STORES予約からShopify+まるっと予約へ移行する手順

STORES予約からShopifyへの移行で最初に手を付けるべきは、データの退避です。STORES予約の公式料金表では「予約・顧客情報のCSVダウンロード」が月額28,600円のビジネスプラン以上の機能として記載されており、スモールやチームのまま解約すると、手元に何も残らない可能性があります。ここを押さえたうえで、Shopifyストアの開設、まるっと予約での予約メニュー再構築、1〜2週間の並行運用という順に進めるのが安全な移行手順です。
この記事では、STORES予約からShopify+まるっと予約に乗り換えるときの判断材料と、実際の作業手順、そして「引き継げるもの・引き継げないもの」の線引きを、公式情報で確認できた範囲だけでまとめました。
わたし(SHIN)はこの記事で移行先として扱っている「まるっと予約」の開発者です。料金や機能の仕様は変わるので、この記事の数値は2026年9月12日にSTORESとShopifyの公式ページ・App Storeリスティングで確認したものです。弱点も先に書きます。まるっと予約はApp Storeのレビュー0件・Built for Shopifyバッジも未取得(2026年9月15日確認)で、STORES予約のような国内での運用実績はまだありません。本文にも書いたとおり、回数券の残高管理機能も現時点ではありません。
STORES予約・RESERVA・Shopifyの料金や機能をまとめて比べたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
STORES予約から移行すべきかは、どう判断する?
先にお伝えしておくと、STORES予約は完成度の高い予約システムです。「Shopifyのほうが優れているから乗り換えましょう」という話ではありません。判断の軸は3つだけです。
- 01
物販を同じサイトでやりたいか
予約だけで完結する事業なら、予約専用サービスのほうが素直です。ホームケア商品・教材・物販を予約と同じ顧客基盤で扱いたいなら、ECが本体のShopifyに寄せる意味が出てきます。
- 02
月の予約件数と月額固定費のバランス
STORES予約は月間予約件数の上限でプランが決まります。件数が上限に張り付いているのに機能はフリー相当で足りている、という状態がいちばんもったいないパターンです。
- 03
デザインとページ構成を自分で触りたいか
テンプレートの範囲で十分なら移行の手間に見合いません。ブランドサイトとして作り込みたい、ブログやLPも同じドメインで運用したい、という要望があるならShopify側に分があります。
この3つのうち2つ以上に「はい」がつかないなら、移行の手間のほうが大きくなります。わたしはまるっと予約を作っている側の人間ですが、それでも「今のままで足りているなら動かないほうがいい」と思っています。
STORES予約のデメリットは何?料金表から読み取れること
「stores予約 デメリット」で情報を探している方に向けて、公式の料金表から客観的に読み取れる制約を並べます。使い勝手の悪さではなく、あくまで仕様の話です。
予約件数がプランの主軸になっている
STORES予約のプランは、月間の予約受付件数で区切られています。
| プラン | 月額(年間契約) | 月額(月々払い) | 月間予約件数 |
|---|---|---|---|
| フリー | 0円 | 0円 | 50件 |
| スモール | 9,790円 | 12,980円 | 200件 |
| チーム | 19,690円 | 22,880円 | 300件 |
| ビジネス | 28,600円 | 31,790円 | 2,000件 |
| エンタープライズ | 66,000円 | 77,000円 | 5,000件 |
上限を超える場合は、50件ごとに1,078円(税込)の予約手数料を追加して受付枠を増やす形になります。
出典:STORES 予約 利用料金・プラン(2026年9月12日閲覧)
引っかかりやすいのが、スモールとチームの間です。月200件を超えたタイミングで月額がほぼ倍になります。予約単価が低い教室やレッスン業だと、件数だけが先に伸びて固定費が跳ねる、ということが起こります。
CSVダウンロードがビジネスプラン以上の機能
移行を考えるうえで、いちばん重要な制約はここです。公式の料金表では「予約・顧客情報のCSVダウンロード」がビジネスプラン以上の機能として記載されています。
出典:STORES 予約 利用料金・プラン、STORES 予約 機能・特徴(2026年9月12日閲覧)
つまり、スモールやチームで運用してきた方が「解約するからデータを落としておこう」と思っても、料金表どおりならその機能に手が届きません。ここは移行計画の前提が変わる部分なので、ご自身の管理画面で実際に使えるかどうかを必ず確認してください。使えない場合、解約前に一時的にビジネスプランへ上げてダウンロードするか、手作業で控えを取るかの二択になります。
プランごとの機能提供範囲は改定されることがあります。「ダウンロードできるはず」で解約日を決めず、必ず管理画面で実際にCSVが落とせることを確認してから解約の段取りを組んでください。
物販は別サービスになる
STORES予約は予約に特化したサービスです。商品を売るならSTORESのネットショップ側を併用することになり、予約の顧客と購入の顧客が別々の管理画面に分かれます。ここを一枚にしたいかどうかが、Shopifyを検討する最大の理由になります。
もっとも、これらは「欠点」というより設計思想です。予約業務だけを軽く回すことに最適化されているからこそ、フリープランでも月50件まで受け付けられます。
決済手数料はShopifyに移行すると本当に下がる?
