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EC運営2026-04-042026-09-1516分で読めます
Shopifyギフトラッピング

Shopifyでギフト対応(ラッピング・のし・メッセージカード)を設定する方法

Shopifyでギフト対応(ラッピング・のし・メッセージカード)を設定する方法
ギフトラッピングのイメージ

Shopifyには、のし・ラッピング・メッセージカードを扱う標準機能がありません。ですから「Shopify のし」で調べてたどり着く答えは、実質3つに絞られます。ギフト対応アプリを入れるか、Line Item Propertyでテーマに入力欄を自作するか、ラッピングを1つの商品として売るか、です。のし対応アプリの現実的な候補は月額3.99〜49ドルの4本で、うち日本製が3本。内のし・外のしの選択と表書きのカスタマイズまでApp Storeのリスティングに明記しているのは、そのうち1本だけでした。

そしてもうひとつ、最初に切り分けておきたいことがあります。Shopifyの「ギフトカード」機能と、いま話している「ギフト対応(のし・ラッピング)」はまったく別の機能だということです。ここを取り違えたまま設定を進めると、まる1日を無駄にします。

わたしはShopifyアプリを作る側の人間で、EC運営そのものは前職で担当していました。当時いちばん面倒だったのが、このギフトまわりの仕様決めです。技術的にはすぐ終わるのに、「のしの表書きに何を並べるか」で毎回止まりました。この記事は、そこで詰まらないための順番でまとめています。

「Shopifyのギフトカード」と「のし・ラッピング」はどう違う?

「shopify ギフト カード」と検索する人は、だいたい次の2つのどちらかを探しています。まずここを自分で判定してください。

Shopify標準の ギフトカード は、金額がチャージされた電子商品券を発行・販売する機能です。管理画面から手動で発行することも、金額別の商品として販売することもできます。すべてのShopifyサブスクリプションプランで利用でき、注文をフルフィルメントすると購入者または受取人にコード付きのメールが届きます。有効期限や税金の扱いは地域の法令に左右されるため、Shopifyは現地の専門家への確認を促しています。「プレゼント用に金額を贈りたい」「失効しない商品券を出したい」はこちらです。

出典:Shopify ヘルプセンター - ギフトカードに関する考慮事項と概要

ややこしいのは、ギフトカード機能と「ギフト対応アプリ」を両方入れるストアも珍しくない点です。商品券も売るし、商品にのしも付ける。それぞれ独立した設定なので、片方を入れてももう片方は動きません。

なぜ日本のECでのし対応が売上に効くのか

矢野経済研究所の調査によると、2025年の国内ギフト市場規模は前年比103.4%の11兆5,650億円。そのうちeギフト市場は前年比127.7%の6,450億円と、伸び率が突出しています。

11兆5,650億円
国内ギフト市場規模(2025年見込)
前年比103.4%。市場そのものが縮んでいない領域です
6,450億円
eギフト市場(2025年見込)
前年比127.7%。2024年の5,050億円から急拡大しています
0個
Shopify標準のギフト対応機能
のし・ラッピングは自分で足すしかありません

出典:矢野経済研究所 - ギフト市場に関する調査を実施(2025年)

数字として押さえておきたいのは、市場が伸びていること以上に「のし」が 海外製プラットフォームの標準機能に入らない という点です。のしは日本固有の贈答文化なので、Shopifyの本体にも、海外製のギフトアプリにも入っていません。つまり、対応しているだけで国内の競合との差になります。

のし対応が効く3つの場面

  1. 01

    法人・お取引先向けの注文を取りこぼさない

    御中元・御歳暮・御礼といった表書きを指定できないストアは、法人からの贈答注文の選択肢に入りません。逆にいえば、表書きのプルダウンを用意するだけで検討対象になります。

