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Shopify2026-09-1618分で読めます
Shopify見積書下書き注文

Shopifyで見積書を発行する3つの方法【2026】

Shopifyで見積書を発行する3つの方法【2026】
見積書のフォームに記入するイメージ

Shopifyには「見積書を作る」という名前の標準機能がありません。代わりに使えるのが 下書き注文 です。管理画面で金額を組み立てて請求書メールを送り、お客様が支払えばそのまま注文になります。ただし届くのはチェックアウトへのリンクであって、日本の商慣習でいう見積書のPDFではありません。つまりShopifyで見積書を出すときの選択肢は、下書き注文で済ませるか、帳票アプリでPDFを発行するか、お客様側から依頼を受けるRFQアプリを入れるかの3つです。この記事では、その使い分けと、見積書から注文・請求書へつなぐ流れを整理します。

わたし(SHIN)は、この記事の比較表に出てくる「まるっと請求書」を開発しているShopifyアプリ開発者です。自社アプリの話が出てくるので、先に断っておきます。他社アプリの料金・プラン名・機能は、2026年9月16日にApp Storeの各リスティング(日本語表示)を直接開いて、そこに書いてある内容だけを書きました。書かれていない軸は「確認できず」と記載しています。それは非対応という意味ではなく、リスティングに記載が見つからなかったという意味です。なお、まるっと請求書はレビュー1件・★5.0で、同じ表に並ぶS: Request a Quote, Hide Price(127件)のような実績はまだありません。

3方式
Shopifyで見積書を出す手段
下書き注文/帳票アプリ/見積依頼アプリ
$2.99〜
見積関連アプリの月額
2026年9月16日にApp Storeで確認した範囲
1年
下書き注文が自動削除されるまで
2025年4月1日以降に作成し、操作がない場合

Shopifyに見積書の標準機能はある?

結論から書くと、見積書という名前の機能はありません。近いのは下書き注文です。

Shopifyヘルプセンターは下書き注文について、お客様に代わって注文を作成できる機能だと説明しています。作った下書き注文に対しては、安全なチェックアウトリンクを含む請求書を送信する、クレジットカードを手入力で処理する、すでに入金済みなら支払い済みマークを付ける、の3つの方法で代金を受け取れます。そして「下書き注文の支払いが完了すると、その注文は【注文】ページで通常の注文になります」と書かれています。

出典:Shopifyヘルプセンター「下書き注文」

商談から受注までの流れをShopifyの中で完結させる、という意味では十分に機能します。ディスカウント、追加料金、交渉済みの卸売価格といったカスタム価格も設定できるので、「この条件ならいくらになります」を提示する用途は満たせます。

足りないのは書類としての体裁です。下書き注文から送られるのは請求書メールで、件名・宛名・有効期限・発行者の押印といった、日本の法人取引で当たり前に求められる見積書の要素は入りません。相手の経理や購買が「見積書を紙かPDFで出してください」と言ってくる場面では、これだけでは通りません。

下書き注文を見積書として送っていい?

社内稟議に回さない相手であれば、実務上はこれで足ります。見積金額を提示して、納得したらそのリンクから支払ってもらう、という流れはむしろ速いです。

一方で、相見積もりを取る購買部門や、稟議書に添付する必要がある相手には向きません。判断の分かれ目は金額の大小ではなく、 相手が社内で書類を回すかどうか です。回すなら、書式の整った見積書PDFが要ります。

下書き注文で足りるケース
Shopifyだけで完結します。
個人事業主・小規模法人が相手 / その場で発注が決まる / 支払いをリンクで済ませたい / 書類の保管は先方任せでよい
見積書PDFが要るケース
アプリが必要になります。
購買部門が相見積もりを取る / 稟議書に添付される / 有効期限と件名の記載を求められる / 社印・電子印の入った書式が指定される

Shopifyで見積書を出す3つの方式はどう使い分ける?

