ハロウィンECで通常月の1.8倍売った雑貨ストアのリアルな打ち手
ケース: 北欧系インテリア雑貨を扱うShopifyストア(通常月商150万円)。「うちは仮装を売ってないからハロウィンは無関係」と2年間ノー施策で通過していたが、3年目に切り口を見直してハロウィン月の売上を通常月の1.8倍に伸ばした。オーナーさんから共有してもらった数字と打ち手を匿名化してまとめています。
「ハロウィン=仮装」の固定観念で、イベント需要を取りこぼしているストアは意外と多いです。わたしがShopifyアプリ開発者として話を聞いてきたあるインテリア雑貨ストアも、まさにそのパターンでした。
ただ、3年目に「仮装ではなくホームパーティー・ホームデコで取りに行く」と方針転換したところ、10月の売上が通常月の1.8倍まで跳ねました。ここで採られた打ち手は、コスメ・アパレル・食品・雑貨のどのジャンルでも転用可能な型です。
課題:2年間「ハロウィン無風」だった理由
そのストアが最初にぶつかっていた構造的な問題は以下のとおり。
| 指標 | 1〜2年目の10月 | 他の月の平均 |
|---|---|---|
| 月次売上 | 140万円 | 150万円 |
| セッション数 | 9,800 | 11,200 |
| CVR | 1.5% | 1.4% |
| 「ハロウィン」関連キーワード流入 | 12件/月 | - |
| 季節関連バナー・特集 | なし | - |
注目すべきは 10月が他月より微減 していること。一般的にはEC市場全体が10月末に向けて盛り上がる時期なのに、このストアだけ逆行していました。理由は明確で「ハロウィン文脈の入口を一切作っていなかった」から。
ハロウィンの取りこぼしが起きるストアの共通点は「仮装=メインコンテンツ」という思い込みです。実際には ホームパーティー需要・贈答需要・SNSフォトジェニック需要 が仮装市場と並んで大きく、非仮装ジャンルでも十分に参戦できる商圏があります。
打ち手:3年目に採った「ホームデコ特化」戦略
3年目の10月に向けて、オーナーさんが採った方針は明確でした。「仮装と正面衝突せず、ホームパーティーとホームデコに特化する」。
- ハロウィン特集ページなし
- 既存商品のタイトル・タグはすべて通年仕様
- SNSでの季節投稿もゼロ
- 10月のメール配信は通常の新商品案内1本
- 割引施策は通年ルール通り
結果: ハロウィン需要を完全スルー、10月売上は通常月より微減
- 9月10日からハロウィン特集ページを公開
- LEDキャンドル・ガーランド・テーブルクロスをハロウィン色味で再撮影
- 「ホームパーティー3点セット」を4,980円のバンドル販売
- Instagram週2本+Reel動画、ハッシュタグ「#うちハロウィン」設定
- 9/20〜9/30に早割10%クーポンを既存顧客に先行配信
結果: 10月売上270万円(1.8倍)、バンドル購入比率が41%
ポイントは 「既存商品の再パッケージング」だけで勝負している こと。新規仕入れはLEDキャンドル(1種類追加)とガーランド(2種類追加)の最小限。在庫リスクをほぼ取らずに、特集ページとバンドル設計でハロウィン文脈を作り出しました。
結果:通常月の1.8倍・バンドル比率41%
3年目に得られた数値のインパクトは以下のとおり。
10月の日別売上推移はこうなりました。
興味深いのは 「ピークが10月25日(ハロウィン本番の6日前)」 という点。パーティー準備の需要は当日ではなく1週間前に集中するため、 10月31日当日に向けてラストスパートするより、10月20日前後にピークを設計する方が理にかなっている ことが数字で見えました。
再現するには:6ステップで仮装なしの参戦を組む
このケースをコスメ・アパレル・食品・雑貨など「仮装を扱わないストア」が再現するための手順です。
- 1
自店の商品から「ハロウィン文脈に乗せられる候補」を抽出
既存商品ラインの中から、色味(オレンジ・黒・紫)、モチーフ(星・月・動物)、用途(ホームパーティー・夜の演出)に絡む候補を10〜20点ピックアップします。新規仕入れは原則せず、既存資源の再配置で勝負するのが低リスク戦略です。
- 2
9月10日までに特集ページ(コレクション)を公開
Shopifyのコレクション機能で「ハロウィン特集」を作成。タイトル・descriptionにハロウィン関連キーワードを含めて、SEO流入も狙います。 9月前半の公開が最重要 で、10月に入ってからでは出遅れます。
- 3
バンドル商品を3,000〜6,000円帯で設計
既存商品から相性の良い3点を組み合わせてバンドル化。価格は単品合計より500〜1,000円安く。「ホームパーティー3点セット」「夜のおうち時間セット」など、用途ベースのネーミングが響きます。Shopify Bundlesは公式無料アプリで、設定が簡単です。
- 4
SNS週2本+Reel動画を継続投稿
Instagramで「#うち○○」のオリジナルハッシュタグを作り、UGCを促す運用に。静止画よりReel動画の方が9〜10月のリーチが伸びやすい傾向があります。ストーリーズに特集ページのリンクステッカーを貼るのも鉄板。
- 5
9/20〜9/30に既存顧客向け早割クーポンを配信
Shopifyの自動ディスカウント機能で「9/20〜9/30限定:10%OFFクーポン」を設定。既存顧客のメール・LINE限定で配信します。新規に配らないのがポイントで、利益率を守りながら繁忙期への助走をつけます。
- 6
10月20日前後をピークに見立ててラインナップを厚くする
10月31日ではなく10月20日前後をピークと想定し、在庫・配送体制を組みます。発送リードタイムに余裕がある前提で購入されるので、平均客単価も高くなります。
注意点:ケースから学んだ3つの落とし穴
再現する前に、このオーナーさんが「次やるならここを変える」と話していた点を共有します。
新規仕入れは最小限にとどめる。 3年目でLEDキャンドルを1種類追加したが、在庫消化率が73%で止まり、11月以降の値引き処分で利益率を削りました。ハロウィン用の新商品を仕入れるなら、通年でも売れる色・デザインにしておくのが安全です。
早割クーポンは既存顧客限定に。 メール・LINE経由のクローズドな配信にとどめると、本来通常価格で買ってくれる層を安売りせずに済みます。広告経由の新規に同じクーポンを配ると、利益率が削れる一方で売上は伸びないという経験則です。
SNSキャンペーンで景品を出すなら景表法を確認。 「○名様にプレゼント」の場合、取引価額の20倍かつ10万円以内が基本ルール。実施前に条件を確認しておきましょう。
まとめ:ハロウィンは「仮装外ストア」のチャンス月
ハロウィンECで結果を出すのは、派手な仮装コンテンツを持つ大手ではなく、 既存商品をホームパーティー文脈に再配置できる中小ストア です。このケースのオーナーさんも、3年目に方針転換するまで「うちには関係ない」と2年間取りこぼしていました。
重要なのは「仮装の土俵に上がらないこと」。ホームパーティー、フォトジェニック、季節贈答の3つの軸で自店の商品を再解釈できれば、仮装なしでも10月を一番の売上月にできます。
今年のハロウィンに向けて、まず特集ページの設計から始めるなら、Shopifyの無料体験で自動ディスカウントとコレクション機能を触ってみるのが第一歩です。

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