ここはよく誤解されるところなので、正直に書きます。 決済手数料だけを見ると、必ずしもShopifyのほうが安いとは限りません。
STORES予約の事前決済手数料は、公式ページの表記で「5.2%〜」(フリープラン)、「3.3%〜」(スタンダードプラン加入時)です。いずれも中小特別料率が適用された場合の数値として記載されています。
一方、Shopifyペイメントの日本のオンラインカード手数料は、ベーシックが3.55%、グロウが3.4%、アドバンスが3.25%で、いずれも追加の取引手数料は0円です。
| 比較軸 | STORES予約 | Shopify |
|---|---|---|
| 決済手数料 | 5.2%〜(スタンダード加入時 3.3%〜) | 3.55%(ベーシック)/3.4%(グロウ) |
| 月額(最小の有料構成) | 9,790円(スモール・年間契約) | 3,650円(ベーシック・年払い)+アプリ費用 |
| 予約件数上限 | プランごとに50〜5,000件 | まるっと予約 Growth 以上で無制限 |
出典:Shopify 料金プラン(2026年9月12日閲覧)
読み取れるのはこういうことです。STORESのスタンダードプランに入っている方なら、決済手数料はShopifyベーシックよりむしろ低い水準になります。手数料の削減を移行の理由にするなら、まずご自身の現在の適用料率を確認してください。
差がつくのは手数料ではなく、 固定費の構造と、物販を同居させられるかどうか です。Shopifyは月額を抑えたまま予約件数の上限を外せる一方、予約に特化した機能(回数券や月謝の自動回収など)はSTORES予約のほうが手厚い領域があります。
決済手数料そのものを軸に比較したい方は、こちらの記事で3サービスを並べています。
→ 予約システムの決済手数料を比較 — STORES予約・RESERVA・Shopify
STORES予約からの移行にかかる費用はどのくらい?
移行後のランニングコストは、Shopifyのプラン料金とまるっと予約のプラン料金の合算です。
| 項目 | 料金 | 補足 |
|---|---|---|
| Shopify ベーシック | 3,650円/月(年払い) | 月払いは4,850円。3日間の無料体験あり |
| まるっと予約 Free | 無料 | 累計10件まで。月ごとにリセットされません |
| まるっと予約 Starter | $19.99/月 | 月30件まで |
| まるっと予約 Growth | $49.99/月 | 予約件数無制限。Googleカレンダー・ICS連携 |
| まるっと予約 Pro | $99.99/月 | 複数拠点・顧客カルテ・Shopify Flow連携 |
出典:Shopify App Store まるっと予約(2026年9月12日閲覧)
Shopifyの公式料金ページには、3日間の無料体験のあと最初の3か月を月額150円で使えるプロモーションの記載もあります。動作確認と移行作業の期間をここに当てられると、二重支払いの負担が軽くなります。
移行作業中はSTORES予約とShopifyの両方に費用がかかります。STORES予約が年間契約の場合、途中解約の扱いを先に確認しておくと、切り替えのタイミングを決めやすくなります。
なお、Shopify Flow連携はProプランの機能です。個人サロンや教室の規模であれば、実質的にはGrowthまでの検討になります。
移行の全体像:6つのステップ
STORES予約からShopify+まるっと予約への移行は、以下の流れで進めます。
- 1
解約前にデータを退避する
いちばん最初です。STORES予約の管理画面で、予約・顧客情報がCSVで落とせるかを確認し、落とせるなら落とします。落とせないプランの場合は、この時点で控えの取り方を決めます。
- 2
Shopifyストアを開設する
Shopifyの無料体験に登録し、ストアの基本設定(ストア名・ドメイン・決済設定)を済ませます。独自ドメインがある場合はこのタイミングで接続しておきましょう。
- 3
まるっと予約をインストールする
Shopify App Storeから「まるっと予約」をインストール。まずは無料プラン(累計10件まで)で動作確認するのがおすすめです。
- 4
予約メニューを再構築する