方式を分けるのは料金ではなく「誰が見積を起こすか」です。ストア側が起こすのか、お客様側が依頼してくるのか。ここを取り違えると、入れたアプリが使われないまま月額だけ払うことになります。

3つの方式から選ぶイメージ
方式起点出てくるもの向いているストア
①下書き注文(標準)ストアチェックアウトリンク付き請求書商談がメール・電話で完結する
②帳票アプリで見積書発行ストア見積書のPDF法人取引があり書式を求められる
③見積依頼(RFQ)アプリお客様依頼フォームの送信内容と返信見積価格非公開・大口注文の問い合わせが多い
①下書き注文

追加コストゼロ。管理画面だけで完結します。書類の体裁は望めません。

②帳票アプリ

月額$9前後から。見積書・請求書・納品書・領収書を同じ書式で揃えられます。

③RFQアプリ

月額$2.99から。価格を隠して問い合わせを受ける、B2B寄りの導線を作れます。

②と③は排他ではありません。お客様からの依頼を③で受けて、返す見積書を②で出す、という組み合わせもあります。ただしアプリを2本入れると書式と番号体系が分かれるので、まずはどちらか一方で回してみることをおすすめします。

方式①:下書き注文で見積を出す手順は?

Shopifyヘルプセンターに書かれている手順どおりに進めます。管理画面の日本語表記をそのまま使います。

  1. 1

    【注文】から【下書き】に移動する

    管理画面の注文メニューに下書きの一覧があります。ここが見積の置き場になります。
  2. 2

    【注文を作成】をクリックする

    新しい下書き注文が作られます。ここから中身を組み立てます。
  3. 3

    商品とカスタムアイテムを追加する

    商品カタログにない項目も、カスタムアイテムとして名前と金額を直接入力できます。作業費や型代のように商品登録していない費目は、ここで足します。
  4. 4

    ディスカウント・配送・税金を調整する

    ディスカウントコードのほか、金額や率を直接指定するカスタム割引が使えます。配送料もプリセットとカスタムの両方から選べます。
  5. 5

    お客様を追加し、タグとメモを付ける

    後から探せるよう、案件名などをタグに入れておくと管理が楽になります。
  6. 6

    保存するか、請求書を送信する

    保存だけしておけば見積の控えとして残ります。先方に金額を見せるなら請求書を送信します。

出典:Shopifyヘルプセンター「下書き注文の作成」

請求書を送信すると、チェックアウトページへのリンクが入ったメールが届きます。送信ダイアログでは請求書に記載するメッセージを入力でき、商品価格を固定するか、お客様側でディスカウントコードを使えるようにするかも選べます。お客様がそのリンクからチェックアウトを完了すると、下書き注文は注文に変わり、自動的に支払い済みとしてマークされます。

出典:Shopifyヘルプセンター「下書き注文の請求書を送信する」

銀行振込など、Shopifyの外で入金を受け取る場合は、下書き注文の支払いを回収するメニューから支払い済みとしてマークするを選びます。カード情報を電話で預かって手入力する運用にも対応しています。

出典:Shopifyヘルプセンター「下書き注文の支払いを回収する」

下書き注文を見積管理に使うときの落とし穴は?

2つあります。どちらもヘルプに書いてあるのに見落とされがちです。

  1. 01

    1年で自動的に消える

    2025年4月1日以降に作成された下書き注文は、1年間操作がないと自動削除されます。過去の見積を履歴として残しておきたい場合、Shopifyの中だけに置いておくのは危険です。
  2. 02

    在庫の確保には有効期限がある

    下書き注文では在庫を確保して他のお客様に買われないようにでき、その予約には有効期限を設定できます。裏を返すと、期限を過ぎれば在庫は解放されます。見積書の有効期限と在庫確保の期限を揃えておかないと、受注した瞬間に在庫がないという事故が起きます。

もうひとつ知っておくと便利なのが複製です。既存の注文や下書き注文を複製すると、商品情報と顧客データを引き継いだ新しい下書きが作られます。ディスカウントと配送は引き継がれません。再見積や条件違いの複数案を出すときに使えます。

出典:Shopifyヘルプセンター「下書き注文の作成」

方式②:見積書のPDFを発行するアプリは何が違う?

