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サロン料金比較集客・SEO

ホットペッパーから自社予約サイトへ移行する手順とコスト比較【美容室】

ホットペッパーから自社予約サイトへ移行する手順とコスト比較【美容室】
移行を判断するイメージ

ホットペッパーから自社予約への移行は、掲載をいきなり止めるのではなく、自社予約サイトを先に立ち上げて半年ほど並走させるのがいちばん安全です。自社側にかかるのは Shopify の月額4,850円(月払いのBasic)と予約アプリの利用料だけで、まるっと予約には無料プランもあります。一方でホットペッパービューティーの掲載料はエリアとプランによって変わり、公式には金額が公開されていません。だから比較の出発点は、ネットで拾った相場ではなく、自店の請求明細に印字されている金額です。

わたし(SHIN)は、この記事の移行先の1つとして比較表に挙げているShopify予約アプリ「まるっと予約」の開発者です。利益相反がある立場で書いています。ホットペッパービューティーの掲載料は公式に非公開のため数字を作らず、移行先各社の月額はすべて公式料金ページを確認した数字だけを書きました。弱点も書いておきます。まるっと予約はApp Storeのレビューが0件で、Built for Shopify認定も未取得です(2026年9月15日にApp Storeで確認)。STORES予約やAirリザーブのような運用実績の蓄積は、まだありません。

この記事では、公式ページで確認できる数字と、確認できない数字をはっきり分けて書きます。そのうえで、自分の請求額を入れれば判断できる計算式と、移行の手順をまとめました。

自社予約サイトとは?

ポータルサイトを経由せず、自分の店のドメインとデザインで予約を受け付けるサイトのことです。予約の申し込み情報も顧客リストも自社側に残ります。

サロンの施術風景

ホットペッパーから自社予約への移行が向いているのはどんなサロン?

先に結論から書きます。移行が向いているのは、次の条件に当てはまるサロンです。

  • 来店客のうちリピーターの割合が高く、指名で回っている
  • Instagram やGoogle マップから、すでにある程度の問い合わせが来ている
  • 掲載料の負担が、スタッフの待遇や設備投資を圧迫していると感じている
  • 店販(シャンプー・トリートメントなど)を売っている、または売りたい
  • 半年ほど並走する余力がある

逆に、次のような状態なら、いまは移行を急がないほうがいいとわたしは考えます。

新規予約のほとんどがポータル経由で、SNS もGoogle マップもほぼ未着手。この状態で掲載を止めると、置き換える受け皿がないまま入口だけが閉じます。まずは自社予約サイトを用意して、既存のお客様の再来店をそこに寄せるところから始めてください。掲載の停止はその後です。

新規獲得をポータルに頼りきっている場合の考え方は、予約ポータルサイトに依存するリスクと自社集客への切り替え方 にも整理しています。

こんなサインが出ていたら、移行を考えはじめるタイミングです

上のチェックリストは「移行に耐えられる体質かどうか」を見るものでした。それとは別に、 いま動くべきか を教えてくれるサインがあります。日々の予約表と請求明細を見ていると、だいたい次の3つの形で出てきます。

  • 指名での予約が、予約全体の半数を超えてきた
  • ポータル経由の新規が、去年の同じ月より減っている
  • 初回のお客様がクーポン目当てで、2回目につながっていない

3つとも、言っていることは同じです。 掲載料を払って買っているはずの「新規との出会い」が、支払額に見合わなくなってきている という合図です。とくに1つ目は見落とされがちで、指名で回っている予約はポータルがなくても成立する予約ですから、その比率が上がるほど掲載料の重さは相対的に増していきます。

逆にいえば、このサインが出ていないうちは急ぐ理由がありません。掲載料を高いと感じるかどうかは気分の問題ですが、上の3つは数えられる事実です。感覚ではなく、この3つが動いたかどうかで判断してください。

