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Shopify2026-09-082026-09-1718分で読めます
Shopify請求書インボイス制度

Shopifyの請求書アプリはどう選ぶ?インボイス対応の5軸

Shopifyの請求書アプリはどう選ぶ?インボイス対応の5軸
帳票アプリを比較して選ぶイメージ

Shopifyには、日本の商慣習に合った請求書の発行機能が標準で用意されていません。注文確認メールは領収書の代わりになりませんし、インボイス制度の法定項目も自動では埋まりません。結果として、帳票アプリの導入がほぼ必須になります。

なお、Shopifyで「請求書」と呼ばれるものは3つあります。下書き注文から送る支払いリンク、取引先に渡す帳票、そしてShopify自身から届く利用料の請求書です。自分がどれを探しているか迷ったときは、Shopifyの請求書は3種類あるで切り分けてから戻ってきてください。この記事が扱うのは2つ目の帳票です。

わたし(SHIN)はこの記事の比較表に載せている「まるっと請求書」の開発者です。だからこそ先に正直に書きます。後半の「5つの軸で比べると」の表で、まるっと請求書だけが5項目すべて○になっていますが、これは他社アプリの機能が劣るという意味ではありません。○以外の「確認できず」は公式リスティングにその機能の記載が見つからなかっただけで、実際は対応していても書かれていないだけかもしれません。自分が作ったアプリだから機能を確実に知っている、という非対称性がこの表には出ています。料金とレビュー件数は比較した7本すべてを apps.shopify.com の公式リスティングでWebFetchして確認し、2026年9月15日時点の数字だけを載せました。弱点も書きます。まるっと請求書はレビュー1件・★5.0(2026年9月15日確認)で、同じ表で比べているOrder Printer Pro(2,895件・★4.9)のような実績はまだなく、Built for Shopifyバッジも取得していません。

問題は「どれを選ぶか」です。App Storeには国産・海外製あわせて多くの帳票アプリがありますが、 料金表を見比べるより先に確認すべき軸が5つ あります。

4種類
必要になりやすい帳票
請求書・納品書・領収書・見積書
6項目
インボイスの法定記載事項
1つ欠けると適格請求書になりません
5つ
アプリ選定の判断軸
帳票種類・法定項目・税額差異・セルフ発行・電帳法

Shopifyに請求書アプリは本当に必要?標準機能でどこまでできる?

結論から言うと、必要です。注文の明細を表示する機能はありますが、それは請求書でも領収書でもありません。

注文確認メールを領収書の代わりに渡してしまうケースがありますが、宛名も但し書きもなく、適格請求書の要件も満たしません。BtoB取引や経費精算をするお客様からは、あらためて発行を求められます。

詳しい発行手段の比較はShopifyで領収書を発行する方法にまとめています。この記事では、その先の「アプリをどう選ぶか」を扱います。

判断軸1:どの帳票まで発行できるか

日本のEC運営で必要になる帳票は、用途ごとに4種類あります。

請求書

BtoB取引の代金請求に使います。支払期日と振込先の記載が必要になる場面が多い帳票です。

納品書

商品に同梱する明細です。金額を伏せた「納品書(金額なし)」を求められることもあります。

領収書

支払済の証明。宛名と但し書きの編集ができるかが実務上の分かれ目になります。

見積書

取引前の金額提示。対応しているアプリが少なく、BtoB比率が高いストアでは効いてきます。

単機能で安価なアプリは領収書だけ、というものも多くあります。 いま必要な1種類ではなく、1年後に必要になる帳票まで見て選んでください。 アプリを増やすと、書式もフォーマットもバラバラになります。

見積書は帳票アプリで出す以外に、Shopify標準の下書き注文を使う方法と、お客様側から見積を依頼してもらう方法があります。3つの使い分けはShopifyで見積書を発行する方法に整理しました。卸売の取引先が増えて月末締めでまとめる段階まで来ているなら、ShopifyのB2B機能は全プランで使えるのほうが近い話をしています。