帳票アプリの中には、請求書・納品書・領収書に加えて見積書まで出せるものがあります。日本製アプリのほうが対応している印象があり、実際に確認できた範囲でもそうでした。

Cyber Creation Serviceの日本語アプリです。スタンダードプラン月額$9の1プランで、14日間の無料体験が付きます。特徴は発行の主体で、お客様自身がカート画面から見積書をPDFで出力できます。宛名(会社名・氏名)、件名、住所、クーポンコードの入力設定ができ、ショップ情報・ロゴ・電子印鑑・定型文をカスタマイズできます。見積履歴ページから再発行やチェックアウトができ、管理画面でも出力された見積書の履歴を一覧で確認できます。B2B取引にも対応し、会社ごとの価格設定で見積書を生成できると書かれています。レビューは2件・★5.0です。

出典:Easy Quote|カート画面から見積書作成(Shopify App Store)

出典:Mixlogue Quick Order Printer(Shopify App Store)

出典:まるっと請求書|インボイス・B2B(Shopify App Store)

3本を並べて見えてくるのは、同じ「見積書が出せる」でも起点が違うということです。Easy Quoteはお客様がカートから自分で出す方式で、問い合わせを待たずに見積書が手に入ります。Quick Order Printerとまるっと請求書は管理者が注文データから起こす方式で、金額を詰めてから出します。前者は依頼対応の工数がゼロになり、後者は金額のコントロールが効きます。

方式③:お客様が見積依頼を送るフォームはどう作る?

価格を伏せて問い合わせを受けたい、数量によって単価を変えたい、というB2B寄りの要件では、RFQ(Request for Quote)アプリを使います。商品ページやカートページに「見積もりを依頼」ボタンを置いて、送信された内容をストア側で価格付けして返す流れです。

見積依頼を受けて商談する様子

仕組みとして興味深いのは、多くのRFQアプリが返信先に下書き注文を使っている点です。InstantQuoteのリスティングには「見積もりは下書き注文として作成され、アプリの管理画面に一覧表示されます。ストア管理者は見積もりを確認し、定額または定率のディスカウントを適用して、お客様に支払い用の請求書を送信できます。お客様には、送信した見積もりに対する支払いリンクが届きます。支払いが完了すると、見積もりは注文に変換されます」と書かれています。方式③は方式①の入口をお客様側に開いたもの、と考えると理解しやすいはずです。

出典:InstantQuote(Shopify App Store)

Storeifyのアプリで、レビュー127件・★5.0とこの分野では実績があります。無料プランで見積もりリクエスト、提出内容の管理、フォームとメールのカスタマイズが使えます。STARTUP(月額$12.99)で見積もりを下書き注文に変換、価格や「カートに追加」の非表示、CSVエクスポートに対応。PRO(月額$24.99)で見積もりの自動承認と下書き注文の自動作成、PDF化。ADVANCED(月額$36.99)で見積もりの有効期限とリマインダーメール、ディスカウントの適用、送料の追加、言語・国・顧客タグ別のフォーム表示が使えます。日本語には翻訳されていません。

出典:S: Request a Quote, Hide Price(Shopify App Store)

出典:YouQuote: Request a Quote Form(Shopify App Store)

RFQアプリはいずれも日本語に翻訳されていません。管理画面が英語になるだけでなく、お客様に見えるフォームの初期文言も英語です。文言を書き換えられるアプリが大半ですが、翻訳作業は自分で行う前提になります。導入前に、デモかトライアルでフォームの日本語化がどこまでできるかを確かめてください。

Shopifyの見積書アプリはどう比べればいい?

方式が違うものを同じ表に並べても意味がないので、「方式」の列を先に置きます。2026年9月16日にApp Storeの日本語表示で確認できた範囲です。料金も機能も変わるので、候補を絞ったら必ずリンク先の最新表示を見てください。

アプリ方式料金(月額)見積→注文の変換有効期限日本語
Easy Quote発行(顧客)$9見積履歴からチェックアウト確認できず対応
Quick Order Printer発行(管理)$9確認できず確認できず対応
まるっと請求書 Pro発行(管理)$19.99確認できず確認できず対応
InstantQuote依頼$2.99下書き注文として作成確認できず非対応
S: Request a Quote依頼無料/$12.99〜36.99STARTUPで下書き注文に変換ADVANCEDで期限設定可非対応
YouQuote依頼無料/$14.99・29.99Premiumで下書き注文作成確認できず非対応

「確認できず」は非対応という意味ではありません。App Storeのリスティングにその記載が見つからなかった、というだけです。とくに見積書の有効期限は、対応していても訴求ポイントとして書かれないことがあります。候補を2本に絞ったら、この列は開発元に直接聞いてください。

表を横に見ると、日本語対応しているのは発行系の3本、有効期限が明記されているのは依頼系の1本だけ、という偏りが出ています。日本語の書式で見積書を出したいなら発行系、価格非公開の導線と自動化を優先するなら依頼系、という分かれ方です。両方ほしい場合は、依頼系で受けて発行系で返す構成になります。

法人向けの見積書に書くべき項目は?

