How to Start Cross-Border Ecommerce with Shopify
「日本の商品を海外のお客様に届けたい」。そう思ったことはありませんか。
越境EC(クロスボーダーEC)は、いまや大企業だけのものではありません。個人事業主や小規模ストアでも、Shopifyを使えば驚くほど手軽に海外販売を始められる時代になりました。
日本製品は海外で根強い人気があります。化粧品、食品、アニメグッズ、伝統工芸品。こうした商品を待ち望んでいる人が世界中にいます。そして Shopify には、越境ECを始めるための仕組みがすでに揃っています。
この記事では、Shopifyで越境ECを始めるための具体的な手順を、設定から決済・配送まで一気通貫で解説します。初めての海外販売でも迷わないように、ステップバイステップで進めていきましょう。
なぜ今、越境ECがチャンスなのか
まず、越境ECを取り巻く環境を整理しておきましょう。
出典:経済産業省 令和5年度 電子商取引に関する市場調査報告書
中国の消費者が日本のECサイトから購入した金額は 約2兆4,301億円(2023年推計)。アメリカからも 約1兆4,798億円 の購入があります。これらの数字は年々増加傾向にあり、日本の商品に対する海外需要は確実に伸びています。
越境ECが追い風を受けている理由はいくつかあります。
- 01
円安の恩恵
円安が続く環境では、海外の消費者にとって日本製品が「お得」に映ります。為替レートが購買意欲を後押ししてくれます。 - 02
日本ブランドへの信頼
Made in Japanの品質は世界的に高く評価されています。化粧品、家電、食品、文具など幅広いジャンルで需要があります。 - 03
プラットフォームの進化
Shopifyをはじめとするプラットフォームが越境EC機能を大幅に強化。かつては専門知識が必要だった多通貨・多言語対応が、管理画面から設定できるようになりました。 - 04
物流インフラの整備
DHL、FedEx、日本郵便のEMSなど、国際配送の選択肢が増え、コストも以前より下がっています。
つまり、始めるならいまが良いタイミングです。
Shopifyが越境ECに強い理由
越境ECのプラットフォームはいくつかありますが、Shopifyが特に強いのには明確な理由があります。
- Shopify Markets
2021年にリリースされた、Shopifyの越境EC向け統合管理ツールです。言語・通貨・配送・税金など、これまでバラバラに管理していた越境ECの設定を、ひとつの管理画面から日本語で一元管理できます。ベーシックプラン以上で利用可能です。詳しくは Shopify公式ブログ を参照してください。
Shopify Marketsはベーシックプラン(月額33ドル)以上で無料利用できます。越境ECを本格的に展開するなら、高度なレポート機能も使える Shopifyプラン(月額92ドル) 以上がおすすめです。
Shopify Marketsの設定方法
ここからは実際の設定手順を解説していきます。Shopifyの管理画面から操作するだけなので、技術的な知識は不要です。
ステップ1:マーケットを追加する
- 1
設定画面を開く
Shopifyの管理画面から 設定 → マーケット に移動します。 - 2
マーケットを追加
「マーケットを追加」ボタンをクリックします。 - 3
マーケット名と国を設定
マーケット名(例:「北米」「アジア」)を入力し、対象となる国・地域を選択します。似た条件の国をまとめてひとつのマーケットにすると管理がしやすくなります。 - 4
保存して有効化
設定を保存し、マーケットを有効にします。有効にした瞬間から、対象国の訪問者にローカライズされた表示が適用されます。

マーケットは複数作成できます。たとえば「北米」「ヨーロッパ」「アジア」のように地域別に分けると、地域ごとに異なる戦略を取りやすくなります。
ステップ2:マーケットの詳細を設定する
マーケットを追加したら、以下の項目をそれぞれ設定していきます。
- 通貨:マーケットのローカル通貨を設定
- 言語:対象言語を追加し、翻訳を設定
- 送料:対象国への配送料を設定
- 税金と関税:動的な関税・税金の表示を有効化
- ドメイン:サブドメインまたはサブフォルダで国別URLを設定(任意)
多言語・多通貨対応のやり方