  2. 02

    客単価が自然に上がる

    有料ラッピング(300〜500円程度)を選べるようにすると、注文1件あたりの金額が上がります。贈り物の文脈では、包装代への抵抗が本人用購入より小さくなります。

  3. 03

    受け取った人が次の購入者になる

    ギフトで商品を受け取った人は、広告費をかけずに接点を持てた見込み客です。メッセージカードにストアのURLを入れておくと、この導線が機能します。

ギフトショッピングのイメージ

Shopifyでのし・ラッピングを実現する4つの方法

実装手段は4つあります。ストアの規模と、社内にLiquidを触れる人がいるかどうかで決まります。

方法費用感必要スキルのしの細かい指定向いているストア
ギフト対応アプリ月額3.99〜49ドルなしほとんどのストア
Line Item Propertyで自作0円(工数のみ)Liquid・HTML○(作り込み次第)開発リソースがある
ギフト専用商品を作る0円なし×まず動かしたい段階
Shopify Functions(Cart Transform)アプリ開発が前提アプリ開発Plus・開発ストア限定

4つ目のShopify Functionsは、カート内容をサーバー側で書き換える仕組みです。Cart Transform Function APIのドキュメントには、ユースケースとして「ギフトラッピングや組み立てサービスなどのアドオンを追加する」ことが明記されています。ただし update 操作を含むアプリを使えるのは開発ストアかShopify Plusプランのストアだけなので、多くの中小ストアにとっては現実解になりません。

出典:Shopify.dev - Cart Transform Function API

チェックアウト画面そのものにギフト入力欄を足したい場合も同じ壁があります。Checkout UI Extensionsのうち、情報入力・配送・決済ステップを拡張できるのはShopify Plusのストアのみです。通常プランなら、商品ページかカートページで受け取る設計にしてください。

出典:Shopify.dev - Checkout UI extensions

Shopifyの「のし」対応アプリはどれを選べばいい?

日本のギフト文化に対応できるアプリは限られます。2026年9月15日時点でShopify App Storeを確認した4本を挙げます。料金と機能は変わるので、導入前に各アプリのページで最新の表示を確認してください。

まず横並びで見てください。この表の数字と評価は、すべて各アプリのApp Storeリスティングに表示されていたものです。

アプリ提供元月額無料体験評価(件数)設置場所内のし・外のしの明記
シンプルのし(熨斗)アプリUnReact6.99ドル(年払い69.99ドル)7日間評価なし(0)カートページなし
ギフトラッピング&のし専用アプリ電通デジタル9.80ドル14日間5.0(1)カートページあり
All in Giftハックルベリー9.90ドル/PRO 49ドル(eギフトは+3%)14日間4.9(133)商品ページ・カートなし
Gift Options PlusDryworks3.99/7.99/9.99ドル7日間4.4(8)商品ページ・カート・チェックアウトなし

右端の列は「のしの作法をアプリ側が持っているか」の目安です。 「明記なし」は非対応という意味ではなく、リスティングの説明文で確認できなかったという意味 です。内のし・外のしが要件に入るなら、無料体験かデモストアで実際の設定画面を見てから決めてください。この記事もリスティングに書かれている以上のことは書きません。

シンプルのし(熨斗)アプリ

シンプルのし(熨斗)アプリ

UnReactが提供する、カートページにのしの選択欄を追加する日本製アプリです。表示するのしの種類と価格を管理画面から設定でき、テーマへの追加はワンクリックで完了すると案内されています。

メリット
月額6.99ドルと、日本製3本のなかでもっとも安い
年払い69.99ドルが用意されており、通年でのし対応を続けるなら月払いより安く済む
冠婚葬祭向けののしが用意されており、独自ののしも追加できる
インストール前に動作を試せるデモストアが公開されている
デメリット
レビューがまだ1件もなく、他社の運用実績から判断できない
のしの価格は「一律」での設定。のしの種類ごとに違う金額を付けたい場合は要確認
内のし・外のしや名入れへの対応は、公開情報からは読み取れない

