ECサイトのプレスリリース活用ガイド — 無料で認知を広げる方法
「広告費をかけずに、もっと多くの人にショップを知ってもらえたら」。ECを運営していると、誰もが一度は思うのではないでしょうか。SNSはフォロワーが少ないうちはリーチが伸びず、広告は止めた瞬間にアクセスがゼロに戻ります。そこで試してほしいのが プレスリリース です。この記事では、よくいただく質問に答える形で、書き方から無料配信サービスの選び方、掲載率を上げるコツまでまとめてお伝えします。
このページでわかること
Q1: プレスリリースって何?個人ECでも使える?
- プレスリリース
新商品・サービス開始・実績などのニュースをメディア向けに発信する公式文書のこと。報道機関やWebメディアに取り上げてもらえれば、広告費をかけずに大きな露出を獲得できる可能性があります。
「大企業のもの」というイメージが強いですが、配信プラットフォームの登場で個人ECでも普通に使える施策になりました。Value Pressには累計 80,223社が登録しており、その多くは中小企業や個人事業主です。
出典:Value Press 公式サイト / PR TIMES 料金プラン / PR TIMES 公式サイト
わたし自身、前職でEC事業に携わっていた頃にプレスリリースを配信した経験があります。正直「個人規模でも記事になるのかな」と半信半疑でしたが、実際にWebメディアに取り上げてもらえたときのアクセス増加には驚きました。広告費は1円もかけていません。「これは使わない手はない」と感じた施策のひとつです。
プレスリリースがWebメディアに転載されると、被リンク(外部サイトからのリンク)が自然に増えます。SEOにもプラスに働くので、長期的な検索流入の増加にもつながります。
Q2: 何を書けばいい?ネタはどう探す?
「うちのショップにはニュースなんてない」と感じる方が多いですが、見方を変えればネタはたくさんあります。
もっとも王道のタイミングです。発売の1〜2週間前に配信するのがベスト。「世界初」「業界初」「地域限定」などの切り口があるとメディアの関心を引きやすくなります。
母の日、クリスマス、バレンタインなど、季節イベントに合わせた特別商品やキャンペーンは「季節ネタ」として取り上げられやすいです。イベントの2〜3週間前に配信しましょう。
デザイン刷新、定期購入機能の導入、新たな決済方法の追加なども立派なニュースです。「顧客体験の向上」という文脈で書くとメディアに響きます。
「累計販売1万個突破」「アワード受賞」といった実績も好材料です。数字を入れることで説得力が増します。
環境配慮型パッケージへの切り替え、売上の一部を寄付する取り組みなど、社会性のある話題はメディアが特に好むテーマです。
ネタが固まったら、書き方は次の5ステップを意識してください。
- 1
タイトルは30文字以内でインパクトを
記者がまず見るのはタイトルです。「何が」「どう新しいのか」が一瞬で伝わる、30文字以内の簡潔なタイトルを目指します。数字を入れると目を引きやすくなります。
- 2
リード文で5W1Hを伝える
本文冒頭の3〜4行で、Who・What・When・Where・Why・Howを端的にまとめます。記者はリード文だけで記事化を判断することも多いです。
- 3
本文は客観的な事実ベースで
「素晴らしい商品です」のような主観的な表現は避けます。スペック・価格・背景の課題と解決策など、記者が記事にしやすい「ファクト」を中心に構成しましょう。
- 4
画像は高解像度で3〜5枚用意
商品画像、使用シーン、ロゴなどをプレスキットとして用意します。最低でも横幅1200px以上が目安です。
- 5
問い合わせ先を明記する
取材問い合わせに対応できるよう、担当者名・メールアドレス・電話番号を必ず記載します。レスポンスの速さも掲載率に影響します。
プレスリリースは「広告」ではなく「ニュース」です。宣伝色が強すぎる文章はメディアに敬遠されます。あくまで第三者目線の価値を意識して書きましょう。
Q3: どこに配信すればいい?主要サービス比較
国内で個人ECが選べる主要4サービスを、2026年4月時点の最新料金でまとめました。
| サービス | 最安プラン | 配信先 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Value Press | フリー 0円(機能制限) | 20メディア(フリー)/最大1,000名の記者(有料) | 唯一の無料プランあり。お試しに最適 |