STORES予約で設定していたメニュー(サービス名・料金・所要時間・スタッフ紐付け)を、まるっと予約側で再作成します。
- 5
顧客への告知・予約導線を切り替える
既存のお客さまに新しい予約ページのURLを案内し、Webサイト・SNS・Googleビジネスプロフィールのリンクを更新します。
- 6
並行運用のあと、STORES予約を解約する
新旧の予約導線を1〜2週間並走させ、既存予約が消化されたことを確認してから解約します。
順番が重要です。 データの退避を最後に回さない 。これだけは崩さないでください。
それぞれのステップを、もう少し掘り下げて解説します。
ステップ1:Shopifyストアの開設
Shopifyは 公式サイト から無料体験を始められます。クレジットカードの登録なしで3日間試せるので、まずは触ってみるのが一番です。
設定しておきたい項目は次のとおりです。
- ストア名・ストアURL
- 独自ドメインの接続(すでにお持ちの場合)
- Shopifyペイメントの有効化
- テーマの選択とカスタマイズ
- 特定商取引法に基づく表記の設定
すでにSTORES予約で使っていた独自ドメインをそのままShopifyに向ける場合は、切り替えのタイミングで一時的に旧予約ページへアクセスできなくなります。サブドメインを新設して並行運用し、完全に移り終わってから本ドメインを切り替えるほうが安全です。
ステップ2:まるっと予約のインストール
Shopify App Storeで「まるっと予約」と検索し、インストールします。
| プラン | 月額 | 予約件数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Free | 無料 | 累計10件 | 移行前の動作確認に。件数は月ごとにリセットされません |
| Starter | $19.99 | 月30件 | 小規模運用に最適 |
| Growth | $49.99 | 無制限 | Googleカレンダー・ICS連携。個人サロンならこれで十分 |
| Pro | $99.99 | 無制限 | 複数拠点・顧客カルテ・Shopify Flow高度連携 |
インストール後は、Shopify管理画面の「アプリ」からまるっと予約を開き、初期設定を進めます。無料プランは累計10件までなので、テスト予約に使いすぎると本番前に枠を使い切ります。テストは最小限に留めて、本番切り替えの直前に有料プランへ上げるのが無駄のない進め方です。

Shopify側の予約アプリを他社製品と比べたい方は、こちらで5つを検証しています。
→ Shopify予約システム比較2026 — 予約アプリ5つを開発者が検証
ステップ3:予約メニューの再構築
STORES予約で設定していたメニュー内容を、まるっと予約側で再現します。メニュー設定を自動で移す手段はないので、移行前にSTORES予約の管理画面で以下をスクリーンショットやメモで記録しておくとスムーズです。
- サービス名・説明文
- 料金と所要時間
- 担当スタッフの紐付け
- 受付可能時間・休業日
- 事前決済の有無と金額
- リマインドメールの文面
メニューを丸ごとコピーするだけでなく、このタイミングで 不要なメニューの整理 もしてしまうのがおすすめです。移行は「予約導線を見直すチャンス」でもあります。
まるっと予約では、予約枠をShopifyの商品として扱います。そのため、予約メニューひとつにつき商品が1件できるイメージです。STORES予約のメニュー構造をそのまま持ち込むより、「商品として並んだときに選びやすいか」という視点で組み直したほうが、移行後の予約率は上がります。
ステップ4:STORES予約のデータを移行する
ここが移行の山場です。結論から言うと、 自動で丸ごと引き継ぐ方法はありません。 できること・できないことを分けて把握してください。
このうち回数券と月謝は、放っておくと解約後にトラブルの種になります。扱いを決める手順は、このあとの「回数券・月謝の残高はどう引き継ぐ?」にまとめました。
顧客リストについては、Shopify側がCSVインポートに対応しています。Shopifyのヘルプセンターによれば、インポート用CSVでは「Email」列が必須で、氏名・電話番号・住所・タグ・メモなどを併せて取り込めます。一方で「利用合計額」と「注文合計数」の列はインポートされません。これらはストアでの実際の購入活動を反映する読み取り専用の項目だからです。