なお、帳票の名称そのものに法的な意味はありません。国税庁も「請求書に限らず、所定の事項が記載された書類であれば、領収書や納品書など書類の名称を問わず、インボイスとなります」と説明しています。つまり、領収書しか出せないアプリでも記載事項さえ満たせばインボイスになりますし、逆に「請求書」と書いてあっても項目が欠けていればインボイスにはなりません。名前ではなく中身を見てください。

出典:国税庁「インボイス制度について」

判断軸2:インボイス制度の法定項目を網羅しているか

適格請求書には記載必須の項目があります。ひとつでも欠けると適格請求書として扱えません。

  • インボイスの交付先である相手方の氏名または名称
  • 売手(自社)の氏名または名称および登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • 10%・8%それぞれの対象となる対価の総額および適用税率
  • 10%・8%それぞれの消費税額等

出典:国税庁「インボイス制度について」

この6項目が、Shopifyの注文データのどのフィールドで埋まり、どこがアプリ側の持ち出しになるのかは、Shopifyのインボイス制度対応に項目ごとの対応表として分解してあります。

ここで詰まりやすいのが 登録番号 です。Shopifyの注文データには、適格請求書発行事業者の登録番号を入れる標準のフィールドがありません。metafield かアプリ側の設定として自分で持たせる必要があります。まるっと請求書を作ったときも、ここは自前で保持する設計にしました。「Shopifyだけでインボイス対応できる」と考えていると、まずここで抜けます。

BtoC中心のストアは適格簡易請求書で足りる?

足りる場合があります。国税庁は、不特定多数の人に販売する小売業・飲食店業・タクシー業について、記載事項の一部を省略した簡易インボイス(適格簡易請求書)を交付できるとしています。具体的には、宛先を省略でき、適用税率と消費税額等はどちらか一方の記載で足ります。

BtoCのみで、宛名を書く場面がほとんどないストアなら、簡易インボイス対応のアプリで十分ということになります。ただし、法人のお客様から経費精算用に宛名入りを求められた時点で、通常のインボイスが必要になります。「いまはBtoCだけ」が「これからもBtoCだけ」とは限らないので、宛名編集ができるかどうかは見ておいてください。

出典:国税庁「インボイス制度について」

判断軸3:会計ソフトとの税額差異を調整できるか

ここが最も見落とされる軸です。そして、単なる「気持ち悪さ」ではなく、適格請求書として成立するかどうかに関わります。

税額の端数処理を検討するイメージ

なぜShopifyの請求書アプリで税額が1円ずれるのか

理由は端数処理を行う単位の違いです。

端数処理の単位

消費税額に1円未満の端数が出たとき、どのまとまりで四捨五入や切り捨てを行うか。商品1行ごとに丸めるか、請求書1枚ごとに丸めるかで、合計額が変わります。

Shopifyヘルプセンターは、税額について「税額は項目レベルで端数処理されます。この場合、合計税額は、注文の各項目に税率を適用し、その結果の端数を処理した後、これらの小計をすべて合計して算出されます」と説明しています。つまり Shopifyは行単位で丸めた税額を足し上げる 方式です。丸め方そのものも偶数丸め(最近接偶数への丸め)が使われます。

出典:Shopifyヘルプセンター「税の管理」

一方、国税庁は適格請求書の消費税額等について「一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要があります」としています。さらに注記で「一の適格請求書に記載されている個々の商品ごとに消費税額等を計算し、1円未満の端数処理を行い、その合計額を消費税額等として記載することは認められません」と明記しています。

出典:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問57

行ごとに丸めた税額を合計するのは適格請求書として認められる?

