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Pepin
Shopify2026-10-06約19分で読めます
Shopify構築Shopify制作会社

How to Choose a Shopify Agency: 7 Things to Check Before You Hire

書いた人

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How to Choose a Shopify Agency: 7 Things to Check Before You Hire
Shopifyの制作会社と依頼の内容を話し合うイメージ

Shopifyの制作会社の選び方は、3つの軸に絞れます。実績の規模と業種が自分のお店に近いか、公開したあとの運用まで同じ相手に頼めるか、ストアとテーマのコードと設定の資料がお店の名義で手元に残るか、です。候補はShopify公式の Partner Directory で探せますが、そこに表示されるティア(Select・Plus・Premier・Platinum)は、パートナーがShopifyにもたらした売上や手がけた案件の数、資格の数で決まる区分で、仕事の品質を保証するものではありません。フリーランス、小規模の制作会社、大手の代理店、マッチングサービスのどれに頼むとしても、契約の前に確かめることは共通していて、この記事ではそれを7項目にまとめました。

わたし(SHIN)は、Shopifyアプリ「まるっとシリーズ」を開発し、Pepinとして Shopify ストアの構築・伴走支援もお受けしています。つまり、この記事で「選ばれる側」のひとりです。弊社のサービスの説明は最後の章の1か所にまとめ、依頼先の種類ごとの向き不向きは、どれかを持ち上げないように書きました。Shopifyの仕組みはShopifyヘルプセンター、法律は公正取引委員会と中小企業庁のページにもとづいています(いずれも2026年10月6日に確認)。

依頼先を選ぶとき、つい比べてしまうのは見積もりの金額とデザインの好みです。どちらも大事ですが、あとから効いてくるのは「契約が終わったとき、何がお店の手元に残るか」のほうだと、わたしは考えています。ストアのオーナーが依頼先のままだったり、カスタムアプリの中身を誰も触れなかったりすると、依頼先を変えたくても変えられません。

わたしは前職で、外資メーカーの社内ただ一人のエンジニアとして、Shopify EC の構築と改善を担当していました。いまは Shopify アプリを開発し、App Store の審査を通して公開しています。ストアを持つ会社の中にいた立場と、アプリを作る立場の両方から、Shopifyのヘルプと法律の一次資料に書いてあることを、依頼の前に使える形に並べ直したのがこの記事です。

4段階
Partner Directoryのティア
Select・Plus・Premier・Platinum。全員がRegisteredから始まる
9項目
フリーランスに書面で示す取引条件
2024年11月1日施行のフリーランス法
4桁
コラボレーターリクエストコード
コードを伝えたパートナーだけが権限を申請できる

Shopifyの制作会社の選び方、まず何を軸にすればいい?

依頼先の候補を比べる前に、軸を3つ決めておくと迷いにくくなります。料金やデザインの好みは、この3つを満たした候補の中で比べれば十分です。

  1. 01

    実績の規模と業種が近いか

    商品の点数、月の注文の数、定期便や予約、卸(B2B)の有無など、自分のお店と同じ形のストアを作ったことがあるか。大きなブランドの実績が多い会社が、小さなお店の立ち上げにも向くとは限りませんし、その逆もあります。
  2. 02

    公開後の運用まで同じ相手に頼めるか

    Shopifyは「Shopify Editions」として年2回、150以上のアップデートを出しています。アプリが使うAPIも、3か月ごとに新しい版が出ます。公開した日から仕様は動き続けるので、作った人に運用まで相談できるかどうかで、公開後の手間が変わります。
  3. 03

    ストア・コード・資料がお店の名義で残るか

    ストアのオーナー、テーマのコード、カスタムアプリ、設定の資料。契約が終わってもお店が持っていれば、別の依頼先に引き継げます。依頼先の名義のままだと、乗り換えるたびに作り直しになりかねません。

出典:Shopify「料金プラン」

出典:Shopifyヘルプセンター「アプリについて」

Shopify Partner Directoryでは、どう探せばいい?

