Shopify複数ストア運営の3アプローチ徹底比較【2026年版】
「ブランドを増やしたい」「海外にも売りたい」と考え始めると、必ずぶつかるのが ストアを分けるか、1つでまわすか という判断です。わたし自身、Shopifyアプリ開発の現場で多数の管理画面を触っていますが、この選択を最初に間違えると、あとから月額コストが倍以上に膨らんだり、在庫管理がカオスになったりします。
結論からお伝えすると、2026年時点のShopifyには 複数ストア運営の主要アプローチが3つ あります。それぞれ月額・運用負荷・向いているケースが大きく違うので、この記事では比較軸を立てて一気に整理します。
比較の前提:何を比べるのか
同じ「複数ストア運営」でも、目的によって最適解が真逆になります。この記事では、以下の3つのアプローチを同じ土俵で比較します。
| アプローチ | 概要 |
|---|---|
| A. 独立ストアを複数契約 | ストアごとに個別プランを契約し、完全に別の管理画面で運営 |
| B. Shopify Markets(1ストア多市場) | 1つのストアから複数国・複数通貨・複数言語に販売。プラン追加不要 |
| C. Shopify Plusの拡張ストア | Plus 1契約で最大9つの追加ストアを追加料金なしで運営 |
評価軸は「月額コスト」「運営負荷」「ブランド分離度」「海外対応」「向いているフェーズ」の5つ。 ここが自分のゴールと合っていないまま選ぶと、あとから乗り換えることになります 。
出典:Shopify公式ヘルプ Markets overview、Shopify公式ヘルプ Expansion stores
比較サマリー表
まず全体像を掴むために、3アプローチを一覧で並べます。
| アプローチ | 月額(最低) | 最大ストア数 | ブランド分離 | 海外対応 | こんな人向け |
|---|---|---|---|---|---|
| A. 独立ストア複数契約 | 3,650円×本数 | 無制限(契約次第) | 完全分離 | 各ストアで個別設定 | ブランドを完全に切り離したい |
| B. Shopify Markets | 3,650円〜(Basic〜) | 1ストア | 同一ブランド内で市場分け | 強い | 海外・多通貨展開が主目的 |
| C. Shopify Plus 拡張 | 368,000円〜 | 最大10(本店+9) | 完全分離 | 各ストアで個別+Markets併用可 | 月商が大きく、3店舗以上運営 |
出典:Shopifyプラン料金、Shopify Plus ヘルプセンター(日本語)(2026年4月時点)
各アプローチの詳細レビュー
A. 独立ストアを複数契約する
一般プラン同じメールアドレスから別のストアを作り、それぞれ独立したプランで運営する方式です。管理画面の切り替えは左上のストア名メニューから行います。ブランドが完全に分離できる代わりに、 プラン料金がストアごとに発生 します。
B. Shopify Markets で1ストア多市場展開
コスパ最強1つのストアを親市場・子市場(submarket)に分割して、市場ごとに通貨・言語・商品カタログ・ドメインを切り替える機能です。Shopify Marketsは Basicプランから基本機能が使え 、Advanced以降でローカルドメインやカタログ分離などの上位機能が開放されます。
C. Shopify Plus の拡張ストア
大規模向けShopify Plusの契約には、追加料金なしで 本店+9つの拡張ストア(合計10ストア) が含まれます。Organization管理画面から全ストアを横串で管理でき、スタッフ・請求・設定をまとめて制御できます。国別展開とブランド別展開を両立したい大規模事業者の選択肢です。
出典:Shopify公式ヘルプ Expansion stores
コスト試算:アプローチ別・月額シミュレーション
同じ「3つのブランド/市場を運営する」ケースで、3アプローチの月額コストを比べてみます(Shopifyのプラン料金のみ、アプリ代は除外)。
出典:Shopifyプラン料金(日本)(2026年4月時点・年払い価格)
数字を並べると分かりやすいのですが、2店舗までならAの独立契約が最安です。3店舗以上かつ海外展開が絡むならBのMarketsがほぼ一択で、10店舗クラスの規模になったときに初めてCのPlusがコスパ逆転する構造になっています。
アプリ代も無視できません。複数ストアでそれぞれレビュー・SEO・在庫連携アプリを入れると、1ストアあたり月1〜3万円の追加コストが乗ります。独立契約×3なら、アプリ代だけで月3〜9万円の上乗せです。
ブランド分離度 × 運用負荷マップ
数字だけでは見えない「どれくらい運営がラクか」を感覚的に掴むため、2軸で整理します。
| アプローチ | ブランド分離度 | 運営負荷(低いほど良い) |
|---|---|---|
| A. 独立ストア複数 | 最大(完全分離) | 高(店舗数ぶん倍増) |
| B. Shopify Markets | 小(同一ブランド) | 低(1画面で完結) |
| C. Plus 拡張ストア | 最大(完全分離) | 中(Organization管理) |
「ブランドを切り離したい」と「運営ラクにしたい」は本質的にトレードオフです。 AとBどちらを選ぶかは、この2軸のどちらを優先するかで決まります 。Plusはそのトレードオフを資金で解決する選択肢、と理解すると分かりやすいです。
結論:こんな人にはコレ
判断を間違えないためのチェックリスト
立ち上げてから「やっぱり違うアプローチだった」とならないよう、事前に確認しておきたいポイントです。
- ストアを分ける理由は「ブランド」か「市場(国)」か、言語化できている
- 3アプローチそれぞれの月額を、自店舗のケースで試算した
- 在庫管理の方式(一元化 or 個別)を決めた
- スタッフ権限の設計(全ストア共通 or ストア別)が明確
- 将来ストア数を増やす計画がある場合、Plusに乗り換える月商ラインを決めた
よくある質問
海外展開が目的ならまずMarkets、国内で別ブランドを立ち上げたいなら独立ストアです。初動の月額コストが抑えられる点では、どちらも Basic プランから始められます。迷ったら、運営メンバーが少ない間は Markets のほうが圧倒的にラクです。
はい、可能です。独立契約×複数ストアで月額が膨らんできた段階で Plus に切り替えると、既存ストアを Organization 配下の拡張ストアに統合できます。ただし契約は年単位になるので、年商1億円前後が目安です。
できます。通貨換算・自動翻訳(または手動翻訳)・地域別の配送設定まで、基本機能はBasicから対応しています。カタログを市場別に完全分離したい・ローカルドメインを使いたい場合はAdvancedにアップグレードします。
独立契約の場合はストアごとにスタッフ招待・権限設定を行います。Plus の拡張ストアなら Organization 管理画面で横串に管理できるため、運営負荷が大きく下がります。(詳細は スタッフ権限の設計ガイド を参照)
まとめ
Shopifyの複数ストア運営には3つのアプローチがあり、「何を分けたいのか」で最適解が決まります。海外展開が主目的なら Shopify Markets、ブランドを完全に切り離したいなら独立ストア複数契約、月商が大きく3店舗以上なら Shopify Plus の拡張ストア。まずは自分の事業が今どのフェーズにあるのかを言語化して、無理に「大は小を兼ねる」選び方をしないのがコツです。


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