ホットペッパーの掲載料はいくら?公式に確認できること

ここがいちばん誤解されやすいところです。ホットペッパービューティーの公式な掲載案内ページには、プラン別の金額が載っていません。掲載費についての記載は「ご希望のエリアやプランによって異なります。詳しくはお問い合わせください」という趣旨のもので、申し込みは問い合わせ窓口(電話またはフォーム)から担当者と打ち合わせて契約を確定する流れになっています。

出典:ホットペッパービューティー 掲載・料金・申込(株式会社リクルート)

つまり、 掲載料はプランとエリアで変動し、公式には非公開 です。ネット上には「プラチナは月額◯◯万円」といった相場表が数多く出回っていますが、その多くは代理店や第三者メディアが独自にまとめたもので、リクルートが公表した数字ではありません。参考にするのは自由ですが、自店の判断材料にするには弱すぎます。

ネット予約1件ごとの手数料についても同じです。料率を挙げている記事はありますが、わたしが確認した範囲では公式の掲載案内ページに記載がありませんでした。そのため、この記事では手数料の料率を数字で書きません。

では何を見ればいいのか。答えはシンプルで、手元にある3つの書類です。

  1. 1

    毎月の請求明細

    掲載料の本体価格と、予約に連動して発生している費用が分かれて記載されているはずです。この2つを足した金額が、あなたのサロンの「毎月の実額」です。
  2. 2

    契約書・申込書

    契約期間、自動更新の有無、中途解約の扱い、プラン変更の申し出期限が書かれています。移行スケジュールはこの期限に合わせて組みます。
  3. 3

    管理画面の予約実績

    ポータル経由の予約が月に何件あり、そのうち新規が何件かを数えます。移行で失うのは、この「新規の件数」です。

プラン構成の全体像や、掲載料の見直しの考え方は ホットペッパービューティーの掲載料はいくら?プラン別の費用と「元が取れる」ライン にまとめています。

この記事は他社サービスの評価をするものではありません。ホットペッパービューティーは国内最大級の集客力を持つサービスで、掲載料には検索での露出やクーポン配信といった集客機能が含まれています。単純な月額の大小で優劣を語れるものではない、というのが前提です。

自社予約サイトの費用はいくら?

こちら側は公式ページに金額が載っているので、正確に書けます。

Shopify の月額

日本向けの料金ページに記載されている月額は次の通りです。

プラン月払い年払い
Basic4,850円3,650円
Grow13,500円10,100円
Advanced58,500円44,000円

サロンの予約サイトであれば、まずは Basic で足ります。

Shopify ペイメントを使った場合の国内クレジットカード手数料も同じページに記載があり、Basic は3.55%、Grow は3.4%、Advanced は3.25%です。

出典:Shopify 料金プラン(日本)

決済の仕組みそのものについては、Shopify のヘルプにある Shopify ペイメントの解説ページ が一次情報です。

まるっと予約の月額

わたしが開発している予約アプリ「まるっと予約」の料金は、Shopify アプリストアのページに掲載されています。

プラン月額位置づけ
Free無料累計10件まで。まず動かして試す段階
Starter$19.99月30件まで。小規模サロンの通常運用
Growth$49.99予約無制限・カレンダー同期が必要な場合
Pro$99.99複数店舗・顧客プロフィール活用

出典:まるっと予約(Maru Booking & Appointments)Shopify アプリストア

料金はドル建てなので、円での請求額は為替によって変わります。仮に1ドル150円で計算するなら、Starter は約3,000円、Growth は約7,500円という見当です。これは為替の予想ではなく、あくまで換算の例として読んでください。

合計するとこうなります

4,850円

Shopify Basic(月払い)

$19.99

まるっと予約 Starter

3.55%

国内カード決済手数料(Basic)

このほかに、独自ドメインの費用がかかります。Shopify で購入することも、外部で取得したドメインを接続することもでき、金額は取得元とドメインの種類によって変わります。手順は Shopify ヘルプのドメイン解説 にまとまっています。

無料プランや無料体験でどこまで試せるかは、Shopify予約アプリの無料体験・無料プラン比較 で整理しています。

自社予約サイトを立ち上げるイメージ

ホットペッパーから自社予約サイトへ移行するとコストはどう変わる?