認められません。ここが実務上いちばん大事なところです。

Shopifyの注文が持っている税額をそのまま帳票に転記すると、それは「商品ごとに丸めた税額の合計」になります。国税庁が認めないと書いている形そのものです。帳票アプリ側で、税率ごとの対価の合計額からもう一度、1回だけ計算し直す必要があります。すでに毎月ずれていて原因を切り分けたい場合は、Shopifyの消費税の端数が会計ソフトと合わない理由に、注文CSVのどの列を見るかと会計ソフト側の設定をまとめてあります。

差がどれくらい出るのか、税込1,105円の商品を3点買った10%対象の注文で見てみます。

計算方法計算消費税額
行ごとに丸めて合計(Shopify型)1,105×10/110=100.45→100円 を3行分300円
請求書単位で1回だけ丸める3,315×10/110=301.36→301円301円

1件で1円です。ここに8%対象の商品が混ざると、税率ごとに同じずれが起きるので、1枚で2円になることもあります。金額としては小さいものの、月末に経理と突き合わせるたびに原因を追いかけることになります。

調整できないアプリ
発行はできるが、数字は動かせません。
差額が出るたびに手作業で突き合わせ / 監査時に説明の根拠が残らない / 適格請求書として正しい税額に直せない
調整できるアプリ
税率ごとに上書きできます。
10%税額・8%税額を個別に手動調整 / 調整理由をメモとして記録 / 調整値がCSV出力にも反映

まるっと請求書にこの機能を入れたのは、まさにこの差額が現場の負担になっていたからです。月末に経理と帳票を突き合わせる運用があるなら、 発行できるかどうかより先にこの軸を確認してください。

freee・弥生・マネーフォワードそれぞれの内部的な丸め方式は、各社の仕様であり公開ヘルプで確認できた範囲を超えます。ここで言えるのは「適格請求書として正しい税額は請求書単位で税率ごとに1回丸めたもの」「Shopifyの注文が持つ税額は行単位で丸めたもの」の2点だけです。実際にどの数字が会計ソフトに入るかは、ご自身の環境でテスト注文を1件通して確かめてください。

判断軸4:顧客が自分で発行できるか

「請求書をください」「領収書の宛名を変えてください」という依頼は、件数が増えると無視できない工数になります。

メリット
セルフ発行に対応している場合

お客様が自分のアカウントから必要な帳票を発行できます。宛名や但し書きも自分で入力できるため、やり取りが発生しません。依頼対応の工数がほぼゼロになります。

デメリット
管理者発行のみの場合

依頼のたびに管理画面で発行し、メールで送る運用になります。件数が少ないうちは問題ありませんが、BtoB比率が上がると急に重くなります。

セルフ発行を入れる場合、二重発行の防止と宛名の扱いは確認しておいてください。同じ注文で領収書が何度も出せてしまうと、お客様側で経費の二重計上が起きかねません。発行済みかどうかを記録し、再発行時に「再発行」と分かる状態にできるかを見ておくと安全です。

判断軸5:電子帳簿保存法の検索要件を満たせるか

ECストアでの帳票のやり取りは、そもそも電子帳簿保存法でいう電子取引に当たります。国税庁は電子取引について「いわゆるEDI取引、インターネット等による取引、電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含みます。)、インターネット上にサイトを設け、そのサイトを通じて取引情報を授受する取引等が含まれます」と説明しています。PDFをメールで送っても、マイページからダウンロードしてもらっても、どちらも電子取引です。

出典:国税庁「電子帳簿保存法の概要」

その電子取引データを保存するとき、国税庁が求めている検索機能は3つあります。

  1. 01

    3項目で検索できること

    取引年月日その他の日付、取引金額、取引先を検索の条件として設定できること。
  2. 02

    範囲指定ができること

    日付または金額については、その範囲を指定して条件を設定できること。
  3. 03

    組み合わせができること

    2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できること。

ただし緩和もあります。税務職員によるダウンロードの求めに応じられるようにしている場合、上の2番目と3番目は不要になります。さらに、判定期間に係る基準期間の売上高が5,000万円以下の事業者、または電磁的記録を出力した書面を取引年月日その他の日付および取引先ごとに整理して提示・提出できるようにしている事業者は、すべての検索機能の確保が不要とされています。