出典:Shopify ヘルプセンター 顧客リストをインポート・エクスポートする(2026年9月12日閲覧)
つまり「このお客さまは通算何回来ているか」という情報は、Shopifyに入れてもゼロから数え直しになります。過去の来店回数をこれからも参照したいなら、CSVをスプレッドシートで保管しておくか、顧客のタグやメモ欄に「移行前来店12回」のような形で書き写すしかありません。
- 移行2週間前
CSVが落とせるか確認する
STORES予約の管理画面で、予約・顧客情報のCSVダウンロードが実際に使えるかを確かめます。使えない場合は、この時点でプラン変更か手作業かを決めます。
- 移行1週間前
データを書き出して保管する
顧客情報と予約履歴を落とし、スプレッドシートとローカルの両方に保管します。解約後はアクセスできなくなる前提で動きます。
- 移行5日前
CSVのフォーマットを調整する
Shopifyの顧客インポート形式に合わせて列名を変換します。Emailが空の行がないかもここで確認します。
- 移行3日前
Shopifyに顧客データをインポート
Shopify管理画面の「顧客管理」から「インポート」を実行します。メールアドレスまたは電話番号が一致する既存顧客を上書きするかどうかは、インポート時に選べます。
- 移行2日前
インポート結果を確認
件数の一致、氏名やメールアドレスの文字化けがないかを確認します。
顧客の連絡先を移す行為は、個人情報の取り扱いにあたります。プライバシーポリシーに記載した利用目的の範囲内かどうかを確認し、範囲を超える場合は事前に告知してください。移行はお客さまに黙って進めるものではありません。

回数券・月謝の残高はどう引き継ぐ?
移行でいちばん詰まるのがここです。顧客リストはCSVで運べますが、 未消化の回数券と月謝の契約状態だけは運べません。 先に方針を決めずに解約日を決めると、お客さまとのあいだで「あと3回残っていたはずですが」というやり取りが必ず発生します。
STORES予約の公式ページには、回数券について「オンライン回数券を発行しお客さまごとの消費状況を一括管理できます」、月額課金について「毎月のレッスン料・会員費の自動回収が可能」と記載されています。つまり残回数と課金状態はSTORES予約の中で管理されていて、解約すればその管理ごと手元から離れます。
Shopify側に回数券の仕組みはあるのか
開発している本人として正直に書きます。 まるっと予約に回数券の残高管理機能はありません。 Shopifyの注文も1回の購入で完結する作りなので、「残り◯回」を自動で数えて減らしていく仕組みは標準では持っていません。
ないものをあるように書いても仕方がないので、代わりに「Shopifyの部品で回数券をどう組むか」を書きます。実際に取れる選択肢は4つです。
| 方法 | 向いている状況 | 手間 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 移行前に消化してもらう | 残回数が少ない・有効期限が近い | 小 | 期限を切った案内が必要。来店が一時的に集中します |
| ギフトカードで金額に換算 | 残回数を金額に置き換えられる | 中 | 換算のレートを先に決める。会計上の扱いは要確認 |
| 商品として売り直す | 移行後も回数券を売り続けたい | 中 | 残回数の消し込みは手作業になります |
| 顧客メモで管理し手動で消し込む | 残回数が多い・少人数のサロンや教室 | 中 | 記録が1か所に集まっていないと事故ります |
多くの場合、現実解は「移行前に消化」と「ギフトカードで換算」の組み合わせです。残り1〜2回の方には期限を切って来店してもらい、残りが多い方には金額に換算してお渡しする。この2本立てにすると、手作業で追いかける人数がかなり減ります。
ギフトカードに換算する手順
Shopifyでは、ストアでギフトカード商品を販売するほかに、管理画面から直接ギフトカードを作成することができます。
- 1
換算のレートを決める
残1回あたりいくらにするかを決めます。回数券は割引価格で販売していることが多いので、単純に定価で割らず、 お客さまが実際に支払った金額を残回数で割る のが揉めにくいやり方です。