料金は月額6.99ドル、年払いなら69.99ドルで、7日間の無料体験つき。2026年9月15日時点でレビューは0件です。のしの価格設定は「のし設定」ページの「価格(一律)」セクションで行うと提供元のガイドに書かれているため、のしの種類ごとに金額を変えたいストアは、体験期間中にそこを確かめてください。

→ シンプルのし(熨斗)アプリを Shopify App Store で見る

出典:Shopify App Store - シンプルのし(熨斗)アプリ

出典:UnReact - シンプルのし(熨斗)アプリ ご利用ガイド

All in Gift|eギフト・熨斗・ラッピング対応アプリ

All in Gift

株式会社ハックルベリー(Huckleberry, Inc.)が提供する、のし・ラッピング・手提げ袋・デジタルメッセージカード・eギフトを1本でカバーするギフトアプリです。カタログギフト機能や複数配送(マルチシップ)、匿名化ギフト設定まで含みます。

メリット
のし・ラッピング・メッセージカード・eギフトをすべてカバー
カタログギフトや匿名化ギフトなど、贈答の作法に踏み込んだ機能がある
複数配送(マルチシップ)に対応。1注文を複数の宛先に分けられる
デメリット
eギフト系プランは月額に加えて取引手数料3%が発生する
機能が広いぶん、初期設定で決めることが多い

料金は通常ギフトが月額9.90ドル、eギフトが月額9.90ドル+取引手数料3%。複数配送を含むPROは月額49ドル(eギフトPROは49ドル+手数料3%)で、いずれも14日間の無料体験があります。評価は4.9(133件のレビュー、2026年9月15日確認)。

→ All in Gift を Shopify App Store で見る

出典:Shopify App Store - All in gift|eギフト・熨斗・ラッピング対応アプリ

ギフトラッピング&のし専用アプリ

ギフトラッピング&のし専用アプリ

電通デジタルが提供する、カート画面にラッピングとのしの選択項目を追加するアプリです。冠婚葬祭用ののし種類、のし表書きのカスタマイズ、内のし・外のしの選択に対応しています。

メリット
内のし・外のしの選択と表書きのカスタマイズが標準で入っている
管理画面もサポートも日本語。のしの用語で会話が通じる
無料・有料どちらのラッピングも設定でき、複数種類を並べられる
デメリット
eギフトやマルチシップには対応していない
レビュー件数が少なく、他社事例からの判断材料が乏しい

料金は月額9.80ドル、14日間の無料体験つき。評価は5.0(1件のレビュー、2026年9月15日確認)。「のしとラッピングだけ、確実に」という要件にはいちばん素直な選択肢です。

→ ギフトラッピング&のし専用アプリを Shopify App Store で見る

出典:Shopify App Store - ギフトラッピング&のし専用アプリ

Gift Options Plus

Gift Options Plus

Dryworksが提供する海外製アプリで、商品ページ・カート・チェックアウトにギフトオプションのウィジェットを追加できます。ギフトラッピング、メッセージカード、のしなどの項目を設置できると案内されています。

メリット
Starterプランが月額3.99ドルと、4本のなかでもっとも安い
商品ページ・カート・チェックアウトの好きな場所に置ける
デメリット
海外製のため、のしの作法(水引の使い分けなど)は自分で定義する必要がある
設置場所やウィジェット数でプランが変わる

料金はStarterが月額3.99ドル、Standardが7.99ドル、Premiumが9.99ドル。無料体験は7日間で、評価は4.4(8件のレビュー、2026年9月15日確認)。

→ Gift Options Plus を Shopify App Store で見る

出典:Shopify App Store - Gift Options Plus

選ぶ軸は3つだけです。 eギフトが要るか、複数配送が要るか、のしの作法をアプリ側に任せたいか 。3つとも不要なら安いものを選んで問題ありません。どれを選ぶにせよ、無料体験のうちにテスト注文を1回通して、管理画面の注文詳細に選択内容が載ることを必ず確認してください。

日本語で使えるアプリ全般の選び方は、Shopifyの日本語対応アプリまとめにもまとめています。

のし対応アプリを入れたあと、何を設定すればいい?

