How to Increase Average Order Value by Adding Retail Products to Bookings on Shopify
書いた人 大島慎平
この記事には広告(PR)を含みます。

予約の客単価をアップしたいとき、最初に浮かぶのはメニューの値上げか、予約枠を増やすことだと思います。ただ、値上げは離れていく人が出ますし、枠は営業時間より増やせません。手が届きやすいのは、すでに来てくれる1回の来店に、もう1点だけ足すほうです。
この記事が扱うのは 予約に物販を足して客単価を上げる設計 だけです。次回の来店をその場で押さえる話は サロンの次回予約を、その場で取る仕組みの作り方、ジムでのプロテインやウェア販売は パーソナルジムのプロテイン販売、エステのホームケア商品は エステサロンのホームケア商品を通販で売る方法 にそれぞれ分けてあります。
- 客単価(AOV)
お客様1人あたり、1回の注文でいくら支払ったかを表す数字です。計算は「売上 ÷ 注文数」。Shopifyのストア分析にそのまま指標として並んでいるので、自分で集計する必要はありません。
出典:Shopify ヘルプセンター:Shopifyのストア分析
予約の客単価をアップするとは、具体的に何を足すこと?
足せるものは、突き詰めると3種類しかありません。順番に見ていきます。
- 01
その場で持ち帰るもの
施術やレッスンで実際に使った商品を、帰りぎわに買ってもらう形です。中身をすでに体験しているので説明が要りません。在庫を店に置ける業種ならいちばん手前にあります。 - 02
後日届くもの
店頭で在庫を持たず、注文だけ受けて発送する形です。サイズや色の在庫を抱えずに済み、来店していない家族の分までまとめて買ってもらえることがあります。 - 03
先にまとめて払ってもらうもの
回数券、サブスクリプション、ギフトカードです。物ではなく「次に来る権利」を先に売る形で、1回あたりの単価は下がっても、1回の注文金額は大きく動きます。
どれを選ぶかは、商品の性質というより「お客様が財布を開けている瞬間がどこにあるか」で決まります。予約の事前決済をしている店なら、決済の瞬間はすでに来店前に来ています。来店後に会計がある店なら、そこが山場です。自分の店の会計がどのタイミングにあるかを先に決めてから、施策を選んでください。
なぜ予約客に売るほうが簡単なのですか?
理由は3つあります。ひとつ目は、連絡先と来店日がすでに確定していること。広告を出してもう一度見つけてもらう必要がありません。ふたつ目は、商品を体験したあとに買うかどうかを決められること。ヘアオイルを実際に髪につけてもらってから売るのと、写真だけ見せて売るのとでは、必要な説明の量が違います。3つ目は、予約確認メールという、送る口実がもともとある接点を持っていることです。
その一方で、予約ビジネス側にしかない弱点もあります。
予約ビジネスが物販を足すときの条件
予約の客単価アップは、どの順番で作ればいい?
作業量が少なく、失敗しても戻しやすいものから並べます。上から順にやれば、途中で止めても形になります。
- 1
物販商品を登録して、予約と売り場を分ける
商品を3点だけ登録し、コレクションとナビゲーションを分けます - 2
予約商品ページに関連商品を出す
テーマエディタでセクションを1つ追加します - 3
通知メールに商品の導線を置く
注文確認メールのテンプレートに1ブロック足します - 4
会計の場でQRコードを渡す
在庫を持たずに、その場で注文してもらう形を作ります - 5
回数券・ギフトカードを用意する
先に払ってもらう商品を追加します
1. 物販商品を登録して、予約と売り場を分ける
最初にやることは商品の登録です。このとき、予約商品と物販商品で設定が変わります。予約枠は発送しないので「配送が必要な商品です」のチェックを外し、物販は在庫追跡をオンにします。Shopifyの在庫管理は、管理画面の在庫ページで数量の調整と履歴の確認ができます。
この設定を先にやっておくと、予約と商品を同じカートに入れて1回で決済できるようになります。予約枠が配送不要になっていれば、カートの中身が予約だけのときに送料が計算されることもありません。予約は予約サイト、商品は別のECサイト、と分かれている状態と比べると、お客様が入力する回数も、こちらが突き合わせる注文データも1本にまとまります。
登録したら、コレクションを2つ作ります。「予約メニュー」と「ショップ」です。ここを分けずに全商品を1つの一覧に並べると、予約を取りに来た人がシャンプーの写真をスクロールすることになります。ナビゲーションメニューも同じ粒度で分けておきます。
最初の商品は3点までに絞ってください。棚に並べたい商品をすべて登録すると、写真と説明文を書く作業だけで週末が終わります。実際に施術で使っていて、聞かれることが多いものから順に足していくほうが続きます。
2. 予約商品ページに関連商品を出す
予約商品のページに「関連商品」セクションを追加します。テーマエディタからセクションを足すだけなので、コードを触る必要はありません。テーマによってセクション名は変わりますが、商品ページのテンプレートに追加する手順は共通です。