出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)」問48

売上規模によっては、アプリ側の検索機能がそこまで作り込まれていなくても要件を満たせます。「電帳法対応」という言葉の有無より、自社がどの緩和に当てはまるかを先に確認したほうが、選択肢は広がります。

実務的に見ておきたいのは、発行した帳票を日付・金額・取引先で絞り込めるか、そしてCSVで一覧を書き出せるかの2点です。CSVが出せれば、アプリ内の検索が弱くても索引簿として使えます。

ただし、アプリを入れれば保存義務が終わるわけではありません。改ざん防止の措置をどれにするか、規程を備え付けて運用するか、解約後も控えを持ち続けるかは事業者側の仕事です。その切り分けはShopifyの電子帳簿保存法対応で扱っています。

交付したインボイスの写しはどこに保存する?

見落とされがちですが、国税庁は「交付したインボイスの写しは、保存しておく必要があります」としています。発行して送りっぱなしではなく、発行側にも控えが残っている必要があります。

アプリを選ぶときは、発行済み帳票の一覧がアプリ内に残るか、まとめてダウンロードできるかを見てください。アンインストールしたらデータごと消えるタイプだと、乗り換えや解約のたびに控えを手作業で吸い出す必要が出てきます。

出典:国税庁「インボイス制度について」

あわせて知っておくと得なのが 印紙税 です。国税庁のタックスアンサーでは、売上代金に係る金銭の受取書は記載金額5万円未満が非課税、5万円以上100万円以下は200円とされています。ただし課税されるのは文書であり、質疑応答事例では「印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません」と示されています。紙で渡すのをやめて電子で交付すれば、そもそも課税文書を作っていないという整理になります。

出典:国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」

出典:国税庁「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」

無料のShopify請求書アプリで足りるのはどんなストア?

完全無料で使えるアプリも存在します。次の条件にすべて当てはまるなら、まず無料アプリで始めて問題ありません。

  • 発行が必要なのは領収書だけ(請求書・見積書は不要)
  • BtoC中心で、発行依頼が月に数件程度
  • 会計ソフトとの税額突き合わせを厳密に行っていない
  • 軽減税率(8%)の対象商品を扱っていない

逆に、BtoB取引がある・軽減税率が混ざる・経理と毎月突き合わせている、のどれかに当てはまるなら、有料アプリの月額より突き合わせ工数のほうが高くつきます。とくに軽減税率が混ざるストアは、税率ごとの端数処理が毎回発生するので、無料アプリで粘るメリットが小さくなります。

主要なShopify請求書アプリを5つの軸で比べると?

2026年9月15日に各App Storeページを開いて確認できた範囲です。機能も料金も変わるので、候補を絞ったら必ずご自身でリンク先の最新表示を見てください。

まずは提供元と料金、そして「どれだけ使われているか」の目安になるレビュー件数です。

アプリ提供元料金(月額)レビュー
Shopify Order PrinterShopify無料376件 ★3.5
かんたん帳票印刷.JPARMERIA無料0件
シンプルインボイスバーチャルアーツ$60件
Quick Order Printermixlogue$98件 ★5.0
Order Printer ProOrder PrinterFree/$10〜$402,895件 ★4.9
Fordeer PDF InvoiceFordeer CommerceFree/$8.95〜$66.95150件 ★4.7
まるっと請求書PepinFree/$9.99・$19.991件 ★5.0

無料プランの中身は同じではありません。Order Printer Proは月50件まで、Fordeerはダウンロード50件まで、まるっと請求書は月5件かつ請求書のみです。シンプルインボイスには無料プランがなく、7日間のおためし期間のあとに$6の通常プランへ移ります。有料プランの無料体験はQuick Order Printerが7日間、Order Printer ProがStarter以上で14日間、Fordeerが7日間、まるっと請求書が7日間です。