アプリをインストールしただけでは、ストアの画面には何も出ません。ここでつまずいて「入れたのに表示されない」となる方が多いので、インストール直後にやることを順番に並べておきます。アプリごとに画面の名前は違いますが、やることの中身は共通です。

  1. 1

    テーマにアプリブロックを追加する

    アプリの多くはテーマアプリ拡張として提供されているので、「オンラインストア」→「テーマ」→「カスタマイズ」でテーマエディタを開き、のしを出したいセクション(カートまたは商品情報)で「ブロックを追加」からアプリのブロックを選びます。 ここを飛ばすと、設定をどれだけ作り込んでも画面には何も出ません。 追加したら必ず右上の「保存」を押してください。

  2. 2

    のしの種類と価格を決めて登録する

    アプリの管理画面で、表示するのしの種類を選びます。最初から全部の表書きを並べず、この記事の初期セット(御祝・内祝・御礼・御中元・御歳暮)程度から始めるのが安全です。価格は、アプリによって「のし全体で一律」なのか「種類ごとに個別」なのかが違います。有料ラッピングと組み合わせるなら、どちらの方式かを先に確認してください。

  3. 3

    表示する商品を絞り込む

    全商品でのしを選べるようにすると、冷凍品やデジタル商品にものしの欄が出てしまいます。多くのアプリはコレクションや商品タグで対象を絞れるので、「のし対応」というタグを作って対象商品に付け、そのタグだけを対象にするのがいちばん管理しやすい形です。

  4. 4

    テスト注文を1回通して、注文詳細に値が載るか見る

    実際に購入まで進めて、管理画面の注文詳細で選んだのしの種類・表書き・かけ方が読めることを確認します。 ここに出る文字列が、そのまま出荷スタッフへの作業指示になります。 「noshi_type: 1」のような機械的な値しか載らないアプリだと、出荷側で毎回読み替えが発生します。無料体験の期間内に必ず見てください。

  5. 5

    出荷側の手順書に落とす

    注文詳細のどこを見るか、のし紙をどこから印刷するか、有料のしの金額が注文に乗っているかを、1枚の手順書にします。ここまでやって初めて「のし対応を始めた」と言えます。

テーマを乗り換えると、アプリブロックの追加は最初からやり直しです。新しいテーマにはブロックが引き継がれないため、のしの欄が丸ごと消えます。テーマを変えた日は、公開前にSTEP1とSTEP4をもう一度通してください。繁忙期の直前にテーマを乗り換えるのは避けたほうが無難です。

有料のしや有料ラッピングを設定した場合は、その金額が注文の合計に正しく乗っているかも同時に見てください。金額の載り方はアプリによって、独立した明細行になる場合と、商品の価格に上乗せされる場合があります。納品書の見え方が変わるので、後述の明細表の設定とあわせて確認すると二度手間になりません。

のし紙の中身は何をどう選ばせる?(水引・表書き・内のし外のし)

ここが、海外製の解説記事には絶対に書かれない部分です。アプリを入れても、選択肢の中身は自分で決めなければなりません。実務で必要になるのは4点です。

のしの入力項目を設計するイメージ

内のしと外のしはどちらを初期値にする?