出典:Shopify ヘルプセンター:Shopify テーマ
ここで表示する商品は2〜3点に絞ります。理由は単純で、予約ページの目的はあくまで予約を完了してもらうことだからです。商品が10点並んでいると、予約の途中で商品ページに移動して、カレンダーまで戻ってこない人が出ます。レコメンドのアプリを使う場合も、対象コレクションをスコープで限定して、関係のない商品が混ざらないようにしておきます。

3. 通知メールに商品の導線を置く
予約が入ったときに自動で飛ぶメールは、開かれる確率がいちばん高い接点です。注文の確認という用事があって届くメールなので、宣伝メールとは読まれ方が違います。Shopifyでは管理画面の通知ページから、お客様へ送られるメールのテンプレートを編集できます。
置くのは、予約したメニューに紐づく商品への短いリンク1本です。
| 予約メニュー | 添える商品 |
|---|---|
| カット+カラー | カラーケアシャンプー、トリートメント |
| ヘッドスパ | スカルプケアオイル |
| ヨガレッスン | ヨガマット、プロテイン |
| 料理教室 | レッスンで使う調味料セット |
メール本文の大半を商品の宣伝にしてしまうと、予約の確認という本来の用事が埋もれます。日時と場所を最初に置いて、商品は本文の下のほうに小さく添える構成にしてください。案内を増やしたくなったら、メールを分けるのではなく、マーケティングメールの配信同意を別に取るほうが筋が通ります。
4. 会計の場でQRコードを渡す
店頭に在庫を置かなくても物販は始められます。商品ページのURLをQRコードにして、会計のときに読み取ってもらう形です。注文はオンラインで入り、発送は後日でかまいません。この形なら、仕入れてから売れ残るリスクを負わずに、商品の反応を先に確かめられます。
QR導線を作るときに決めること
- どの商品ページに飛ばすか(1点か、コレクションか)
- 発送までの日数を商品ページに書いたか
- 送料をいくらにするか、いくらから無料にするか
- 次回来店時に店頭で渡す受け取り方法を用意するか
- スタッフが渡すときの一言を決めたか
店頭受け取りを用意しておくと、送料を理由に離脱する人を拾えます。次回の予約が入っているお客様なら、その日に渡せば送料も梱包も発生しません。
5. 回数券・ギフトカードを用意する
回数券は、Shopifyの商品として売るのがいちばん簡単です。5回分をまとめた商品を1つ作り、購入者にはディスカウントコードを発行して、次回以降の予約で使ってもらいます。ディスカウントは管理画面から作成でき、金額割引、定率割引、無料配送などを選べます。
自動で毎月決済する形にしたいなら、サブスクリプションのアプリを使います。Shopifyが提供している Shopify Subscriptions は無料で、週・月・年単位の自動請求と、お客様自身による一時停止やスキップに対応しています(2026年9月19日時点のApp Storeリスティングを確認)。
出典:Shopify App Store:Shopify Subscriptions
ギフトカードは、Shopifyの管理画面でストアのギフトカードを有効にすれば、商品として販売できます。購入者と利用者が別の人になるので、贈られた側が初めての来店になることがあります。包装やのしの対応は別の設定なので、贈り物の導線まで作るなら Shopifyのギフト対応(ラッピング)の作り方 も合わせて確認してください。
出典:Shopify ヘルプセンター:ギフトカードの作成と販売
回数券の割引率は、どうやって決めればいい?
「相場は10%引き」といった目安を探したくなりますが、ここは自分の数字で決めるところです。割引率は、次の3つを順に置けば出てきます。
- STEP 1
1回あたりの粗利を出す
単発料金から、材料費と決済手数料を引きます。人件費を自分の時給として入れるかどうかも、ここで決めておきます - STEP 2
何回分を束ねるか決める
回数が多いほど前受金は大きくなりますが、使い切るまでの期間も延びます。3か月以内に消化できる回数が現実的な上限です - STEP 3
割引後も粗利が残る率を探す
STEP 1の粗利を割引で食い潰さない範囲が、割引率の上限になります。上限が出たら、その手前で切りのいい数字に丸めます
回数券の価格は、お客様にとっては「まとめ買いの値引き」ですが、店側にとっては「先にお金を受け取って、あとからサービスを提供する約束」です。入金された時点ではまだ売上ではなく、預かっているお金に近い性質を持ちます。使われないまま残った分をどう扱うかは、税理士に確認しておくのが確実です。
ギフトカードや回数券は、資金決済法でいう「前払式支払手段」に当たることがあります。同法では、未使用の残高が基準額を超えて初めて届出の義務が生じる仕組みになっていて(第5条)、発行日から政令で定める期間内しか使えないものは章の適用から外れます(第4条第2号)。個人店の規模ですぐ関係する話ではありませんが、発行残高が積み上がってきたら専門家に確認してください。
物販を足すと、手続きは何が増えますか?