- 2
対象者と残回数の一覧を作る
STORES予約側で残回数を確認し、氏名・メールアドレス・残回数・換算額の表を作ります。解約前にしかできない作業なので、データ退避と同じタイミングで済ませます。
- 3
ギフトカードを発行して案内する
Shopifyの管理画面からギフトカードを作成し、対象のお客さまに案内します。発行の前に、使い道(予約の支払いにも物販にも使えること)と有効期限を文面で伝えます。
- 4
発行済みの一覧を保管する
誰にいくら発行したかの記録を、Shopifyの外にも残しておきます。問い合わせが来たときに即答できるかどうかで、移行の印象が変わります。
未消化の回数券は、お客さまから見れば先にお支払いいただいた預かり分です。扱いを一方的に変えると信頼の問題になりますし、会計や税務上の処理も伴います。換算のレート、有効期限、使える範囲は、告知の前に顧問の税理士にも確認してください。この記事は税務の助言ではありません。
回数券をShopifyで売り直すなら
移行後も回数券を売りたい場合は、「10回券」をひとつの商品として販売する形になります。販売自体はShopifyの通常の商品でできますが、消し込みは自動になりません。運用としては次のどちらかです。
- 顧客のタグやメモに残回数を書き、来店のたびに書き換える(少人数ならこれで足ります)
- 回数券保有者向けに価格0円の予約商品を用意し、来店1回につき1件予約を通す形で消化を記録する
- 残回数の自動計算を求めるなら、回数券・サブスクリプション系のアプリを別途探す必要があります
まるっと予約は予約枠をShopifyの商品として扱うので、後者のように「消化用の予約商品」を1つ作っておくと、来店履歴が予約の記録としてそのまま残ります。とはいえ残回数の管理そのものは人がやることになるので、対象が数十人を超えるなら、最初から金額換算に寄せたほうが楽です。
月謝はどう置き換えるか
月謝の自動回収は、Shopify側ではサブスクリプション系のアプリで作ります。Shopifyが提供している「Shopify Subscriptions」は無料で公開されています。
出典:Shopify Subscriptions(Shopify App Store)
ただし、ここで期待値を合わせておきたいことがあります。定期課金そのものは作れますが、 「月謝を払っている人だけが予約できる」という権利の紐付けは自動になりません。 現実的には、サブスクリプションを購入した方に顧客タグを付け、そのタグの方にだけ予約ページを案内する、という運用でつなぎます。
月謝制が事業の中心になっている教室やジムの場合は、この一点だけで移行の難易度が変わります。移行を決める前に、テスト用の顧客で「登録から2回目の課金まで」を実際に通してみてください。ここが通らないなら、移行の時期そのものを見直したほうがいい判断もあります。
カード情報は移せないので、月謝のお客さまには新しい決済の登録をお願いすることになります。ここが移行でいちばん離脱の出る場所です。次の章の告知文では、この説明にいちばん行数を割いています。
ステップ5:告知と予約導線の切り替え
移行で見落としがちなのが、既存のお客さまへの周知です。予約URLが変わるため、丁寧に告知しないと「予約できない」という問い合わせが増えます。
- LINE・メールで「予約ページが変わります」と1〜2週間前に告知
- STORES予約の予約ページに「新しい予約ページはこちら」のリンクを設置
- WebサイトのヘッダーやCTAボタンのリンク先を新URLに変更
- SNSプロフィールのリンクを更新
- Googleビジネスプロフィールの予約リンクを更新
- 名刺・チラシなどの紙媒体にQRコードを差し替え
告知のタイミングとしては、 新しい予約ページが完全に動作確認できてから 案内するのがベストです。「まだ準備中」の状態で告知すると混乱を招きます。
動作確認では、少なくとも次の4点を実際の端末で通してください。スマートフォンでの予約完了、確認メールの着信、事前決済の通過、そしてキャンセル導線です。パソコンだけで確認して本番を迎えると、スマートフォンの表示崩れに後から気づくことになります。
顧客への告知文はどう書けばいい?