内のしは、のし紙を商品に直接かけたうえから包装紙で包む方法です。外のしは、包装した上からのし紙をかけます。郵便局のネットショップの解説では、配送時の破損を避けるため配送商品には内のしが推奨されています。表書きが包装紙で隠れるぶん、控えめな印象になります。

配送が前提のECでは 内のしを初期値 にするのが無難です。外のしは配送伝票と擦れてのし紙が汚れたり剥がれたりします。ただし店舗受け取りや手渡しの用途があるなら、外のしも選べるようにしておきます。両方を出すなら、選択肢のラベルに「配送のかたは内のしがおすすめです」と一言添えると問い合わせが減ります。

お中元・お歳暮のように繰り返しあってよい贈り物には、紅白の花結び(蝶結び)を使います。何度でもほどけて結び直せるため、繰り返しのお礼に適しているという理由です。本数は通常5本、より丁寧にする場合は7本とされています。一度きりであってほしい場面(婚礼など)には結び切りを使います。ECでは蝶結びと結び切りの2種類を用意しておけば、日常の贈答需要はほぼカバーできます。

表書きは水引の上段に書く文字で、お中元なら「御中元」、お歳暮なら「御歳暮」です。下段には送り主の名前をフルネームで入れます。連名の場合、3名以下なら右から立場の高い順に並べ、4名以上は代表者名に「他一同」「外一同」を添えるのが一般的です。法人からの贈答では社名と代表者名を入れます。

出典:郵便局のネットショップ - お中元の熨斗(のし)のマナー|水引の種類と結び方、正しい表書き

出典:郵便局のネットショップ - お歳暮の熨斗(のし)の書き方や付け方、知っておきたい基本

表書きのプルダウンに並べる初期セット

迷ったら、まずこの並びで公開して、問い合わせが来た表書きを足していくのが速いです。自由入力欄を1つ添えておけば、想定外の表書きにも対応できます。

表書き使う場面水引
御祝一般的なお祝いごと蝶結び
内祝お祝いのお返し蝶結び
御礼お礼全般蝶結び
御中元夏の季節の挨拶蝶結び
御歳暮年末の季節の挨拶蝶結び
寿婚礼関係結び切り
弔事のお返し黒白結び切り

表書きは「文字を印刷する」作業なので、選択肢を増やすほど出荷側の確認コストが増えます。最初から10種類並べるより、5種類で公開して運用に乗せ、実際に要望のあったものを足すほうが失敗しません。

ギフト需要が立つ時期を先に押さえる

のし対応は、需要期の直前に慌てて入れると資材が間に合いません。国内の贈答シーズンはおおよそ次の並びです。

  1. 1月

    お年賀・年始挨拶

    法人向けの挨拶まわりで「御年賀」の表書きが動きます。年末年始は物流も止まるため、12月中旬までに受付を締める設計が必要です。

  2. 5月

    母の日

    個人向けギフトの山。メッセージカードの需要がもっとも高くなる時期です。準備は4月上旬から始めます。

  3. 7月

    お中元

    法人・個人ともに「御中元」の表書きが集中します。のし対応の有無がそのまま受注差になりやすい時期です。

  4. 12月

    お歳暮・クリスマス

    「御歳暮」とクリスマスラッピングが同時に走ります。のしと洋風ラッピングの両方を並べるなら、この時期に運用が破綻しないかを確認してください。

繁忙期の準備の考え方は、ShopifyのGW商戦の準備チェックリストでも同じ枠組みを使っています。

コード編集のイメージ

Line Item Propertyでのしオプションを自作するには?

アプリの月額をかけたくない、あるいはアプリのUIがストアのデザインに合わない場合は、テーマを編集して自作します。

この方法は Liquid(Shopifyのテンプレート言語)とHTMLの基礎知識 が前提です。またテーマを更新すると編集内容が上書きされる可能性があるため、必ずテーマを複製してから作業してください。

Line Item Property・カート属性・注文メモの使い分け

自作するときに最初に迷うのが、3つの入れ物のどれを使うかです。

カート属性・注文メモ
カート全体に1つだけ持たせる情報
name="attributes[のし]"name="note" で受け取る
注文全体に対して1つの値しか持てない
「1注文=1つの宛先」なら十分
商品ごとに違う表書きは指定できない
Line Item Property
商品1行ごとに持たせる情報
name="properties[のし表書き]" で受け取る
商品ごとに別の値を持てる
1注文で「A商品は御中元、B商品は無し」が成立する
贈答用途ではほぼこちらが正解