ここまでで分かる通り、片側(自社予約サイト)は金額が確定していて、もう片側(掲載料)は各店で違います。なので「5年で◯◯万円の差」と一律に言うことはできません。代わりに、自分の数字を入れて計算してください。

計算式

毎月浮く金額 = いまの請求明細の合計 −(Shopifyの月額 + 予約アプリの月額)

Shopify Basic とまるっと予約 Starter の組み合わせなら、自社側は月額1万円弱です。請求明細の合計がこれを上回っている分が、そのまま毎月の余力になります。

そのうえで見るべきは「浮いた分で新規を何人買えるか」

ここを飛ばすと判断を間違えます。掲載を止めると、ポータル経由の新規予約は止まります。浮いた金額は削減額ではなく、 新規集客を自前で作るための予算 に変わると考えてください。

許容できる新規減 = 毎月浮く金額 ÷ 新規1人あたりの平均単価

たとえば毎月10万円浮いて、新規のお客様の平均単価が1万円なら、月10人ぶんの新規売上までは失っても収支は変わらない計算になります。いま自社サイトとSNSで月に何人取れているか、そして浮いた予算でそれを何人まで伸ばせるかを並べれば、移行の可否はかなりはっきりします。

※ 上のシミュレーターは、自社予約サイト側を月額約10,000円として計算しています。実際には Shopify のプランと予約アプリのプラン、為替によって前後します。

売上ベースでの検証は 美容室がホットペッパーを辞めたらどうなる?売上シミュレーション も参考にしてください。

移行先はShopify以外にどんな選択肢がある?

わたしはまるっと予約を作っている側の人間なので、当然Shopifyを勧める立場です。ただ、移行先を1つしか見ないまま決めるのは、いちばんもったいない進め方だと思います。公式ページで月額を確認できたサービスを並べておきます。金額はすべて各社の公式ページの表記で、2026年9月時点のものです。

移行先月額(公式ページの表記)予約件数の扱い物販
Shopify+まるっと予約Shopify Basic 4,850円(年払い3,650円)+まるっと予約 無料〜$99.99Growth($49.99)以上で無制限同じサイトで予約と一緒に販売できる
STORES予約フリー0円/スモール9,790円/チーム19,690円/ビジネス28,600円(年間契約時)月50件・200件・300件・2,000件でプランが決まるSTORESのネットショップ側を併用
Airリザーブフリー0円/ベーシック5,500円(税込)/スタンダード11,000円(税込)「何件予約が入っても月額費用は変わりません」と記載予約に特化
Square 予約フリー0円/プラス3,000円/プレミアム8,000円(1店舗あたり・月額)料金ページに件数の区切りの記載は見つかりませんでしたSquare のネットショップ側を併用
サロンボードを使い続ける利用料は無料。ただし掲載が前提掲載プランに準じます予約・顧客・レジ管理が主で物販は対象外

出典:STORES 予約 利用料金・プラン

出典:Airリザーブ(株式会社リクルート)

出典:Square 予約 の料金プラン

出典:SALON BOARD 機能一覧(株式会社リクルート)

見落とされがちなのは「サロンボードが掲載とセットである」こと

いちばん注意してほしいのがこの点です。サロンボードの公式ページには、全機能を無料で使えるとしたうえで、利用にはホットペッパービューティーの掲載が必要だと明記されています。

出典:SALON BOARD 機能一覧(株式会社リクルート)