まず前提として、見積書の様式を定めた法律はありません。請求書や領収書のような法定記載事項も存在しません。以下は日本の法人取引で求められることが多い項目で、法的義務ではなく商慣習です。

  • 発行日 — 有効期限の起算点になります
  • 見積番号 — 再見積との取り違えを防ぎます
  • 宛名 — 会社名と部署名。敬称は御中か様かを揃えます
  • 件名 — 稟議書に転記されるので、案件名をそのまま書きます
  • 有効期限 — 原材料費や為替で単価が動くなら短めに
  • 明細 — 品名・数量・単価・金額。カスタムアイテムもここに並べます
  • 税率ごとの小計と消費税額 — 軽減税率が混ざるなら必須です
  • 備考 — 納期、送料の扱い、支払条件、別途費用の有無
見積書の有効期限

その金額で受注に応じる期間のこと。法律上の定めはなく、発行側が決めます。期限を過ぎた見積書で発注が来た場合、原則として再見積を出せます。逆に期限を書かない見積書は、いつまでも有効だと解釈される余地を残します。

実務で効くのは備考欄です。「送料は別途」「納期は受注確定後◯営業日」「原材料価格の変動により再見積の可能性あり」の3行を定型で入れておくだけで、後から揉める場面が減ります。帳票アプリを選ぶときは、備考欄に定型文を保存できるかを見ておくと運用が楽になります。

見積書に登録番号(インボイス)は必要?

不要です。見積書は適格請求書(インボイス)ではありません。

国税庁は、インボイスは「売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるもの」であり、請求書に限らず、所定の事項が記載された書類であれば領収書や納品書など書類の名称を問わずインボイスになる、と説明しています。名称を問わないのなら見積書でもよさそうに読めますが、記載事項に「取引年月日」が含まれている点が効いてきます。取引前に出す見積書には、書くべき取引年月日がまだありません。

出典:国税庁「インボイス制度について」

つまり見積書は、あくまで取引前の金額提示です。インボイスとして機能するのは、取引が成立したあとに出す請求書・納品書・領収書のほうです。この関係を整理したのがShopifyのインボイス制度対応Shopifyで領収書を発行する方法です。

とはいえ、見積書に登録番号を入れてはいけないわけでもありません。相手の経理が「この取引先はインボイス発行事業者か」を見積段階で確認したがることはあるので、発行者情報の並びに書いておくと親切です。

見積書は税込と税抜のどちらで出す?

相手が法人なら税抜でも問題ありません。総額表示義務は、消費者向けの価格表示が対象だからです。

国税庁は総額表示義務について「事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合に、消費税額(地方消費税額を含む。)を含めた価格(税込価格)を表示することを義務付けるもの」と説明しています。対象は消費者に対する表示なので、法人あての見積書はここには当たりません。

出典:国税庁「No.6902 「総額表示」の義務付け」

一方、個人のお客様に見積書を出す場面では、税込の総額を大きく見せるほうが親切です。どちらにしても、税率ごとの小計と消費税額を分けて書いておけば、そのまま請求書に引き継げます。ここでの書き方が揃っていないと、請求段階で金額が合わなくなります。消費税の設定そのものはShopifyで消費税の設定を正しく行う方法にまとめています。

見積書から請求書までの流れはどうつなぐ?

