ハンドメイド材料ECはどう育てる?ある作家さんが教えてくれた4フェーズ
この記事で紹介するのは、わたしがShopifyアプリ開発者として話を聞いてきた、あるレジンアクセサリー作家さんの事例です。ご本人の希望により匿名化していますが、数字や打ち手の流れは実在ストアのものです。
「作品を売る」と「作品の材料を売る」は、似ているようで まったく違うビジネスでした。
レジンアクセサリーを10年以上つくり続けてきた、ある作家さん。完成品のハンドメイド市場での販売はそこそこ好調だったそうですが、「作れば作るほど手が足りなくなる」という限界に、5年目あたりで直面していました。そこで踏み切ったのが、 材料販売への転換 。今では売上の7割を材料ECが占めるようになっています。
この4フェーズの物語が、ハンドメイド・DIY材料ECを始めたい方の参考になれば、と思って記録しました。
きっかけは「時間が足りない」という限界
完成品を売るビジネスは、どうしても 制作時間と売上が比例する 。ピアス1ペアを作るのに1時間かかるとしたら、月に働ける時間の分しか売上が立ちません。
「他の作家さんも同じ材料を探しているのに、国内の小売は選択肢が少ない」
この気づきが、作家さんの中で徐々に大きくなっていきました。自分が海外サイトで苦労して探しているパーツを、日本語でまとめて売る。それなら、自分の制作時間とは別の収益源になる。仮説はシンプルでした。
やったこと:4フェーズの立ち上げ
- 1〜3ヶ月目
フェーズ1:完成品販売の裏で、材料販売をこっそりテスト
いきなり材料ECに全振りするのは怖かったので、最初は完成品のショップ内に「余った材料をお分けします」的なカテゴリを追加。10SKUくらいで、月商2〜3万円からスタート。「少量でも確実に売れる」という手応えが、ここで得られました。
- 4〜6ヶ月目
フェーズ2:Shopifyで材料ECを別ストアとして独立
完成品と材料のブランドを分け、Shopifyで新しいストアを立ち上げ。決め手は「商品数が増えたときのカテゴリ管理とバリアント対応」でした。Dawnテーマから始めて、色・サイズ・数量をバリアントで細かく管理。この時期にSKUは150まで増えています。
- 7〜12ヶ月目
フェーズ3:YouTubeチュートリアルで「作れる実感」を届ける
ストアの売上が伸び悩んだタイミングで、5分程度のチュートリアル動画をYouTubeに週1本アップする運用を開始。動画内で使った材料を概要欄からリンクで誘導する流れが機能しました。半年で登録者2,000人、材料ECの月商は当初の5倍に。
- 13〜18ヶ月目
フェーズ4:マテリアルボックス(定期便)で収益を安定化
季節テーマに沿った材料をセレクトして届けるサブスクを開始。最初は30名の少人数で試し、半年で150名まで拡大。「毎月のワクワク」を届ける設計にしたことで、リピート率が一段上がりました。現在、売上に占めるサブスク比率は約35%。
気づき:材料ECはリピートとコミュニティで育つ
いくつか印象に残った言葉があります。
作品販売は「わたしの作品を買ってくれる人」を探す仕事。材料販売は「作ることを応援する」仕事。同じハンドメイドでも、立ち位置がまったく違うんです。
材料ECオーナーさん
作品販売では、お客様が満足すればそこで関係が完結することが多い。でも材料販売は、 買ったあとに「作る」という体験が始まる から、ショップとの関係が長く続きます。
材料ECの強みは「リピート」と「コミュニティ」の2つ。この構造を理解したうえで、最初から「買ってくれた人がもう一度来たくなる仕組み」を設計することが大事です。具体的には、レビュー特典・使い方動画・新作のメルマガ通知など、 購入後のコミュニケーション設計 に投資する価値があります。
立ち上げフェーズで効いた3つの小さな判断
作家さんに「もう一度ゼロからやるとしたら何を大事にする?」と聞いたときに出てきた答えを3つ紹介します。
ジャンルをニッチに絞った
「万人向け材料」にしたくなる誘惑があったけれど、最初から 「レジンアクセサリー向け」と明言 したのが良かった、と話していました。幅を広げた瞬間に検索からの流入質が落ちる、と。
価格は最初から妥当にした
フリマアプリ的な感覚で安売りをせず、 適正な原価+作業コスト で値付け。安売りで集めたお客様は値上げに敏感なので、最初から「材料を安心して買える専門店」のポジションを狙ったそうです。
「作り方」をブログで発信した
材料の紹介だけでなく、 「この材料でこれが作れる」 という記事をShopifyのブログ機能でコツコツ書いたのが、長期的なSEO資産になりました。「レジン ピアス 作り方」のような検索から、材料購入に自然につながる動線ができています。
読者へのメッセージ
材料EC、というビジネスモデルは、ハンドメイド作家の次のステップとしてとてもフィットします。作ること自体が好きで、長く続けたい方には特に。
ひとつだけお伝えしたいのは、 「小さく始めて、お客様の声で伸ばす」 ということ。いきなり100SKU揃えるより、10SKUから始めてリピート動線をつくり、そこから広げるほうが結果的に早く育ちます。
Shopifyなら、ストア構築・決済・サブスク・ブログ・SNS連携まで、ひとつのプラットフォームで完結できます。材料ECの「リピート+コミュニティ」構造をつくる道具立てとしては、いちばん素直な選択肢です。
あなたの「作る楽しさ」を、同じ世界を愛する人たちへ届ける。そんなビジネスのスタート地点として、Shopifyの無料体験から触ってみてください。

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