掲載をやめるという判断は、集客の入口を閉じる判断であると同時に、 日々使っている予約台帳・顧客情報・売上集計をどうするかという判断 でもあります。ここを分けて考えていないと、掲載終了日に予約表そのものが手元から消えて慌てることになります。

サロンボードの機能一覧には「予約データ出力」(予約情報をデータで出力できる)と「お客様情報一括登録・変更・削除」(外部で管理している顧客情報を一括登録できる)が挙げられています。掲載を終える前に、出力できるデータは出力して手元に落としておいてください。これは移行先をどこに決めるかとは関係なく、全員がやるべき作業です。

  • 掲載終了日より前に、予約データを出力して保存した
  • 顧客情報の控えを、自分が読める形式(表計算ソフトなど)で持った
  • 売上集計は必要な期間ぶんを先に書き出した
  • 出力したデータの取り扱い(保管場所・共有範囲)を決めた

ここで期待しすぎないでほしいのは、出力できるのはあくまで手元に残す控えまでだという点です。ポータル側に溜まった予約履歴を、そのまま自社予約サイトの予約データとして読み込ませることはできません。自社側の履歴は、サイトを公開した日からの積み上げになります。だからこそ、並走を早く始めたサロンほど、掲載を終える時点で手元に残っているものが多くなります。

この表で確認できなかったこと

正直に書いておきます。次の項目は公式ページで確定できなかったため、この記事では数字を出しません。ご自身で各社に確認してください。

  • 各サービスの決済手数料に、自店で実際に適用される料率
  • 表示価格の税の内訳(税込・税抜の別を明記していないページがあります)
  • オプション機能・初期設定費用・複数店舗時の加算
  • 期間限定のキャンペーン価格が、継続後にいくらになるか

Airリザーブとの比較をもう少し細かく見たい方は Airリザーブ vs Shopify+まるっと予約 に、決済手数料だけを軸にした比較は 予約システムの決済手数料を比較 にまとめています。

移行して得られるもの・失うもの

メリット
予約システムの固定費が、自店の請求額と自社運用費の差のぶんだけ軽くなる
顧客のメールアドレス・予約履歴・購買履歴が自社側に残る
事前決済(デポジット)を設定でき、無断キャンセル対策になる
デザインと見せ方を自分で決められる
店販品のオンライン販売と予約を1つのサイトにまとめられる
デメリット
ポータル経由の新規流入がなくなる
ポータルに溜まった口コミは持ち出せない
集客を自前でやる工数が増える(SNS・Google マップ・メール)
既存のお客様に予約先が変わったことを伝える手間がかかる

失うもののうち、いちばん現実的に効いてくるのは口コミです。ポータルに何年もかけて積み上げたレビューは移せません。移行を決めたら、Google ビジネスプロフィール側の口コミを並行して増やしておくのが現実的な打ち手になります。

顧客データが手元に残るとは、具体的にどういうことか

ポータル経由の予約では、顧客情報はポータル側の管理画面で扱う形になります。自社予約サイトなら、Shopify の顧客データとしてメールアドレス・来店履歴・購入履歴がひとつのデータベースに入ります。

そうなると、たとえば「前回のカラーから8週間経ったお客様にだけメールを送る」「トリートメントを買ったことがある人に新商品を案内する」といった絞り込みができます。リピート施策の作り方は Shopifyで顧客管理を始める方法 に書きました。

事前決済で無断キャンセルを減らす

まるっと予約は Shopify の決済と連動するので、予約時に前金を受け取る設定ができます。全額前払いにすると心理的なハードルが上がるので、指名料ぶんだけ、あるいは施術料の一部だけを先にいただく設計にするサロンが多いです。金額の決め方は 予約のドタキャン・ノーショーを防ぐ5つの方法 にまとめています。

ホットペッパーから自社予約への移行はどんな手順で進める?