Shopify公式ブログでも、Line Item Propertyは「商品ページへの独自入力項目の追加、その値の注文詳細画面への反映」ができる仕組みとして、カート属性・顧客メモと区別して説明されています。

出典:Shopify公式ブログ - Cart attributes、Line Item Property、Customer noteを使いこなそう

実装の手順

  1. 1

    テーマを複製してバックアップを取る

    管理画面の「オンラインストア」→「テーマ」から現在のテーマを複製します。編集は複製側で行い、テスト注文まで確認してから公開テーマに反映します。

  2. 2

    商品テンプレートのフォーム内に入力欄を追加する

    商品テンプレート(main-product.liquid など)のカート追加フォームの内側に、のしとラッピングの入力欄を置きます。フォームの外に置くと値が送信されないので、form タグの内側であることを必ず確認してください。

  3. 3

    管理画面に選択内容が載るか確認する

    テスト注文を通し、注文詳細の商品行の下にのし・ラッピングの値が表示されることを確認します。ここに出る文字列が、そのまま出荷スタッフの作業指示になります。

商品テンプレートに追加するコードの例です。

<div class="gift-options">
  <label>
    <input
      type="checkbox"
      id="gift-wrapping"
      onchange="document.getElementById('gift-select').style.display
        = this.checked ? 'block' : 'none'"
    />
    のし・ラッピングを希望する
  </label>
  <div id="gift-select" style="display:none;">
    <label for="noshi-type">のしのかけ方</label>
    <select id="noshi-type" name="properties[のしのかけ方]">
      <option value="">のしなし</option>
      <option value="内のし">内のし(配送におすすめ)</option>
      <option value="外のし">外のし(手渡し向け)</option>
    </select>
    <label for="noshi-title">のし表書き</label>
    <select id="noshi-title" name="properties[のし表書き]">
      <option value="">選択してください</option>
      <option value="御祝">御祝</option>
      <option value="内祝">内祝</option>
      <option value="御中元">御中元</option>
      <option value="御歳暮">御歳暮</option>
    </select>
    <label for="noshi-name">のし名入れ</label>
    <input type="text" id="noshi-name" name="properties[のし名入れ]" maxlength="20" />
    <label for="gift-message">メッセージカード</label>
    <textarea
      id="gift-message"
      name="properties[メッセージ]"
      placeholder="メッセージを入力してください(50文字以内)"
      maxlength="50"
    ></textarea>
  </div>
</div>

入力欄の nameproperties[プロパティ名] の形式にします。Shopifyのテーマドキュメントでも、各入力に name="properties[property-name]" という一意の name 属性が必要だと明記されています。角括弧の中がそのままラベルになるので、出荷スタッフが読んでわかる日本語にしておきましょう。

出典:Shopify.dev - Liquid objects: line_item

顧客に見せたくない値はアンダースコアで隠す

社内フラグのように、お客様に見せる必要のない値もあります。その場合はプロパティ名の先頭にアンダースコアを付けます。

Ajax Cart APIのリファレンスには「To make a line item property private, prepend an underscore (_) to the key.」とあり、アンダースコア始まりのプロパティは チェックアウト画面では視覚的に隠れ、管理画面の注文詳細には表示される と説明されています。ただしストアフロント側(カートページなど)で隠すにはテーマのコード側の対応が必要です。