そのうえで、この記事で立てた5つの軸に当てはめたのが次の表です。

アプリ帳票法定項目税額調整セルフ電帳法検索
Shopify Order Printer4種確認できず確認できず確認できず確認できず
かんたん帳票印刷6種確認できず確認できず
シンプルインボイス1種確認できず確認できず確認できず
Quick Order Printer4種確認できず確認できず
Order Printer Pro10種確認できず確認できず確認できず確認できず
Fordeer10種確認できず確認できず確認できず
まるっと請求書5種

「確認できず」は 非対応という意味ではありません。 App Storeのリスティングにその機能の記載が見つからなかった、というだけの意味です。とくに税額調整と電帳法の検索要件は、対応していても訴求ポイントとして書かれないことがあります。候補を2つか3つに絞ったら、この2列については開発元に直接問い合わせて確かめてください。

表を横に見ると、日本の帳票に特化した3本(かんたん帳票印刷.JP・シンプルインボイス・Quick Order Printer)は法定項目を正面から訴求している一方、海外製の2本(Order Printer Pro・Fordeer)はVATや多通貨を売りにしていて日本のインボイス制度への言及がありません。レビュー件数では海外製が圧倒的ですが、その数字は日本の要件を満たすかどうかとは別の話です。

縦に見ると、 税額調整と電帳法の列がほぼ空いている のが分かります。これは判断軸3と判断軸5で書いたとおり、どちらも「発行できるか」よりあとに効いてくる軸で、リスティングの見出しには載りにくい領域だからです。だからこそ、比較記事の表を眺めるだけでは差が見えません。

追加した3本はどんなアプリ?

Quick Order Printer はmixlogue, Inc.の日本製アプリで、月額$9の単一プランです。領収書(明細あり・なし)、納品書(金額あり・なし)、請求書、見積書を発行でき、「インボイス制度対応済み」と明記されています。お客様自身が領収書などを印刷・PDF保存できるリンクを通知メールに埋め込めるほか、クロネコヤマトB2クラウド・佐川急便e飛伝Ⅲ・日本郵便クリックポスト向けのCSVダウンロードも備えています。帳票と配送を1本でまとめたいストア向けです。

出典:Mixlogue Quick Order Printer(Shopify App Store)

Order Printer Pro はレビュー2,895件・★4.9と、この分野では群を抜いて使われているアプリです。請求書・領収書・ギフトレシート・見積・明細表・返品など10種類の帳票に対応し、無料プランは月50件まで。リスティングの対応言語には日本語が含まれています。ただし日本のインボイス制度や端数処理についての記載は見当たりませんでした。

出典:Order Printer Pro: PDF Invoice(Shopify App Store)

Fordeer: PDF Invoice Generator はFordeer Commerceのアプリで、レビュー150件・★4.7。無料プランはダウンロード50件までで、Starter $8.95からPremium $66.95まで4段階です。フロントエンドダウンロードとお客様アカウントとの連携があり、セルフ発行に対応します。一方で「このアプリは日本語に翻訳されていません」と明記されていて、VAT向けの税額表示はあっても日本のインボイス制度への言及はありません。

出典:Fordeer: PDF Invoice Generator(Shopify App Store)

Shopify Order Printerは公式アプリで無料ですが、リスティング上の言語は英語のみで「このアプリは日本語に翻訳されていません」と明記されています。テンプレートはHTML・CSS・Liquidで自分で組む前提です。日本語の帳票にしたい場合、作るのは自分、という点は押さえておいてください。

Order Printerで日本語テンプレートを自作するのは今も有効?