自社予約サイトを作る
テスト予約で確認
既存客を誘導する
掲載を段階的に縮小
  1. 1Shopifyアカウントを開設してテーマを決める
    Shopify公式サイト からアカウントを作り、サロンの雰囲気に合うテーマを選びます。無料テーマでも十分に作れるので、最初から有料テーマを買う必要はありません。この段階では掲載の解約はまだ考えなくて大丈夫です。
  2. 2まるっと予約を入れてメニューを登録する
    Shopifyアプリストア からインストールし、施術メニュー・所要時間・料金・スタッフを登録します。まずは無料プランで動かして、自店の予約の取り方に合うかを確かめてください。事前決済の金額もここで決めます。
  3. 3テスト予約でひと通り動かす
    公開前に、自分とスタッフで実際に予約を入れてみます。確認メールが届くか、カレンダーに正しく入るか、決済が通るか。ここを飛ばして公開すると、最初のお客様でつまずきます。
  4. 4既存のお客様に新しい予約先を伝える
    来店時のひと声、LINE・メールでの案内、レジ横のPOP、ショップカードのQRコード。1つの手段では届かないので、3か月くらいかけて複数のルートで伝えます。ここが移行のいちばん大事な工程です。
  5. 5掲載を段階的に縮小する
    自社予約サイト経由の予約が増えてきたら、下位プランへの変更を検討します。契約期間と申し出期限があるので、請求明細と契約書を見ながらスケジュールを逆算してください。新規の代替手段が育ってからの縮小が鉄則です。

掲載を縮小する前に、担当者に確認する7項目

5番目のステップ(掲載の縮小)に進む前に、必ず通ってほしい確認があります。プラン変更や解約の相談をする時点で、金額そのものより「金額の条件」を押さえておかないと、想定外の費用が残ります。確認する観点は次の7つです。

  1. 01

    月額掲載料は税抜か税込か

    見積書と請求書の表記を突き合わせます。
  2. 02

    契約期間と、期間内に解約する場合の扱い

    残期間ぶんの支払いが発生するかを書面で確認します。
  3. 03

    自動更新かどうかと、更新時の価格改定

    更新の通知がいつ来るかまで聞いておきます。
  4. 04

    予約に応じて発生する費用の計算方法

    料率だけでなく「何に対して掛かるのか」(税抜の施術料金か、指名料やオプションを含むか)を聞きます。
  5. 05

    ポイントやクーポンの原資負担

    サロン側がどこまで負担しているのかは、掲載料とは別枠で効いてきます。
  6. 06

    オプションの単価と、必須か任意か

    特集枠や写真撮影などは、単価と必須かどうかを分けて確認します。
  7. 07

    掲載順位がどう決まるか

    プランを下げたときに表示位置がどう変わるかが、縮小の影響を読む材料になります。

それぞれの聞き方と、請求明細のどこを見るかは ホットペッパービューティーの掲載料はいくら?非公開の理由と見積もりの取り方 に詳しく書きました。打ち合わせの前に開いておくと、その場で条件を詰められます。

半年でどう進めるか

  1. 1か月目

    自社予約サイトを公開する

    Shopify とまるっと予約を設定し、テスト予約まで完了させます。掲載はそのまま継続します。
  2. 2〜3か月目

    既存のお客様を寄せる

    来店時の声かけとLINE・メールで、再来店の予約を自社サイトに誘導します。Google ビジネスプロフィールの情報も整えます。
  3. 4か月目

    自社経由の比率を測る

    月間予約のうち何件が自社サイト経由かを数えます。ここで初めて、プラン縮小の判断材料が揃います。
  4. 5〜6か月目

    掲載プランを見直す

    契約の申し出期限に合わせて、プラン変更または掲載終了を判断します。新規の入り口が細っているなら、判断を先送りするのも正解です。

並走期間の予約枠はどう管理する?