越境ECで売上を伸ばすうえで、言語と通貨の現地化は欠かせません。自分の言語で、自分の通貨で買い物できるかどうかは、購入率に直結します。
多言語対応
Shopify Marketsでは 最大20言語 まで対応できます。翻訳の方法は主に3つあります。
| 方法 | 特徴 | おすすめの場面 |
|---|---|---|
| Translate & Adapt(公式・無料) | 自動翻訳をベースに手動で調整可能。ストア全体を翻訳対象にできます | まず最初に試したい方 |
| Weglot / Langify | 高度な翻訳管理やSEO対応に強い。月額費用あり | 大規模な多言語展開 |
| CSVインポート | プロの翻訳者に依頼した翻訳を一括反映 | 品質を最優先したいブランド |
自動翻訳だけに頼るのは危険です。特に商品説明やブランドメッセージは、不自然な翻訳が信頼を損ねます。主力商品の説明文だけでも、ネイティブチェックを入れることを強くおすすめします。
多通貨対応
Shopifyペイメントを有効にしていれば、 130以上の通貨 で価格を自動表示できます。設定は以下の通りです。
- 1
Shopifyペイメントを有効化
設定 → 決済 から Shopifyペイメント を有効にします。すでに有効なら次へ進みましょう。 - 2
マーケット通貨を確認
設定 → マーケット から各マーケットを開き、通貨設定を確認します。自動で現地通貨が設定されていますが、変更も可能です。 - 3
端数処理ルールを設定
「$19.99」のような価格設定が現地で自然かどうかを確認し、端数処理のルールを調整します。
通貨換算には為替レートに基づく自動変換のほか、マーケットごとに固定価格を設定することもできます。利益率を確保したい商品は固定価格がおすすめです。
国際配送の設定
海外のお客様にとって、配送スピードと送料は購入を左右する大きな要因です。Shopifyでは、マーケットごとに配送料を柔軟に設定できます。
主な国際配送手段
| 配送サービス | 特徴 | 配送日数 |
|---|---|---|
| 日本郵便(EMS) | コストを抑えたい場合に。120以上の国・地域に対応 | アジア向け3〜7日 |
| DHL Express | スピード重視。追跡も充実。コストは高め | 2〜5日でほぼ世界中 |
| FedEx | 北米・ヨーロッパ向けに強い。法人契約で割引も | 2〜5日 |
配送料の設定手順
- 1
配送エリアを作成
設定 → 配送と配達 から、国際配送用の配送エリア(ゾーン)を作成します。「北米」「アジア」「ヨーロッパ」のようにまとめると管理しやすくなります。 - 2
送料を設定
各ゾーンに対して送料を追加します。固定料金(例:アジア向け2,000円)や、重量別・金額別の条件付き送料が設定できます。 - 3
配送キャリアとの連携
DHLやFedExと契約がある場合は、Shopify Shipping や配送アプリを使ってリアルタイムの送料計算を有効にできます。
「〇〇ドル以上で送料無料」のような施策は、越境ECでも客単価アップに効果的です。マーケットごとに閾値を変えて設定しましょう。
関税・税金の設定
越境ECで見落としがちなのが、関税と輸入税の扱いです。チェックアウト時に関税が不明だと、届いたときに予想外の追加請求が発生し、クレームや返品の原因になります。
- HSコード(統計品目番号)
国際的に統一された商品分類コードです。このコードをもとに各国の関税率が決まります。Shopifyの商品登録画面で設定できます。詳しくは Shopify公式ヘルプ を参照してください。
関税を事前徴収する設定
- 1
HSコードを登録
管理画面の商品ページで、各商品にHSコードと原産国を設定します。 - 2
関税徴収を有効化
設定 → マーケット から対象マーケットを開き、「関税と輸入税」セクションで徴収を有効にします。 - 3
表示方法を選択
チェックアウト画面で関税を個別の明細として表示するか、商品価格に含めるかを選択します。透明性を重視するなら、個別表示がおすすめです。
関税の事前徴収を使うには、Shopifyペイメントが有効であることが条件です。また、HSコードの設定漏れがあると正確な計算ができないので、商品登録時に必ず設定しましょう。
Managed Markets(Global-e連携)という選択肢