見積書は単体で完結しません。受注したあとに、同じ数字が注文・請求書・納品書へ流れていきます。ここが分断されると、金額の転記ミスと番号の不整合が起きます。

  1. 1

    見積書を出す

    アプリで見積書を発行するか、下書き注文を作って金額を提示します。この時点では在庫も売上も動きません。
  2. 2

    下書き注文に落とす

    受注が決まったら、見積の内容を下書き注文に反映します。RFQアプリを使っていれば、この変換は自動で行われます。在庫を確保するなら、ここで予約と有効期限を設定します。
  3. 3

    請求書を送信して入金を受ける

    チェックアウトリンク付きの請求書を送るか、振込を受けて支払い済みとしてマークします。支払いが完了した時点で、下書き注文は通常の注文になります。
  4. 4

    帳票を発行する

    注文になったあと、請求書・納品書・領収書を発行します。ここで初めてインボイスの記載事項が問題になります。

見積書と請求書を別のツールで作ると、書式も番号体系も分かれます。見積書はExcel、請求書はアプリ、という運用は珍しくありませんが、先方から見ると別の会社の書類のように見えます。同じアプリで両方出せるなら、それだけで揃います。アプリの選び方はShopifyの請求書・帳票アプリはどう選ぶ?に5つの軸でまとめました。

この流れの後半、つまり「請求書」と呼ばれているものがShopifyでは何種類もあって紛らわしいところは、Shopifyの請求書は3種類で整理しています。下書き注文から送る請求書メール、帳票として発行する請求書、Shopify自身への利用料の請求書は、それぞれ別物です。

なお、Shopifyの標準B2B機能でも下書き注文は使えます。ヘルプセンターのB2Bのページには、B2Bのお客様を会社として設定したうえで、カタログと価格設定をカスタマイズできること、下書き注文が利用できる機能として挙がっていることが書かれています。会社ごとの価格を持たせてから見積を起こす運用なら、アプリを入れる前にここを確認する価値があります。卸売の価格設定や掛け払いまで含めた全体像はShopifyのB2Bで卸売を始める方法にまとめています。

出典:Shopifyヘルプセンター「B2B」

見積書を電子で送るとき、保存と印紙税はどうなる?

2つとも、紙のときとは扱いが変わります。

見積書をメールで送ったら保存義務はある?

あります。国税庁は電子取引について、取引情報とは「取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項」だと定義しています。 見積書は名指しで含まれています。 そしてその授受を電磁的方式で行う取引には、EDI取引のほか、インターネット等による取引、電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む)、インターネット上のサイトを通じて取引情報を授受する取引が含まれるとされています。

出典:国税庁「電子帳簿保存法の概要」

見積書のPDFをメールに添付して送れば、それは電子取引です。お客様がマイページから見積書をダウンロードする方式でも同じです。送りっぱなしにせず、発行側にも控えが残る仕組みにしておいてください。ここで効いてくるのが、さきほどの「下書き注文は1年で自動削除される」という仕様です。下書き注文だけを見積の控えにしていると、保存しているつもりで消えています。

メリット
アプリで発行するメリット

発行済みの見積書が一覧で残り、日付や取引先で探せます。PDFの再ダウンロードもできるので、控えの保存を運用でカバーしなくて済みます。書式が固定されるため、担当者が変わっても書類の見た目が変わりません。

デメリット
下書き注文だけで回すデメリット

1年操作がないと自動削除されるため、長期の案件や失注案件の記録が消えます。PDFとしての見積書も残らないので、後から「あのとき何円で出したか」を証跡として示しにくくなります。

見積書や注文請書に収入印紙は必要?

見積書のあとに書面で注文請書を出す場合は、注意が必要です。

国税庁は、請負についての契約書は印紙税額一覧表の第2号文書「請負に関する契約書」に該当するとしており、具体例として工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書などを挙げています。税額は契約金額に応じて決まり、1万円未満は非課税、1万円以上100万円以下は200円です。物販だけなら関係しませんが、加工やオーダーメイドを請け負うストアでは当たります。

出典:国税庁「No.7102 請負に関する契約書」

そのうえで、電子で送れば課税されません。国税庁の質疑応答事例は、書面で注文請書を作成することに代えて取引情報を記録した電磁的記録を電子メールで送信した場合について、「印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません」として、印紙税は課税されないと回答しています。

出典:国税庁「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」

電子で送ったあとに、同じ内容を紙で出し直すと課税関係が変わります。「PDFで送ったうえで、原本も郵送してください」と言われたときが分かれ目です。電子で完結させる方針なら、先方にもその旨を先に伝えておいてください。

値引き・複数案・再見積はどう管理する?