半年の並走を勧めておきながらこの話を飛ばすのは不親切なので、ここがこの記事でいちばん書きたかった章です。並走期間というのは、要するに 予約表が2つある状態 のことです。サロンボードの予約表と、自社予約サイトの予約表。この2つは自動ではつながりません。

2つの予約表を突き合わせるイメージ

まるっと予約はサロンボードと連携しますか?

開発している本人として、はっきり書きます。 まるっと予約にサロンボードと直接つなぐ機能はありません。 サロンボードに入った予約をまるっと予約の空き枠へ自動で反映することも、その逆もできません。

まるっと予約はGrowth($49.99)以上でGoogleカレンダーとICSの同期に対応していますが、これは「まるっと予約に入った予約を外部のカレンダーへ流す」ための同期です。サロンボード側の予約を取り込む用途には使えません。

出典:まるっと予約(Maru Booking & Appointments)Shopify アプリストア

サロンボード側も調べました。公式の機能一覧に挙がっているのは、予約・スケジュール管理、予定・シフト設定、予約データ出力、顧客管理、メッセージ配信、サロンダイレクト、レジ機能、集計・分析、HOT PEPPER Beautyの掲載管理です。外部カレンダーとの同期や、他社システムとつなぐAPIについては、この機能一覧に記載を見つけられませんでした。

出典:SALON BOARD 機能一覧(株式会社リクルート)

とはいえ「連携できません」と言い切れる根拠をわたしが持っているわけでもありません。ここは こちらでは確認できなかった とだけ書いておきます。実際にどこまでできるのかは、掲載の担当者に直接聞くのが確実です。

いずれにせよ、並走期間は機械の同期を当てにせず、 運用でどちらか一方を正にする のが前提になります。

どちらの予約表を「正」にするか

サロンボードを主台帳にする(並走の前半向き)
スタッフが見る予約表は1つのままで、操作を覚え直す必要がありません
自社サイトに予約が入ったら、その枠をサロンボード側に予定として登録して塞ぎます
登録が漏れた瞬間に二重予約が起きるので、転記のルールを先に決めておく必要があります
自社予約サイトを主台帳にする(並走の後半向き)
移行後の運用をそのまま先取りでき、スタッフが新しい画面に慣れます
ポータル経由の予約が入ったら、まるっと予約側で同じ時間を埋めて塞ぎます
ポータル経由の予約がまだ多い時期にやると、埋める作業の量が増えます

サロンボードの機能一覧には「予定・シフト設定」(シフトや休憩などの予定を登録できる)が挙げられているので、自社サイトで埋まった時間を予定として登録し、ポータル側の空き枠から外す、という運用が取れます。前半3か月はサロンボードを主台帳にして、自社経由の予約が増えてきた後半で入れ替える。これがいちばん無理のない流れだと思います。

転記を減らす3つの工夫

二重入力そのものをゼロにはできません。減らせるのは「転記しなければいけない件数」と「転記までにかかる時間」です。

  1. 01

    自社サイトに出す枠を絞る

    空いている時間を全部出す必要はありません。並走のあいだは1日2〜3枠だけ、あるいは特定の曜日だけを自社サイトに出す。枠が少なければ転記も少なく済みます。

  2. 02

    自社側の受付を前日締切にする

    自社サイトに予約が入ってからポータル側を塞ぐまでには、どうしても空白の時間ができます。その空白のあいだに同じ枠がポータルで埋まると二重予約です。自社側の受付を前日までにしておけば、当日枠はポータル側だけが持つことになり、衝突はほぼ起きなくなります。

  3. 03

    転記する時刻を決める

    「気づいたときに」は必ず漏れます。開店前と閉店後の1日2回、と決めてしまう。前日締切にしておけば、1日2回で十分間に合います。

二重予約が起きたときの扱いを先に決めておく

対策をしていても、並走が半年あれば1件や2件は起こります。起きてから考えると対応が遅れるので、順番だけ先に決めておいてください。

  • 優先するのは、先に入ったほうの予約(時刻で機械的に決める)
  • あとから入ったお客様への連絡は、その日のうちに電話で行う
  • 振替先の候補時間を2つ以上用意してから連絡する
  • お詫びの内容(次回のサービスなど)を先に決めておき、その場で判断しない
  • 連絡する担当者を、スタッフの誰かに決めておく