出典:Shopify.dev - Cart API reference

ギフト専用商品でとりあえず始める方法

コードもアプリも触りたくない段階なら、「ギフトラッピング」を1つの商品として登録する手があります。

  1. 1

    ギフトラッピング商品を作成する

    管理画面の「商品」→「商品を追加」から作成し、価格を300〜500円程度に設定します。商品画像には実際のラッピング見本を載せると、選ばれる率が上がります。

  2. 2

    在庫を追跡しない設定にする

    ラッピングは物理在庫を持たないので、「在庫を追跡する」のチェックを外します。これで売り切れ表示になりません。

  3. 3

    対象商品の説明文とカートで案内する

    「ギフトラッピングをご希望の方は、こちらもカートに追加してください」と明記します。買い忘れが最大の弱点なので、案内は目立つ位置に置きます。

メリット
コード編集もアプリも不要で、今日から始められる
追加の月額費用がかからない
デメリット
お客様が自分でカートに入れる必要があり、買い忘れが起きやすい
のしの表書きや名入れといった細かい指定ができない
どの商品にラッピングを適用するかを紐づけられない

なお、Shopifyのバンドル機能で「商品+ラッピング」をセットにする発想もありますが、ヘルプセンターの説明では、バンドルを作るにはまずバンドル用のアプリをインストールする必要があるとされています。標準機能だけで完結する方法ではない点に注意してください。

出典:Shopify ヘルプセンター - 商品バンドル

ギフト対応チェックリストのイメージ

ギフト注文の納品書で金額を隠すには?

のし対応を始めると、ほぼ確実に「贈り先に金額が見えてしまうのでは」という問い合わせが来ます。Shopifyの明細表(packing slip)はLiquidでレンダリングされており、管理画面の「設定」→「配送と配達」の「ドキュメント」セクションにある「明細表のテンプレート」から編集できます。HTML・CSS・Liquidがわかれば、価格を出している変数を外したり、ロゴを足したり、商品画像を消したりできます。編集後は「テンプレートをプレビュー」で確認し、問題があればデフォルトに戻せます。

出典:Shopify ヘルプセンター - 明細表

明細表のテンプレートはストア全体で1つです。「ギフト注文のときだけ金額を消す」には、Line Item Propertyやタグで条件分岐を書くか、注文単位で書式を切り替えられる帳票アプリを使うことになります。テンプレートを1枚書き換えるだけで全注文の明細表が変わる点は、公開前に必ず確認してください。

納品書・領収書・請求書の出し分けまで含めて検討するなら、Shopifyの請求書・帳票アプリの選び方に判断軸をまとめています。日本語の帳票を注文単位で発行し、配送会社向けのCSVも出したい場合は、わたしたちのまるっと請求書も選択肢に入ります。

導入前のチェックリスト

運用が始まってから「これを決めていなかった」となりがちな項目です。公開前に潰しておきましょう。

  • ラッピング資材(包装紙・リボン・袋)を需要期の想定数で確保したか
  • のし紙のテンプレートを用意したか(蝶結び・結び切りの最低2種)
  • 表書きのプルダウンの初期セットを決めたか(自由入力欄を併設したか)
  • 内のし・外のしのどちらを初期値にするか決めたか
  • ギフトオプションを無料にするか有料にするか決めたか
  • 明細表に金額を出すかどうかを決め、テンプレートを確認したか
  • アプリを使うなら、テーマエディタでアプリブロックを追加して保存したか
  • 出荷スタッフに、注文詳細のどこを見て作業するかを共有したか
  • テスト注文で、選択内容が管理画面に載ることを確認したか
  • 繁忙期の出荷リードタイムを商品ページに明記したか

ギフト注文は通常注文より出荷に時間がかかります。母の日・お中元・お歳暮のような需要期は注文が一点に集中するため、 資材の在庫と、のし印刷の作業時間 を先に見積もってください。ここを甘く見ると、売れたぶんだけ遅延クレームが増えます。

配送日数や送料の設計とあわせて見直すなら、Shopifyの送料設定の考え方も参考にしてください。受注生産や予約販売でギフトを扱う場合は、Shopifyで受注販売・予約販売を設定する方法の考え方が近くなります。