| Dream News | 月額10,000円・配信無制限 | (詳細は要確認) | 配信回数無制限の最安サブスク |
| @Press | スマート配信 25,000円〜 | 12,000媒体・平均81媒体掲載 | 校閲品質と掲載実績データの透明性が高い |
| PR TIMES | 従量3万円/月7万円〜 | 19,100媒体超 | 国内最大手・1億PV超のメディア露出が見込める |
出典:Value Press 料金プラン / Dream News / @Press 公式サイト / PR TIMES 料金プラン(2026年4月時点)
配信規模を視覚化するとこうなります。
料金や提携メディア数は頻繁に更新されます。契約前に必ず各サービスの公式ページで最新条件を確認してください。
主要2社をもう少し具体的に比較すると、特性の違いが見えてきます。
19,100媒体超への配信網と1億PV超の自社サイトを持ち、リリース自体が検索ヒットしやすいのが強みです。月7万円〜(年間契約)と価格は高めですが、上場企業や注目スタートアップの利用が多く、他社事例も豊富。1配信からの従量プラン(3万円/件)もあるので、勝負ネタだけ出す使い方も可能です。
25,000円〜のスマート配信、39,800円〜のサポート配信の2段構え。配信1件あたりの平均掲載数(81媒体)を公表しているのが珍しく、コスパが見えやすいのが利点です。原稿レビューが入るのでプレスリリース初心者にも安心。
Q4: 費用はどれくらい?0円から始める現実ルート
「いきなり月7万円は厳しい」というのが正直なところだと思います。わたしのおすすめは、無料 → 定額 → 大型サービスと段階的に広げる進め方です。
- 01まず Value Press のフリープラン(0円・20メディア配信)で書き方とフローに慣れる
- 02反応が出たら Dream News(月10,000円・配信無制限)に切り替えて配信頻度を上げる
- 03大型ネタができたら @Press や PR TIMES の従量プランで一気に露出を取りに行く
最初の数本は「配信できた」事実が大事です。0円のValue Pressで2〜3本配信して、自分のリリースの反応を測ってから有料サービスに進むと、ムダな出費を防げます。
Q5: 取り上げられるコツは?掲載率を上げる動き方
配信して終わり、では掲載率はほとんど上がりません。配信後24時間の動き方が勝負です。
- 配信後24時間以内にX・Instagramで告知し、二次拡散を狙う
- 自社ECサイトの「お知らせ」ページに転載してSEO資産化する
- 関連メディアの記者に個別ピッチメールを送る(一斉配信より掲載率が高い)
- 掲載されたメディア記事をSNSでシェアし、追加露出を取りに行く
- Google Analyticsでプレスリリース経由の流入を計測する
- 掲載結果を振り返り、次回のネタ選定に活かす
ピッチメールでは「なぜ御社の読者にこのネタが刺さるのか」を一言添えるだけで反応がまったく変わります。記者は1日に数十本のリリースを見ているので、自分のメディアに合わせた一言が決め手になります。
よくある失敗パターン
「累計1万個突破の背景には、1年間の試作100回がある」のように、数字+裏側の物語を添えると記事化されやすくなります。
「業界No.1」「他にはないこだわり」といった自画自賛は、記者に「広告だな」と判断されてスルーされます。客観的な数字や第三者評価を盛り込みましょう。
季節商品なのに発売当日に配信したり、業界イベントと無関係な時期に出したりするケース。1〜3週間前の配信が原則です。
テキストだけのリリースは掲載率が大きく下がります。記者は記事に使える素材を求めているので、すぐ使える高解像度画像をセットで用意してください。
まだ迷っている方へ
迷ったら、まずは Value Press のフリープラン(0円)で1本配信してみるのが最短ルートです。20メディアへの配信枠でも、自分のリリースが「読まれる文章になっているか」は十分に検証できます。反応を見てから Dream News や PR TIMES の有料プランに進めば、ムダな出費なくスケールできます。
プレスリリースは、広告費ゼロでメディア露出を獲得できる数少ない手段です。「個人ECには関係ない」と思っていた方こそ、ぜひ一度試してみてください。たった1本のリリースが、あなたのストアを多くの人に知ってもらうきっかけになるかもしれません。

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