Shopify Flow × AIで業務を自動化する方法 — 設定手順と活用レシピ
「毎日同じ作業を繰り返しているのに、なかなか手が空かない」。EC運営をしていると、こういう悩みは尽きません。注文のタグ付け、在庫アラート、不正注文のチェック。どれも大事だけれど、手動でやるには限界があります。
わたし自身、Shopifyストアの運営支援をしていたとき、こうした定型業務に1日の大半を費やしていた時期がありました。そこで活用し始めたのが Shopify Flow 、そして2025年から本格的に搭載された AI(自然言語)によるワークフロー作成機能 です。
この記事では、Shopify Flowの基本構造をおさらいしつつ、AIを使って自然言語でワークフローを作る方法と、すぐに使える実践レシピを紹介します。
Shopify Flowの基本。トリガー・条件・アクション
- Shopify Flow
Shopifyが標準提供するノーコード自動化ツール。Basicプラン以上で追加費用なく利用でき、「トリガー → 条件 → アクション」の3要素を組み合わせて業務ロジックを自動化する仕組みです。
出典:Shopify公式ヘルプ - Shopify Flow
Flowの構造はシンプルです。まずはこの3つの要素を押さえておきましょう。
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トリガー(Trigger)を選ぶ
ワークフローが動き出す きっかけ を設定します。「注文が作成されたとき」「在庫数が変わったとき」「顧客アカウントが作られたとき」など、Shopify上のイベントから選択できます。
- 2
条件(Condition)を設定する
トリガー発火後に 処理を分岐 させるフィルターです。「注文金額が1万円以上」「顧客タグにVIPが含まれる」のように、対象を絞り込みます。条件なしで全件に適用することも可能です。
- 3
アクション(Action)を実行する
条件を満たしたときに行う 具体的な処理 です。「タグを追加」「メール通知を送信」「商品を下書きに変更」「Slackに投稿」など、多彩なアクションが用意されています。
たとえば「注文が入った → 金額が5万円以上 → Slackに通知」という流れを、コードを1行も書かずにビジュアルエディタ上で組み立てられます。
Flowの基本的な使い方やプラン別の機能差については、Shopify Flowで業務を自動化する方法で詳しく解説しています。本記事では AI機能と実践レシピ にフォーカスします。
AIで自然言語からワークフローを作る
2025年のアップデートで、Shopify Flowに 自然言語でワークフローを生成するAI機能 が追加されました。これがとにかく便利です。
従来は「トリガーを選んで、条件を設定して、アクションを追加して…」とひとつずつ画面上で組み立てる必要がありました。AIを使えば、やりたいことを日本語(または英語)で入力するだけで、Flowが自動的にワークフローの骨組みを作ってくれます。
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Flowの画面を開く
Shopify管理画面から 設定 → Flow に移動し、「ワークフローを作成」をクリックします。
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AIにやりたいことを伝える
画面上部の入力欄に、自然言語で指示を入力します。たとえば「注文金額が3万円以上のとき、顧客にVIPタグを付けて、Slackの#ordersチャンネルに通知して」と書くだけでOKです。
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生成されたワークフローを確認・調整する
AIがトリガー・条件・アクションを自動で配置してくれます。金額の閾値やタグ名など、細かい部分を確認して必要に応じて修正しましょう。
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有効化する
問題なければ「ワークフローをオンにする」をクリックして完了です。
出典:Shopify公式 - Shopify Magic in Flow
AIへの指示は 具体的に書く のがコツです。「在庫が少なくなったら通知して」より「在庫数が5以下になったら、商品名と残数をSlackの#inventoryチャンネルに通知して」のほうが、精度の高いワークフローが生成されます。
わたしが初めてこの機能を使ったとき、30分かかっていたワークフロー構築が3分で終わって驚きました。もちろんAIが生成した内容をそのまま使うのではなく、条件の閾値やアクションの詳細は自分の目で確認することが大切です。ただ、ゼロから組み立てる手間がなくなるだけで、自動化のハードルは大きく下がります。
すぐ使える実践レシピ3選
ここからは、わたしが実際に設定して効果を実感した自動化レシピを紹介します。いずれもAIに指示文を入力すれば、ほぼそのまま生成できるものばかりです。
レシピ1。リピーター顧客の自動タグ付け
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トリガー
Order paid(注文の支払いが完了したとき)
- 2
条件
顧客の注文回数が2回以上
- 3
アクション
顧客に「リピーター」タグを追加。3回以上なら「ロイヤル」タグも追加
顧客のセグメンテーションが自動化されると、メールマーケティングの精度が一気に上がります。たとえばリピーター限定クーポンや、ロイヤル顧客だけの先行販売案内を、手動で対象を抽出することなく実行できるようになります。
レシピ2。在庫アラートの自動通知
- 1
トリガー
Inventory quantity changed(在庫数が変更されたとき)
- 2
条件
在庫数が10以下になった場合
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アクション
Slackまたはメールで「商品名・現在の在庫数・商品ページへのリンク」を通知
在庫アラートのトリガーは 「Inventory quantity changed」 を使いましょう。スケジュール実行だとチェック間隔にタイムラグが生じるため、急な売れ行きに対応できないことがあります。
レシピ3。不正注文の自動フラグ付け
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トリガー
Order risk analyzed(注文のリスク分析が完了したとき)
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条件
リスクレベルが「高」と判定された場合
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アクション
注文に「要確認」タグを追加し、担当者にメール通知を送信。必要に応じて自動で支払いキャプチャを保留
不正注文を見逃すと、チャージバックで売上と商品の両方を失うリスクがあります。Flowで自動フラグを立てておけば、高リスク注文を即座に把握して、出荷前に目視確認を挟めます。
トリガーに「Order created」ではなく 「Order risk analyzed」 を使うのがポイントです。注文作成直後はまだリスク分析が完了しておらず、正確な判定ができません。
Flow × AI活用のチェックリスト
自動化を始める前に、以下の項目を確認しておくと失敗を防げます。
- Shopifyプランを確認する(Basicプラン以上で利用可能)
- まずは公式テンプレートから試す(150以上のテンプレートが用意されている)
- AI生成後は必ず条件の閾値とアクション内容を目視確認する
- 本番適用前にテスト注文で動作を検証する
- 外部アプリ連携(Slack、Klaviyoなど)はあらかじめ接続しておく
- ワークフローの実行ログを定期的にチェックする
よくある質問
はい。Basicプラン(月額$39)以上であれば追加費用なしで利用できます。以前はPlus限定でしたが、現在は全プランに開放されています。ただし、HTTP Requestアクション(外部APIへの送信)はGrowプラン以上が必要です。
現時点では英語のほうが生成精度は高い傾向があります。ただし、日本語でも十分に実用的なワークフローが生成されます。うまくいかない場合は、指示を具体的にするか、英語で試してみてください。
まず管理画面の 設定 → Flow → 実行ログ を確認しましょう。トリガーが発火しているか、条件で弾かれていないか、アクションでエラーが出ていないかを順番にチェックできます。よくある原因は「条件の値が間違っている」「トリガーのタイミングが適切でない」の2つです。
まとめ
Shopify Flowは、EC運営の定型業務を自動化する強力なツールです。そしてAIによる自然言語生成機能が加わったことで、ワークフロー構築のハードルはさらに下がりました。
まずは在庫アラートや顧客タグ付けなど、シンプルなレシピから始めてみてください。一度自動化の便利さを体感すると、「次はこれも自動化できないか?」と自然に発想が広がっていくはずです。
この記事はShopify予約アプリ「まるっと予約」の開発元であるPepinが執筆しています。


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