Shopifyののしオプションに関するよくある質問

のしの選択肢を注文に持たせるだけなら、テーマのカート設定で注文メモを有効にして自由記述で受け取る、という最小構成は標準機能の範囲で可能です。ただし、内のし・外のしや表書きをプルダウンで選ばせ、商品ごとに値を持たせるにはテーマ編集かアプリが必要です。標準の管理画面には「のし」という概念そのものがありません。

二段階にするのが扱いやすいです。簡易ラッピングは無料、高級包装紙やリボンを使うものは有料(300〜500円程度)に分けます。無料だけにすると資材コストを回収できず、有料だけにすると選択率が下がります。のしは紙代が中心なので、無料に含めてしまうストアが多い印象です。

付けられません。Shopifyのギフトカードはコードをメールで届ける電子商品券で、物理的な発送物ではないためです。「商品券を贈答用に体裁を整えて渡したい」場合は、ギフトカード機能ではなく、台紙付きの商品として物販側で用意することになります。

50〜100文字程度が目安です。長すぎるとカードに収まらず印刷で調整が必要になり、短すぎると伝えたいことが書けません。入力欄に maxlength を付けて物理的に制限し、あわせて改行の扱い(そのまま印刷するのか詰めるのか)も社内で決めておくと、出荷時に迷いません。

のしは日本固有の贈答文化なので、海外向けには不要です。ラッピングとメッセージカードは国を問わず機能するので、越境ECではそちらを整えます。多言語での案内が必要なら、Shopifyの多言語対応の進め方を参照してください。

多くの場合、テーマのアプリブロックが有効になっていません。テーマエディタで対象セクション(カートや商品情報)にアプリブロックを追加し、保存する必要があります。この記事の「のし対応アプリを入れたあと、何を設定すればいい?」のSTEP1がそこです。テーマを乗り換えた直後も同じ理由で消えるので、テーマ変更後は必ずアプリブロックの追加とテスト注文をやり直してください。

2026年9月15日時点のApp Storeの表示では、Gift Options PlusのStarterプランが月額3.99ドルでもっとも安く、日本製に限ればシンプルのし(熨斗)アプリの月額6.99ドルです。ただし、のしの作法をどこまでアプリ側が持っているかは価格と比例しません。内のし・外のしの選択と表書きのカスタマイズをリスティングに明記しているのは、4本のうち電通デジタルの「ギフトラッピング&のし専用アプリ」(月額9.80ドル)だけでした。月額の差は年間で数十ドルなので、要件に合うかどうかを先に決めてから価格を見てください。

まとめ:のし対応は日本のストアだけが持てる差

Shopifyに標準のギフト対応機能がないことは、裏を返せば「入れているストアが限られる」ということです。とくにのしは、海外製のサービスが構造的に用意できない領域です。

  • Shopifyのギフトカード機能と、のし・ラッピング対応はまったく別物
  • のしの細かい指定まで扱うなら、日本製のギフトアプリが現実的な選択肢
  • 自作するならLine Item Property。カート属性では商品ごとの指定ができない
  • 配送前提のECでは内のしを初期値にし、表書きは5種類程度から始める
  • 明細表の金額表示は、公開前にテンプレートで確認しておく

まずは表書きの初期セットを5つ決めるところから始めてみてください。技術より先に、そこが決まらないと前に進まない部分です。

Shopifyストアの開設がまだの方は、こちらから始められます。

→ Shopifyでストアを始める

この記事はShopify予約アプリ「まるっと予約」の開発元であるPepinが執筆しています。

Shopifyギフトラッピング
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SHIN

この記事の執筆者

SHIN

Pepin代表、Webエンジニアとして10年以上の経歴を持ち、
Shopifyアプリ・ストア開発 / webサービス開発 / メディア運営などマルチに活動。

まずは、課題の共有から。

アプリの導入も、Shopifyそのものの相談も歓迎です。内容が固まっていなくても問題ありません。通常2営業日以内に返信します。