多くの記事が「Order Printer + HTMLテンプレートの日本語化」を無料の選択肢として紹介しています。実際に動きますし、テンプレートを販売している事業者もあります。

ただし前提が変わりました。Shopifyヘルプセンターは、従来のOrder Printerアプリについて「廃止され、サポートやメンテナンスも終了しました」と案内し、新しいShopify Order Printerアプリへテンプレートを移行するよう求めています。移行時にLiquid変数は可能な範囲で自動更新されますが、そのままでは動かず手直しが必要なテンプレートもあるとされています。

出典:Shopifyヘルプセンター「従来のOrder PrinterアプリからShopify Order Printerアプリへの移行」

いま自作に着手するなら、新しいShopify Order Printerアプリの上で作ってください。そのうえで、判断軸3で書いた端数処理の作り込みは自分の責任範囲になります。税率ごとの対価を集計して1回だけ丸める処理をLiquidで書き、テスト注文で検算するところまでがセットです。そこまでやる時間があるかどうかが、自作と有料アプリの分かれ目になります。

そもそもアプリを入れない選択肢はある?

あります。すでに受注管理システム(OMS)を使っているストアです。楽天やAmazonと併売していて注文を一元管理している場合、帳票はOMS側で出すほうが自然です。Shopify側にアプリを入れると、同じ注文に対して2系統の帳票が存在することになり、番号体系も分かれます。

ただし「OMSを入れているから大丈夫」とも言い切れません。公式ページで確認できた範囲を書いておきます。

機能一覧のページに載っているのは受注管理・在庫管理・商品登録・送り状発行システム連携などで、帳票発行そのものは項目として出てきません。公式FAQは「下記のアプリを使い、発送連絡メールに納品書、領収書のダウンロードURLを自動で差し込むことが可能です」として、ウェブ領収書・PRO自動納品書領収書発行アプリ・領収書・納品書発行アプリの3本を挙げています。つまりネクストエンジン側でもアプリを足す構成です。Shopifyとの連携については、ロケーションと拠点を照合した在庫連携が2026年9月以降の対応予定として記載されています。

出典:ネクストエンジン「納品書、領収書をペーパーレス化できますか」

出典:LOGILESS「LOGILESSで発行した領収書をインボイスとして利用できますか?」

出典:LOGILESSヘルプセンター「受注伝票から納品書を印刷する」

注目してほしいのは、LOGILESSのFAQに書かれている積上消費税のズレです。判断軸3で扱った端数処理の問題は、Shopifyのアプリだけの話ではなく、注文明細から帳票を起こすシステムに共通して起きます。OMSを使う場合でも、税率ごとの消費税額がどう計算されているかは自分で検算しておいてください。

判断の順序はシンプルです。Shopify単店で運営しているならShopifyアプリ、複数モールと併売していてOMSに注文が集まっているならOMS側。両方で出すのは、番号の重複と控えの分散を招くので避けてください。どちらで出すかを決めてから、この記事の5軸を当ててください。

導入前に社内で決めておくことは?

アプリを入れる前に決めておくと、あとで作り直さずに済む項目があります。

  1. 1

    帳票番号の体系を決める

    請求書番号の採番ルールを先に決めます。年度をまたいだときにリセットするのか通し番号にするのか、返品・再発行の番号をどう扱うのか。あとから変えると、過去分と新規分で体系が混ざります。
  2. 2

    宛名のデフォルトを決める

    注文者名をそのまま使うのか、会社名を優先するのか。BtoBがあるなら、会社名と担当者名のどちらを宛名にするかを決めておきます。
  3. 3

    発行のタイミングを決める

    注文時なのか、支払い完了時なのか、発送時なのか。領収書は入金が確定してからでないと出せません。自動発行を使うなら、どのイベントで走らせるかを決めます。
  4. 4

    控えの保存先を決める

    アプリ内に残すのか、定期的にCSVやPDFで書き出して自社のストレージに置くのか。解約や乗り換えを考えると、アプリの外にも残しておくほうが安全です。
導入前のチェック項目を整理するイメージ

ここまで決めてからアプリの無料トライアルを触ると、「この設定はできるのか」という観点で見られるので、判断が速くなります。逆に決めずに触ると、どのアプリも同じように見えてしまいます。

納品書を同梱するストアなら、送り状をどこで作るかも同じタイミングで決めておくと二度手間になりません。配送業者ごとの取込形式は Shopifyの送り状CSVの作り方 で整理しています。帳票アプリの側で送り状CSVまで出せると、納品書と送り状を同じ選択画面から作れます。

まるっと請求書はどの軸をカバーしている?

