EC Stocktaking Guide
「システム上は在庫があるのに、実際に棚を見たら商品がない」。EC運営をしていると、こんな経験は珍しくありません。
在庫差異は放置するほど膨らみ、気づいたときには大きな損失になっていることもあります。わたし自身、EC運営の現場で「棚卸しの精度がストア全体の信頼性を左右する」と痛感してきました。
この記事では、ECサイトにおける棚卸しの基本から、在庫差異が起こる原因、そしてShopifyでの実践的な対策までをまとめています。
- 棚卸し(たなおろし)
倉庫や店舗にある商品の実数を数え、システム上の在庫データと照合する作業です。在庫の正確性を保つために欠かせない業務であり、会計上も期末に実施が求められます。
なぜECサイトでも棚卸しが必要なのか
実店舗と違い、ECサイトでは在庫を直接目にする機会が少ないぶん、差異に気づきにくいのが厄介なところです。
出典:IHL Group - Retail Inventory Distortion Study
在庫精度がわずか 63% ということは、3つに1つはデータと実数が合っていない計算です。この差異が欠品や過剰在庫を生み、売上機会の損失やキャッシュフローの圧迫につながります。
棚卸しを年に1回しか実施していないストアは要注意です。差異が蓄積してから対処すると、原因の特定が困難になり、修正コストも大きくなります。
在庫差異が起こる5つの原因
在庫差異にはさまざまな原因がありますが、ECサイトで特に多いパターンは以下の5つです。
- 1
入荷時の検品ミス
仕入先からの納品数が注文と異なっていたり、検品時にカウントを間違えるケースです。最初のズレがそのまま差異として残ります。 - 2
ピッキング・梱包時の誤出荷
似た商品を取り違えたり、数量を間違えて出荷してしまうパターンです。特にバリエーション(色・サイズ)が多い商品で起こりやすいです。 - 3
返品処理の反映漏れ
返品された商品を倉庫に戻したにもかかわらず、システム上の在庫数に反映し忘れるケースです。 - 4
システム間の連携エラー
複数の販売チャネルやWMSを使っている場合、同期のタイムラグや連携エラーで在庫数がずれることがあります。 - 5
破損・紛失・盗難
倉庫内での破損や紛失、残念ながら内部盗難も在庫差異の原因になります。記録に残らないため発見が遅れがちです。
在庫差異の原因は1つとは限りません。複数の小さなズレが積み重なって大きな差異になるケースがほとんどです。だからこそ、定期的な棚卸しで早めに発見することが大切です。
棚卸しの3つの方法
ECサイトの規模や商品数に合わせて、適切な棚卸し方法を選びましょう。
決算期末などに全商品の在庫を一度にカウントする方法です。正確性が高い一方、作業中は出荷を止める必要があるため、ECサイトでは売上への影響を考慮してタイミングを選ぶ必要があります。年1〜2回の実施が一般的です。
商品をグループ分けして、ローテーションで少しずつカウントしていく方法です。出荷を止めずに実施できるため、EC運営との相性がよく、差異を早期に発見できるメリットがあります。週次や月次で実施するストアが多いです。
特定の商品だけを対象にカウントする方法です。売れ筋商品や差異が疑われるSKUに絞って実施します。ABC分析と組み合わせると、重要度の高い商品から優先的に精度を保てます。
おすすめは 循環棚卸し です。ECサイトは365日注文が入るため、出荷を止めずにできる方法が運営の負担を最小限に抑えられます。
Shopifyで棚卸しを実践する手順
Shopifyには在庫調整の機能が標準で備わっています。以下の手順で棚卸しを進めていきましょう。
- 01
在庫データをエクスポート
Shopify管理画面の「商品管理」→「在庫」から在庫データをCSVでエクスポートします。これがシステム上の在庫数の基準になります。 - 02
実在庫をカウント
倉庫で実際の商品数をカウントし、エクスポートしたCSVと照合します。バーコードリーダーを使うとカウントの精度とスピードが上がります。 - 03
差異を特定・原因を調査
システム在庫と実在庫の差を確認し、差異があるSKUについて原因を調べます。Shopifyの「調整履歴」で過去90日間の変動を確認できます。 - 04
在庫数を調整
差異が確認できたら、Shopifyの管理画面から在庫数を修正します。「在庫の調整」→「理由を選択」で記録を残すことが重要です。
在庫差異を防ぐための日常的な対策
棚卸しは「差異を見つける」作業ですが、そもそも差異を減らすための仕組みづくりも欠かせません。
- 入荷時に必ず検品を行い、納品書と現物の数量を照合する
- ピッキングリストを使い、出荷前にダブルチェックを行う
- 返品商品は即日でシステムに在庫を反映する
- 破損・不良品はその場で在庫調整し、理由を記録する
- 倉庫のロケーション管理を徹底し、商品の置き場所を明確にする
- 月に1回は循環棚卸しを実施し、差異を早期発見する
まとめ
ECサイトの棚卸しは、在庫精度を保つために欠かせない基本的な業務です。差異を放置すると欠品や過剰在庫につながり、売上と顧客の信頼を失う原因になります。
大切なのは「完璧にやろう」とするよりも、「定期的に小さく回す」ことです。循環棚卸しを月1回のルーティンに組み込むだけでも、在庫精度はぐっと改善します。
Shopifyなら在庫追跡・調整・履歴管理の機能が標準で揃っているので、仕組みさえ作れば無理なく続けられます。まずは今月、差異が気になる商品だけでもカウントしてみてください。


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