より本格的に越境ECを展開したい場合は、 Managed Markets の利用も検討してみてください。これはShopifyが Global-e と連携して提供するサービスで、Global-eが「販売者の代理」(Merchant of Record)として機能します。
つまり、現地の法律や規制への対応をGlobal-eが代行してくれるため、ストアオーナーの負担が大幅に軽くなります。関税計算の精度も高く、大規模な越境展開を目指す場合には心強い選択肢です。詳しくは Shopify公式ヘルプ を確認してみてください。
海外向けの決済方法
海外のお客様が「使いたい決済方法がない」と感じた瞬間、カゴ落ちが発生します。主要な決済方法はきちんと押さえておきましょう。
最低限、 Shopifyペイメント + PayPal の2つは必ず有効にしておきましょう。この組み合わせで、主要市場のほとんどをカバーできます。決済設定は 設定 → 決済 から行えます。詳しくは 決済方法の設定ガイド も参照してください。
成功のポイントとよくある失敗
最後に、越境ECで押さえておきたいポイントと、初心者が陥りがちな失敗パターンをまとめておきます。
成功のための5つのポイント
- 01
小さく始めて、データで判断する
最初からすべての国に対応しようとせず、1〜2か国に絞ってテスト販売しましょう。どの国から注文が来るか、どの商品が人気かをデータで把握してから拡大するのがおすすめです。 - 02
翻訳の品質にこだわる
自動翻訳は下訳として使い、主力商品の説明文はネイティブスピーカーにチェックしてもらいましょう。不自然な翻訳はブランドの信頼を損ねます。 - 03
送料と関税を透明にする
チェックアウト時に「思ったより高い」と感じさせないことが重要です。送料と関税を事前に明示して、サプライズコストをなくしましょう。 - 04
現地のマーケティングチャネルを使う
北米ならGoogle / Instagram広告、中国なら小紅書(RED)やWeChat、東南アジアならShopeeやLazadaとの連携など、ターゲット市場に合ったチャネルを選びましょう。 - 05
カスタマーサポートの言語対応
最低限、英語での問い合わせに対応できる体制を整えましょう。定型の返信テンプレートを用意しておくだけでも違います。
よくある失敗パターン
HSコードの設定を怠ると、チェックアウト時に関税が計算されず、配送時に受取人が追加の関税を請求されます。これは最もクレームにつながりやすい失敗です。商品登録時に必ずHSコードと原産国を設定し、関税の事前徴収を有効にしましょう。
自動翻訳をそのまま使った結果、商品説明が不自然になり、「怪しいサイト」と思われてしまうケースです。特にブランドストーリーや商品の魅力を伝える部分は、人の手による翻訳が不可欠です。
最安の配送方法だけを用意した結果、到着まで2〜3週間かかり、顧客の期待とずれてしまうパターンです。コストは上がっても、Express配送のオプションは必ず用意しておきましょう。
国によって輸入禁止品目や成分規制が異なります。特に食品、化粧品、サプリメントは各国の規制を事前に確認する必要があります。「日本で合法 = 海外でもOK」とは限りません。
一度にたくさんの国に販売しようとすると、カスタマーサポートや物流が追いつきません。まずは需要が見込める1〜2か国に集中し、ノウハウを蓄積してから拡大するのが堅実です。
まとめ
Shopifyの越境EC機能は、ここ数年で劇的に進化しました。Shopify Marketsを使えば、多言語・多通貨・関税・配送といった越境ECの複雑な設定を、ひとつの管理画面からまとめて行えます。
越境ECを始めるためのステップをおさらいしましょう。
- Shopify Marketsでターゲット国のマーケットを作成する
- 多言語・多通貨の設定を行う
- 国際配送の送料とキャリアを設定する
- HSコードを登録し、関税の事前徴収を有効にする
- Shopifyペイメント + PayPalで決済環境を整える
- まずは1〜2か国でテスト販売を開始する
大切なのは、完璧を目指して準備に時間をかけすぎないことです。Shopifyなら設定変更はいつでもできます。まずは小さく始めて、反応を見ながら改善していくのが、越境ECで成功する一番の近道です。


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