わたし(SHIN)が開発・運営している日本市場特化のアプリです。上の5軸に対する立ち位置を書いておきます。料金とプランごとの機能は、App Storeのリスティングに表示されているとおりです。

Free

無料

まず試したい方向け

月間の請求書発行は5件まで(請求書のみ)。インボイス制度の法定6項目に対応し、発行前プレビューと備考欄が使えます。クレジットカードの登録は不要です。

おすすめ

Basic

$9.99 /月

BtoCから小規模BtoBまで

枚数無制限で請求書・納品書・領収書を発行。発行済み帳票の検索、帳票一覧のCSV出力、税額差異の調整、お客様による領収書セルフ発行、支払い完了時の自動発行、ロゴ・印影・カスタムフォントの帳票カスタマイズに対応します。7日間の無料体験付きです。

Pro

$19.99 /月

BtoB取引があるストア向け

Basicの全機能に加えて、一括PDF発行(1回最大50件)、ヤマト・佐川などの配送伝票CSVと発送準備セット、会計ソフト向け仕訳CSV連携、見積書の作成・管理、月末締めの合算請求書(店舗別小計対応)、取引先の登録・管理、Shopify B2B会社との連携に対応します。7日間の無料体験付きです。

5つの軸に当てはめると、次のようになります。

  • 帳票の種類 — 請求書・納品書・領収書はBasicから。見積書と合算請求書はPro
  • 法定6項目 — 無料プランを含め、全プランで対応
  • 税額差異の調整 — Basic以上。税率ごとに端数を補正できます
  • セルフ発行 — Basic以上。お客様が注文履歴から発行できます
  • 電帳法まわり — Basic以上で発行済み帳票の検索とCSV出力に対応

管理画面・ヘルプ・サポートまで日本語です。ほかのアプリと比べるときは、無料プランの上限(月5件・請求書のみ)と、見積書や合算請求書がProである点を条件に入れて比べてください。

出典:まるっと請求書|インボイス・B2B(Shopify App Store)

よくある質問

できません。最大の理由は、適格請求書発行事業者の登録番号を持つ標準フィールドが注文データに存在しないことです。metafieldやアプリ側の設定で保持する必要があります。加えて、税率ごとに区分した消費税額を帳票の形で出力する機能も標準にはないため、アプリか外部ツールが必要になります。

端数処理を行う単位が違うためです。Shopifyヘルプセンターによれば、Shopifyは注文の各項目に税率を適用して丸め、その小計を合計して税額を出します。一方、国税庁は適格請求書の消費税額等について「一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う」としており、商品ごとに丸めた額を合計することは認められないと明記しています。税率ごとに税額を手動で上書きできるアプリを選ぶと、この調整が1画面で終わります。

国税庁のQ&A問57は、個々の商品ごとに消費税額等を計算して1円未満の端数処理を行い、その合計額を消費税額等として記載することは認められないとしています。帳票に印字する「税率ごとの消費税額」は、税率ごとの対価の合計額から1回だけ計算し直した値にしてください。アプリを選ぶときは、この計算をアプリ側でやってくれるかを確認するのが確実です。