告知は「送る内容を考える時間」がいちばん腰を重くします。そのまま使えるように、3種類の文面を置いておきます。角括弧の部分をご自身の情報に差し替えて、メールでもLINEでもそのままお使いください。
件名:ご予約ページ変更のお知らせ([切替日]から)
いつも[店名]をご利用いただきありがとうございます。
[切替日]より、ご予約の受付ページが新しくなります。
新しいご予約ページはこちらです。
[新しい予約ページのURL]
・[切替日]以降のご予約は、新しいページからお願いいたします
・[切替日]より前にいただいたご予約は、そのまま承っております
・お客さまのお手続きは特にございません
ブックマークやホーム画面に登録いただいている方は、
お手数ですが新しいURLへの変更をお願いいたします。
ご不明な点がありましたら、このメールにご返信いただくか、
[電話番号]までお気軽にお問い合わせください。
[店名]
[担当者名]
3通目がいちばん大事です。カード情報を登録し直していただく依頼は、理由を書かずに送ると不信感につながります。「安全面の決まりで引き継げない」「所要時間は2〜3分」の2つは必ず入れてください。実際に何分かかるかは、送る前にご自身の端末で1回試して、正しい数字に直しておくと親切です。
回数券の案内には 回答期限と、期限を過ぎた場合の扱い を必ず書いてください。書いていないと、数か月後に「まだ返事をしていない方」が残り続けます。期限までに連絡がなければどう処理するかを先に決めておくと、こちらも動けます。
ステップ6:STORES予約を解約するタイミング
解約は最後です。目安として、次の3つがすべて満たされてから手続きします。
- STORES予約側に入っていた未来の予約が、すべて消化済みまたは新システムへ振り替え済み
- 顧客情報・予約履歴・カルテの控えが手元にある
- 新しい予約ページで実際の予約が数件入り、通知と決済が正常に動いている
年間契約で残期間がある場合は、無理に急がず、残りの期間を「旧ページに新URLへの案内を出しておく期間」として使うのも手です。検索やブックマークから旧ページに来る方は、切り替えから数か月は残ります。
移行後に何が変わる?
移行の手間を乗り越えた先に、どんな変化があるのか。Shopify+まるっと予約に切り替えたあとの姿を整理します。
予約と物販の一元管理 が最大の変化です。サロンなら施術予約とホームケア商品の販売を同じサイトで完結できます。教室なら、レッスン予約と教材販売を1つの顧客基盤で扱えます。予約の直後に関連商品をすすめる、といった導線も同じカートの中で組めます。
固定費が件数に連動しなくなる のも大きな違いです。まるっと予約のGrowthは予約件数が無制限なので、予約が増えても月額は変わりません。繁忙期に件数が跳ねる業種ほど、この差は効いてきます。
この件数連動が外れることも含めて、サロンの予約システム乗り換えで入れ替わる3つの構造 に、開発側から見た設計判断の中身を書きました。
デザインの自由度 も見逃せません。Shopifyには無料・有料あわせて多数のテーマがあり、ブランドの世界観を反映したサイトを構築できます。コードを編集すれば、オリジナルのデザインも可能です。
一方で、失うものもあります。回数券や月謝の自動回収といった、予約業務に特化した機能はSTORES予約のほうが手厚い領域です。Shopify側で同じことをやるなら、サブスクリプション系のアプリを別途組み合わせる必要があり、その分の月額と設定の手間がかかります。
サロン向けの構築例をもう少し具体的に見たい方は、こちらもどうぞ。
→ サロンのShopify予約サイト、本当に必要?開発者が答える7つの素朴な疑問
STORES予約の移行でつまずきやすいポイント
実際の作業で詰まりやすいのは、だいたい次の4か所です。
- 二重予約
並行運用中に、旧システムと新システムの両方で同じ時間帯が空いているように見える状態です。並行運用期間は、新規予約の受付を新システムだけに寄せ、旧システムは「案内の掲示板」として残すのが安全です。
- 確認メールの迷惑メール判定
送信元ドメインが変わるため、これまで届いていたお客さまに届かなくなることがあります。切り替え前に、主要なメールサービス宛てにテスト送信して着信を確認してください。
- キャンセルポリシーの空白
旧システムに書いていた規約を移し忘れると、トラブル時の根拠がなくなります。予約ページと特定商取引法に基づく表記の両方に、キャンセル料の条件を明記してください。
- 年間契約の残期間
STORES予約を年間契約で使っている場合、解約のタイミングによっては費用が残ります。移行のスケジュールは、契約の更新日から逆算して組むと無駄が出ません。
よくある質問