予約だけを受けていたときには不要だった手続きが、いくつか増えます。作り始める前に把握しておくと、後から慌てずに済みます。
確認しておく3点です。
- 通信販売の表示:インターネットで広告して注文を受ける取引は、特定商取引法の通信販売に当たります
- 消費税の区分:食品は軽減税率の対象で、施術やレッスンの提供とは税率が変わります
- 商品説明の表現:化粧品や健康食品は、書ける効能の範囲が法律で決まっています
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド:通信販売 / 国税庁:消費税の軽減税率制度
化粧品やホームケア商品の説明文をどこまで書けるかは、エステサロンのホームケア商品を通販で売る方法 にまとめてあります。判断に迷う表現が出てきたら、そちらを先に読んでください。最終的な判断は、弁護士や所管の窓口に確認するのが確実です。わたしは開発者であって、弁護士でも税理士でもありません。
効果はどこで測ればいい?
Shopifyの標準レポートだけで足ります。新しくツールを入れる必要はありません。
| 見る数字 | 置き場所 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 平均注文金額 | ストア分析のダッシュボード | 施策の前後で客単価が動いたか |
| 一緒に買われた商品 | ストア分析のレポート | どの予約メニューと何が並んでいるか |
| 商品別の販売数 | 商品別の売上レポート | 3点のうち、どれが実際に売れたか |
Shopifyのストア分析には、同じ注文で一緒に買われやすい商品を確認できるレポートがあります。予約メニューと並んで買われている商品が分かれば、関連商品セクションに出す2〜3点を入れ替える根拠になります。
出典:Shopify ヘルプセンター:Shopifyのストア分析
目標値は、他店の数字ではなく自分の数字から逆算します。たとえば客単価を500円上げたいなら、2,500円の商品を5人に1人が買えば届く計算です。この「5人に1人」が現実的かどうかは、実際に会計の場に立っている人がいちばん正確に判断できます。1か月試して届かなければ、商品を入れ替えるか、声をかける場所を変えるか、どちらかを動かします。
最初の30日は、平均注文金額と商品別の販売数だけを週1回見れば十分です。指標を増やすほど、どれが原因か分からなくなります。
よくある質問
ナビゲーションとコレクションを分けておけば、迷う人はほとんど出ません。「予約する」と「商品を買う」を別の入口にして、予約ページに出す商品は2〜3点に絞ります。逆に混乱が起きるのは、予約枠とシャンプーが同じ商品一覧に並んでいる状態です。
始められます。商品ページのQRコードを会計時に渡して、オンラインで注文してもらい、後日発送する形にすれば、店頭在庫はゼロで運用できます。売れ行きが見えてから仕入れに踏み切るほうが、在庫リスクを抱えずに済みます。
商品を3点登録して、予約ページに関連商品セクションを出すところまでです。テーマエディタの操作だけで終わり、追加費用もかかりません。ここで反応を見てから、通知メールや回数券に広げていくほうが、作り直しが少なくて済みます。
まるっと予約自体に回数券の機能はありません。Shopifyの商品として回数券を売り、ディスカウントコードを予約時に適用してもらう運用になります。まるっと予約のレビューは3件(★5.0)で、3件とも、わたしがお付き合いのある事業者様にお願いして投稿していただいたものです。Built for Shopify も取得していません(2026年10月6日時点)。実績の数で選ぶなら、他のアプリのほうが安心できる段階です。
Shopifyが提供している Shopify Subscriptions は無料で導入できます。別のアプリを使う場合は、月額料金に加えて売上に対する手数料がかかるものもあるので、App Storeの料金プランを開いて確認してください。
まとめ
- 予約の客単価をアップする手は、値上げと枠の追加を除くと、1回の来店に物販を1点足す方法に絞られます
- 足せるものは「その場で持ち帰る」「後日届く」「先に払ってもらう」の3種類。自分の店で会計が起きる瞬間に合わせて選びます
- 作る順番は、商品登録と売り場の分離 → 関連商品セクション → 通知メール → QR導線 → 回数券。上から順に作業量が増えます
- 物販を足すと、通信販売の表示、消費税の区分、商品説明の表現という3つの確認事項が増えます
- 効果はShopifyのストア分析で、平均注文金額と商品別の販売数だけを追えば足ります。目標値は他店ではなく自分の数字から逆算します
物販と予約を1つのストアで扱う全体像は Shopifyで物販と予約を同時に扱う一元管理の作り方 に、低コストで予約サイトを運営する方法は 個人サロンがShopifyで月額1万円台から予約サイトを運営する方法 にまとめています。
→ サロンのShopify予約サイト、本当に必要?開発者が答える7つの素朴な疑問
2026年9月19日時点の情報です。Shopifyアプリの料金はドル建てのため、円換算額は為替で変わります。税務・法務の最終的な判断は、税理士や弁護士にご確認ください。
Shopifyで予約と顧客管理をまとめるなら、まるっと予約の無料プランで予約枠を1つ作って確かめられます。有料プランは Starter が月額$19.99、Growth が$49.99、Pro が$99.99 で、いずれも7日間の無料体験が付きます(2026年9月19日時点)。

この記事の執筆者
大島慎平(SHIN)個人開発者 / ソロプレナー
日本のShopifyストア向けアプリ「まるっとシリーズ」を、AIのコーディングツールと一緒に1人で企画・開発・運営しています。書籍編集者からWebエンジニアに転じて約10年。YouTubeでは、1人で事業をつくる過程を話しています。

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