紙で交付する場合は必要です。国税庁のタックスアンサーでは、売上代金に係る金銭の受取書は5万円未満が非課税、5万円以上100万円以下が200円とされています。一方で、質疑応答事例は「印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません」としています。PDFをメールで送る、マイページからダウンロードしてもらうといった電子交付なら、課税文書を作成したことにならないという整理です。ただし、そのあとで紙の現物を渡すと課税関係が変わりますので、電子で完結させてください。

小売業など不特定多数に販売する業種であれば、宛先を省略し、適用税率と消費税額等のどちらか一方を記載した簡易インボイスを交付できます。ただし、法人のお客様から経費精算用に宛名入りを求められることは実際にあります。簡易インボイス対応だけのアプリを選ぶと、その依頼が来たときに手作業に戻ります。宛名を編集できるかどうかは確認しておいてください。

緩和があります。税務職員によるダウンロードの求めに応じられるようにしている場合、範囲指定と項目の組み合わせの要件は不要になります。さらに、判定期間に係る基準期間の売上高が5,000万円以下の事業者、または出力した書面を日付と取引先ごとに整理して提示できる事業者は、すべての検索機能の確保が不要とされています。自社がどこに当てはまるかを先に確認すると、アプリの選択肢が広がります。

領収書や請求書に比べると対応アプリは限られます。BtoB取引があり、取引前に金額を提示する場面があるなら、選定条件に入れてください。見積書だけ別ツールで作ると、書式が揃わず番号管理も分断されます。

注文がOMS側に集まっているなら、帳票もOMS側で出すほうが一元化できます。LOGILESSは受注伝票から納品書を印刷でき、媒介者交付特例に基づくインボイス対応の領収書も発行できると公式FAQに書かれています。ネクストエンジンは機能一覧に帳票発行が含まれておらず、公式FAQでは発送連絡メールに納品書・領収書のダウンロードURLを差し込むアプリが案内されています。いずれにせよ、Shopify側とOMS側の両方で帳票を出すと番号体系が分かれるので、どちらで出すかを先に決めてください。

使われている量の目安にはなりますが、日本の要件を満たすかどうかは別です。たとえばOrder Printer Proはレビュー2,895件・★4.9で、この分野では突出しています。ただしリスティングに日本のインボイス制度や税率ごとの端数処理についての記載はありません。逆に日本製アプリはレビュー件数が1桁のものも多くあります。件数は「壊れにくさ」の参考にして、要件の充足は機能一覧で別に確かめてください。

発行済みの帳票データを引き継ぐ仕組みは基本的にないため、切り替え日を決めて、それ以降の注文分を新しいアプリで発行する運用が現実的です。過去分は旧アプリでPDFを書き出して保管しておけば、交付したインボイスの写しの保存にも対応できます。切り替えるなら期の変わり目が扱いやすいタイミングです。

まとめ

帳票アプリは「発行できるかどうか」で選ぶと、あとから運用コストの形で差が出ます。確認する順序は次のとおりです。

  1. 1

    1年後に必要な帳票まで洗い出す

    いま必要な1種類ではなく、BtoB取引が増えたときに必要になる帳票まで含めて考えます。
  2. 2

    税率ごとの端数処理をアプリ側でやってくれるか確かめる

    行ごとに丸めた税額の合計は、適格請求書の消費税額等として認められません。テスト注文を1件通して、印字される税額を検算してください。
  3. 3

    会計ソフトとの突き合わせがあるか確認する

    経理と毎月照合しているなら、税額調整の可否が最優先の判断軸になります。
  4. 4

    発行依頼の件数を数える

    月に数件ならセルフ発行は不要です。件数が増えているなら、依頼対応の工数が月額を上回ります。

→ まるっと請求書をApp Storeで見る

この記事はShopify予約アプリ「まるっと予約」の開発元であるPepinが執筆しています。

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SHIN

この記事の執筆者

SHIN

Pepin代表、Webエンジニアとして10年以上の経歴を持ち、
Shopifyアプリ・ストア開発 / webサービス開発 / メディア運営などマルチに活動。

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