自動で引き継ぐ機能はありません。STORES予約の予約・顧客情報は、公式料金表ではビジネスプラン以上でCSVダウンロードができると記載されています。落とせる場合はCSVで書き出してスプレッドシート等に保管し、Shopify側では顧客リストのインポートに使ってください。過去の予約そのものをShopifyの注文として再現することはできません。解約後は元データにアクセスできなくなるため、解約前のバックアップは必須です。
公式の料金表では「予約・顧客情報のCSVダウンロード」はビジネスプラン以上の機能として記載されています。ご自身のプランで実際に使えるかは、管理画面かSTORESのサポートで必ず確認してください。使えない場合は、解約前に一時的に上位プランへ変更して書き出すか、画面を見ながら手作業で控えを取るかの二択になります。
必ずしも下がりません。STORES予約の事前決済手数料は公式表記で5.2%〜、スタンダードプラン加入時は3.3%〜(いずれも中小特別料率適用時)です。Shopifyペイメントの日本のオンラインカード手数料はベーシックが3.55%、グロウが3.4%なので、すでにスタンダードプランに入っている方の場合はShopifyのほうが高くなる可能性があります。手数料ではなく、固定費の構造と物販との統合を判断軸にしてください。
できません。カード情報は決済代行会社が保持しており、事業者間で移すことはできない仕組みです。定期的に決済が発生する運用をしている場合は、お客さまに新しい予約ページで登録し直していただく必要があります。ここは移行でいちばん離脱が出る箇所なので、告知文で理由をきちんと説明してください。
STORES予約の予約ページURLと、Shopifyの予約ページURLは異なります。旧ページが検索結果に出ていた場合、URL変更によって一時的に流入が落ちることがあります。ただし、予約ページ単体で検索流入を得ているケースは多くありません。自社ドメインでShopifyを運営する場合、メインサイト側のSEOには影響しません。旧ページを残せる期間は、新URLへの案内を掲載しておくと取りこぼしが減ります。
1〜2週間が目安です。新しいShopifyサイトで予約を受け付けつつ、STORES予約側には「新しい予約ページへの案内」を残しておきます。STORES予約に入っている既存予約が消化し終わるタイミングで旧サービスを解約するのが安全です。数か月先の予約を受けている業種なら、その分だけ並行期間を長めに取ってください。
Shopifyベーシック(年払い3,650円/月)とまるっと予約のプラン料金の合算です。まるっと予約はFreeが無料で累計10件まで、Starterが$19.99で月30件、Growthが$49.99で件数無制限、Proが$99.99です。予約件数が月30件を超えるならGrowth、複数拠点や顧客カルテが必要ならProが目安になります。
そのままでは使えません。まるっと予約に回数券の残高管理機能はなく、月謝の自動回収はShopify Subscriptionsなどのサブスクリプション系アプリで作ることになります。未消化の回数券は、移行前に消化していただくか、残額をギフトカードに換算してお渡しするかの二択が現実的です。この記事の「回数券・月謝の残高はどう引き継ぐ?」に、換算の手順と告知文まで書いています。月謝制が事業の中心なら、移行のハードルは一段上がると考えてください。
まとめ
STORES予約からShopify+まるっと予約への移行は、作業自体はそれほど難しくありません。難しいのは順番と、引き継げないものの扱いです。
- 解約前にデータを退避する。CSVダウンロードは公式料金表でビジネスプラン以上の機能
- Shopifyストア開設 → まるっと予約インストール
- 予約メニューは手作業で再構築(整理のチャンス)
- 顧客リストはCSVでインポート。来店回数は引き継がれない
- カード情報・回数券・過去の予約履歴は移せない前提で計画する
- 未消化の回数券は「期限を切って消化」か「ギフトカードで金額に換算」の二択で決める
- 顧客への告知は1〜2週間前から。導線を一斉に切り替え
- 1〜2週間の並行運用後、STORES予約を解約
決済手数料の削減を期待して移行すると、契約内容によっては期待外れになります。移行の価値は、予約と物販を1つの顧客基盤にまとめられること、そして予約件数が増えても固定費が跳ねないことにあります。この2つが自分の事業に効くかどうかで判断してください。
判断がついたら、まずはまるっと予約の無料プランで触ってみるのが早道です。累計10件までなので、テスト予約を数件通せば使用感はつかめます。


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