見積は1回で決まりません。実際には、条件を変えた案を並べたり、交渉のあとに出し直したりします。

  1. 01

    値引きは行ではなく総額で見せる

    下書き注文では、ディスカウントコードのほかに金額や率を直接指定するカスタム割引が使えます。明細の単価を直接下げると「元の価格はいくらだったのか」が残らないので、定価を並べたうえで値引き行を立てるほうが、先方の稟議でも通りやすくなります。
  2. 02

    複数案は複製で作る

    下書き注文は複製できます。A案を作ってから複製し、数量や仕様だけ変えてB案にすれば、明細の書き間違いが起きません。ディスカウントと配送は複製されないので、そこだけ入れ直します。
  3. 03

    再見積は番号を変えて残す

    同じ見積書を上書きすると、どの金額で合意したかが分からなくなります。旧番号の見積書は残したまま、新しい番号で出し直してください。帳票アプリなら発行履歴がそのまま証跡になります。

送料の扱いも決めておいてください。見積段階で確定できないなら「送料別途」と書き、確定してから請求書に載せます。見積書に含めた送料と、実際の配送料が違うと、請求段階で説明が必要になります。

Shopifyで見積書を出すなら、結局どれを選ぶ?

判断の順序はシンプルです。

  1. 1

    書類としての見積書を求められるか

    求められないなら下書き注文で足ります。アプリは要りません。
  2. 2

    見積を起こすのはどちらか

    お客様から依頼が来る形にしたいならRFQアプリ、こちらから出すなら帳票アプリです。
  3. 3

    請求書を何で出しているか

    すでに帳票アプリを使っているなら、そのアプリで見積書まで出せるかを先に確認します。同じ書式で揃うほうが、月額を1本節約するより価値があります。
  4. 4

    日本語の書式が必要か

    必要なら発行系の日本製アプリ、英語のフォームを翻訳して使えるなら依頼系も候補に入ります。

まるっと請求書で見積書を出す場合の位置づけも書いておきます。

Free

無料

請求書だけ試したい方向け

月間の請求書発行は5件まで、請求書のみです。見積書は含まれません。インボイス制度の法定6項目に対応し、発行前プレビューと備考欄が使えます。クレジットカードの登録は不要です。

Basic

$9.99 /月

請求書・納品書・領収書まで

枚数無制限で請求書・納品書・領収書を発行できます。発行済み帳票の検索、帳票一覧のCSV出力、税額差異の調整、お客様による領収書セルフ発行、支払い完了時の自動発行、ロゴ・印影・カスタムフォントの帳票カスタマイズに対応します。見積書はこのプランには含まれません。

おすすめ

Pro

$19.99 /月

見積書を出すならこのプラン

Basicの全機能に加えて、ストアでの見積書作成・管理に対応します。さらに一括PDF発行(1回最大50件)、ヤマト・佐川などの配送伝票CSVと発送準備セット、会計ソフト向け仕訳CSV連携、BtoB向けの月末締め合算請求書(店舗別小計対応)、取引先の登録・管理、Shopify B2Bの会社との連携が使えます。7日間の無料体験付きです。

出典:まるっと請求書|インボイス・B2B(Shopify App Store)

見積書だけが目的なら、月額$9のEasy QuoteやQuick Order Printerのほうが安く済みます。まるっと請求書のProが向いているのは、見積書から請求書・納品書・領収書までを同じ書式で通したい場合と、月末締めの合算請求が必要なBtoBストアです。逆に言えば、見積書だけ出せればいいストアにProは過剰です。

よくある質問

見積書という名前の機能はありません。代わりになるのが下書き注文です。管理画面の【注文】から【下書き】に移動し、【注文を作成】で金額を組み立てます。お客様にはチェックアウトリンク付きの請求書メールとして届き、支払いが完了すると通常の注文に変わります。書類としての見積書PDFが必要な場合は、帳票アプリを追加してください。

相手がその場で発注を決められる場合は問題ありません。届くのはチェックアウトへのリンクなので、そのまま決済まで進めます。一方、稟議書に添付したり相見積もりに出したりする相手には向きません。件名・宛名・有効期限といった見積書の体裁が付かないためです。書類を社内で回す相手かどうかで判断してください。