並走の目的は、入口を2つ持つことではありません。 自社の入口が育つまでの保険 です。枠を絞ってでも自社サイト経由の予約を毎週何件か通して、スタッフが新しい画面に慣れることのほうが、並走期間の成果としては大きいです。

ポータルに頼らない受付の作り方そのものは 予約管理をホットペッパーに頼らず自社で完結させる仕組みの作り方 にも整理しています。

新規集客はどうやって置き換える?

掲載を縮小するぶん、入口を自分で作る必要があります。現実的な選択肢は次の3つです。

Google ビジネスプロフィール

店舗の基本情報、営業時間、写真、クチコミへの返信を自分で管理できます。地図から探す人を受け止める場所なので、自社予約サイトへのリンクを必ず設定しておきます。

出典:Google ビジネス プロフィールとは(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)

LINE 公式アカウント

再来店の案内に向いています。料金プランは公式サイトに明記されていて、コミュニケーションプランが月額0円で無料メッセージ200通、ライトプランが月額5,000円(税別)で5,000通、スタンダードプランが月額15,000円(税別)で30,000通です。配信通数が読めるので、浮いた予算をどこまで使うかを決めやすいのが利点です。

出典:LINE公式アカウント 料金プラン(LINEヤフー for Business)

Instagram と自社サイトの検索対策

スタイル写真との相性がいいのが Instagram、指名検索と地域名検索を拾うのが自社サイトです。どちらも費用は主に工数で、効果が出るまでに時間がかかります。だからこそ、掲載を止める前に始めておく必要があります。Shopify 側でやるべきことは ShopifyのSEO対策ガイド にまとめました。

置き換えの順番は、口コミ資産(Google ビジネスプロフィール)→ 再来店導線(LINE・メール)→ 新規の入口(Instagram・検索)です。いちばん時間がかかるのは最後の1つなので、ここから逆算してスケジュールを組んでください。

実際に掲載をやめたサロンがどうなったかのパターン分けは ホットペッパーをやめたサロンはその後どうなった? に整理しています。

移行前に確認しておくことは?

契約まわりの確認漏れが、移行でいちばん多いつまずきです。

  • 契約期間と自動更新の有無を契約書で確認した
  • プラン変更・解約の申し出期限を把握した
  • 請求明細の内訳(掲載料と予約連動費用)を分けて把握した
  • 月間のポータル経由予約件数と、そのうちの新規件数を数えた
  • 自社予約サイトでテスト予約を通した
  • Google ビジネスプロフィールに自社予約サイトのリンクを入れた
  • 既存のお客様への告知手段を3つ以上用意した
4,850円
Shopify Basic の月額(2026年9月時点)
月払い。年払いなら3,650円
無料
まるっと予約 Free プラン(2026年9月時点)
累計10件の予約まで無料で試せます

よくある質問

併用から始めるのをおすすめします。すでにリピーターが多く、Google マップやSNSからの問い合わせがあるサロンなら完全移行も選択肢ですが、新規の大半がポータル経由なら、まず自社予約サイトを立ち上げて並走させてください。掲載の停止はそのあとで構いません。

公式の掲載案内ページには金額の記載がなく、エリアとプランによって異なるため問い合わせが必要、という案内になっています。確実なのは、自店の請求明細と契約書を見ることと、担当者に直接確認することです。ネット上の相場表は第三者がまとめたもので、自店の条件と一致する保証はありません。

移行できません。ポータルに蓄積されたレビューは持ち出せないので、Google ビジネスプロフィールのクチコミを並行して増やしておくのが現実的です。自社サイト上にお客様の声を掲載する方法もありますが、事実と異なる内容を載せないよう注意してください。

