマーケティングも自由に組めます。
プロジェクト実施中から 並行して Shopifyストアの準備を進める のが理想です。リターン配送の同梱物に「今後のお知らせはこちらから」という導線を入れるだけで、支援者の何割かが自社ECの初期顧客になります。
クラファンからShopifyへの移行手順は別記事にまとめました。
結論 — こんな人にはコレ
4社を見比べてきましたが、「選ぶべき1社」はプロジェクトの性格で変わります。
CAMPFIRE。手数料が最安水準(17%)で、個人事業主でも起案可。ジャンルの幅も広いため、最初の1本として入りやすいです。
Makuake。新しいモノ好きの支援者層が厚く、メディア露出の機会も多いです。手数料は20%ですが、販促効果で十分回収しやすい設計です。
GREEN FUNDING。法人格が必須ですが、TSUTAYA系列の店頭連動プロモは他にない武器です。複数本を見据えるならパートナープラン(13%)の選択肢も。
Kickstarter。手数料は約8〜10%と圧倒的に安く、英語圏のガジェット・デザイン系ファンにダイレクトに届きます。翻訳・海外配送の体制がある前提で。
迷ったら、まず CAMPFIRE で1本走らせて、2本目以降を Makuake で仕込むのが安全策です。並行して Shopify ストアを立ち上げ、クラファンの支援者をファンとして引き取る導線を必ず用意しておきましょう。
よくある質問
景品表示法の観点から、成功を断定する表現は避けるべきです。一般に、目標達成率や支援額には個別差が大きく、SNS集客・商品の完成度・ページの作り込みで結果が大きく変わります。事例を出すときも「このプロジェクトでは〜」という形で断定を避けましょう。
多くのプラットフォームで、同一商品・同期間の重複起案は規約で制限されています。1社目が終了したあとに別プラットフォームで2nd ラウンドを走らせる、という形が一般的です。各社の規約を必ず確認してください。
プロジェクト実施中に Shopify ストアを準備し、リターン発送時に「今後の新商品情報はこちら」とメール登録や公式LINEに誘導するのが王道です。詳細は「クラファン終了後にShopifyでECを始める方法」にまとめています。
組めます。わたしが開発している予約販売アプリ「まるっと予約販売」を使えば、クラファン終了後の追加予約やカラー別の納期管理を Shopify 上でそのまま運用できます。
まとめ
クラウドファンディングは「在庫を抱えずに市場検証と資金調達を同時にできる」強力なスタート手段です。ただしプラットフォームごとに手数料・審査・支援者層が異なり、EC移行のしやすさも変わります。
| 判断軸 | 選ぶべき1社 |
|---|---|
| 手数料を最優先 | CAMPFIRE(17%)または Kickstarter |
| 物販の訴求力を最大化 | Makuake |
| 法人・オフライン連動 | GREEN FUNDING |
| グローバル挑戦 | Kickstarter |
クラファンはあくまでスタートライン。本番は クラファンで集まった支援者を自社ECに引き上げ、長期的にブランドを育てていく部分 です。プロジェクト実施中から Shopify の準備を並行で進めて、支援者を初期顧客として迎え入れる体制を作っておきましょう。

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