できます。Easy Quoteは、お客様自身がカート画面から見積書をPDFで出力できるアプリです。宛名・件名・住所・クーポンコードの入力設定ができ、見積履歴ページから再発行やチェックアウトも行えます。月額$9で14日間の無料体験が付きます。価格を伏せたうえで依頼だけ受けたい場合は、S: Request a QuoteやYouQuoteのようなRFQアプリが候補になります。

必要ありません。見積書は取引前の金額提示であり、適格請求書ではないためです。国税庁が示すインボイスの記載事項には取引年月日が含まれますが、見積書の段階ではその日付が確定していません。ただし、相手の経理が取引開始前にインボイス発行事業者かどうかを確認したがることはあるので、発行者情報の並びに書いておくと親切です。

法律上の定めはなく、発行側が決めます。原材料費や為替で単価が動く商材なら短め、在庫品なら長めが一般的です。Shopifyで在庫を確保する場合は、その予約の有効期限と見積書の有効期限を揃えてください。ずれていると、受注した瞬間に在庫が解放されていた、という事故が起きます。期限を書かない見積書は、いつまでも有効だと解釈される余地を残すので避けたほうが安全です。

アプリによります。RFQアプリの多くは見積を下書き注文に変換でき、そこから請求書を送信して注文に変えられます。InstantQuoteは見積もりを下書き注文として作成し、ディスカウントを適用して支払い用の請求書を送信できると記載しています。S: Request a QuoteはSTARTUPプランで見積もりを下書き注文に変換、PROプランで自動作成に対応します。帳票アプリ側で見積書と請求書を両方出す場合は、同じ注文から別の帳票として発行する形になります。

法人あてなら税抜でも構いません。総額表示義務は、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合が対象だからです。個人のお客様あてなら税込の総額を見せるほうが親切です。どちらの場合でも、税率ごとの小計と消費税額を分けて書いておくと、そのまま請求書に引き継げます。軽減税率の対象商品が混ざるストアはとくに分けておいてください。

保存が必要です。国税庁は電子取引の取引情報の定義に見積書を名指しで含めており、電子メールでの授受(添付ファイルによる場合を含む)やサイトを通じた授受も電子取引に当たるとしています。PDFを添付して送っても、マイページからダウンロードしてもらっても同じです。下書き注文だけを控えにしていると、2025年4月1日以降に作成したものは1年間操作がないと自動削除されるため、記録が消えます。

紙で注文請書を出す場合は必要になることがあります。国税庁は、請負に関する契約書を第2号文書とし、工事注文請書や物品加工注文請書を具体例に挙げています。税額は1万円未満が非課税、1万円以上100万円以下が200円です。ただし電子で送る場合は、質疑応答事例が「印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません」としており、課税されません。物販のみのストアであれば、通常は関係しません。

今回確認した3本(S: Request a Quote、YouQuote、InstantQuote)は、いずれもApp Storeのリスティングに「このアプリは日本語に翻訳されていません」と記載されています。管理画面が英語になるだけでなく、お客様に見えるフォームの初期文言も英語です。文言の書き換えに対応しているアプリが多いので、トライアルで日本語化の範囲を確かめてから決めてください。日本語の書式で見積書を出すことが目的なら、発行系の日本製アプリのほうが早いです。

まとめ

Shopifyで見積書を出す方法は3つあり、選ぶ基準は料金ではありません。

  • 書類が要らないなら下書き注文だけで完結する。追加コストはゼロ
  • 書式の整ったPDFが要るなら帳票アプリ。日本語対応は発行系が厚い
  • お客様側から依頼を受けたいならRFQアプリ。ただし日本語化は自分で行う
  • 見積書は適格請求書ではない。登録番号は必須ではない
  • メールで送った見積書は電子取引。控えを残す仕組みを先に決める

見積書を出すたびに書式を作り直している、あるいはExcelとShopifyで数字を二重入力している、という状態なら、月額$9から解決できます。まずは下書き注文で1件作ってみて、それで足りないと感じた部分がアプリを選ぶ条件になります。

→ まるっと請求書をApp Storeで見る

この記事はShopify予約アプリ「まるっと予約」の開発元であるPepinが執筆しています。

Shopify見積書下書き注文まるっと請求書
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SHIN

この記事の執筆者

SHIN

Pepin代表、Webエンジニアとして10年以上の経歴を持ち、
Shopifyアプリ・ストア開発 / webサービス開発 / メディア運営などマルチに活動。

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