管理画面は日本語で、専門知識がなくても設定できます。まるっと予約も日本語の管理画面と日本語サポートを用意しているので、詰まったところは日本語で相談いただけます。まずは無料プランで予約を1件通してみるのがいちばん早い確認方法です。

Shopify のディスカウントコード機能で割引を発行できます。LINE 公式アカウントと組み合わせて、友だち追加の特典としてコードを配るといった使い方もできます。値引きの表示は景品表示法の対象になるので、比較対照価格の根拠がない「通常価格からの割引」表示は避けてください。

自動で防ぐ仕組みはありません。まるっと予約にサロンボードと直接つなぐ機能はなく、サロンボードの公式な機能一覧にも外部システムと接続する記載を見つけられませんでした。現実的な対策は運用側にあります。どちらを主台帳にするかを決め、自社サイトに出す枠を絞り、自社側の受付を前日締切にして、転記の時刻を1日2回に固定する。この4つで、並走期間の衝突はかなり抑えられます。

サロンボードの公式ページには、全機能を無料で使えるとしたうえで、利用にはホットペッパービューティーの掲載が必要だと記載されています。つまり掲載の判断は、予約台帳と顧客情報をどこに置くかの判断でもあります。掲載を終える前に、予約データの出力と顧客情報の控えを必ず手元に取ってください。実際の停止時期や扱いは契約条件によるので、担当者にも確認してください。

サイトの構築自体は数日から2週間程度ですが、既存のお客様の予約先を移すには、来店サイクル1〜2回ぶんの時間が必要です。3か月から半年を見ておくと、無理なく進められます。

まとめ

  • ホットペッパービューティーの掲載料は エリアとプランで変動し、公式には非公開 。判断材料は自店の請求明細と契約書です
  • 自社予約サイト側は Shopify Basic が月額4,850円(年払い3,650円)、まるっと予約は無料プラン(累計10件まで)から $99.99 まで
  • 浮いた金額は削減額ではなく 新規集客を自前で作るための予算 と考えると、判断を間違えません
  • 掲載の停止は最後。自社予約サイトを先に立ち上げて、半年ほど並走させるのが安全です
  • 並走期間は予約表が2つになります。自動で同期する手段はないので、 主台帳をどちらか一方に決めて 、自社側の枠を絞り、受付を前日締切にして転記を1日2回に固定してください

ホットペッパービューティーは国内最大級の集客力を持つサービスで、掲載料にはその集客機能が含まれています。やめること自体が正解なのではなく、自店の予約がどこから来ているかを数えたうえで、入口を自分の手元に持つかどうかを決める話です。

まずは Shopify の無料体験とまるっと予約の無料プランで、予約を1件通してみてください。そこまでは費用がかかりません。わからないところは日本語でサポートします。

→ まるっと予約をShopifyアプリストアで見る

→ まるっとシリーズのアプリ一覧を見る

2026年9月時点の情報です。ホットペッパービューティーの掲載料および予約に関する費用は、エリア・プラン・契約条件により異なります。正確な金額は株式会社リクルートまたは正規代理店にお問い合わせください。Shopify とまるっと予約の料金は改定される場合があり、アプリ料金はドル建てのため円換算額は為替により変動します。「ホットペッパービューティー」は株式会社リクルートの登録商標です。

この記事は、時間予約・来店予約・イベント予約に対応するShopify予約システム「まるっと予約」の開発元であるPepinが執筆しています。

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SHIN

この記事の執筆者

SHIN

Pepin代表、Webエンジニアとして10年以上の経歴を持ち、
Shopifyアプリ・ストア開発 / webサービス開発 / メディア運営などマルチに活動。

まずは、課題の共有から。

アプリの導入も、Shopifyそのものの相談も歓迎です。内容が固まっていなくても問題ありません。通常2営業日以内に返信します。