Shopifyの制作会社やフリーランスを公式に探せる場所が、Partner Directory(パートナーディレクトリ)です。

Shopify Partner Directory

Shopifyが運営する、パートナー(制作会社・代理店・フリーランスなど)の検索ページ。以前の「Shopify Experts」のブランドとマーケットプレイスは2023年12月に終了し、いまは experts.shopify.com を開くと Partner Directory に転送されます。日本語版のページ名には、まだ「Shopify Experts」の文字が残っています。

検索の結果は、新規の受付をしているか、価格帯(米ドル)、提供しているサービス、地域、業界、対応する言語、ティアで絞り込めます。平均評価やサービスの価格で並べ替えることもできます。既定の並び順は、信頼と実績、仕事の質、利用者の地域などをもとに決まると、パートナー向けのヘルプで説明されています。

プロフィールに載るレビューは、そのパートナーをコラボレーターとしてストアに招き、アクセスが1週間以上続いたお店に依頼が届く仕組みで、表示されるのは有料プランのお店のレビューです。実際に仕事をした相手の評価という意味では確かな材料ですが、件数や中身は、ほかの材料と合わせて見てください。

気をつけたいのは、Directoryはあくまで「出会う場所」だという点です。仕事の代金はパートナーからお店に直接請求され、Shopifyの請求書には載りません。パートナーとの間のトラブルについて、Shopifyが直接の責任を負うわけではないこともヘルプに書かれています。契約の条件は、お店とパートナーの間で決めるものです。

  1. 1

    頼みたいことと予算・時期を書き出す

    Shopifyのヘルプも、正確な見積もりをもらうために、予算、スケジュール、期待する成果を前もって決めておくよう勧めています。ストアのURL、扱う商品の数、いま困っていることも書いておくと話が早くなります。
  2. 2

    サービスと業界、言語で絞り込む

    ストアの構築またはリニューアル、ストアの移行、テーマのカスタマイズなど、頼みたいサービスを選び、業界と対応言語で候補を絞ります。日本語で打ち合わせたいなら、言語の絞り込みは外せません。
  3. 3

    プロフィールの実績とレビューを見る

    作業のサンプル、レビュー、資格を見て、自分のお店と近い実績があるかを確かめます。
  4. 4

    連絡フォームから相談する

    プロフィールの[連絡する]ボタンから、ストアの情報、頼みたいサービス、予算、課題を送ります。連絡しても、そのパートナーを雇う義務はありません。
  5. 5

    Directoryの外の候補とも比べる

    Directoryに載っていない制作会社や開発者もいます。知人の紹介や、制作会社のサイトから直接問い合わせた候補も、この記事の7項目で同じように比べられます。

出典:Shopify「Partner Directory」

出典:Shopifyヘルプセンター「Shopify パートナーの雇用と連携」

出典:Shopify Help Center「Overview of the Partner Directory」

出典:Shopify Help Center「About the Shopify Partner Program」

ティアが高いパートナーほど、自分のお店に合う?

そうとは限りません。ティアはShopify公式の区分ですが、測っているのは主に「Shopifyにもたらした売上」「手がけた案件の数」「資格の数」で、お店との相性や満足度ではないからです。Shopify自身も、ティアをお店の規模に合わせて説明しています。

ティアShopifyの説明(向いているビジネス)
Select中小規模のビジネス
Plus中堅から大規模のビジネス
Premier大企業
Platinumグローバルに展開する大企業

パートナーは全員が Registered から始まり、実績に応じて上のティアに上がります。昇格の判定は四半期ごとで、1月1日・4月1日・7月1日・10月1日に更新されます。Plus 以上に上がるには、次の両方を満たす必要があります。

  • 商業面の実績:過去5年に獲得したお店からShopifyに入る年間売上が50万米ドル以上、または、いまコラボレーターとして関わっているお店(過去5年に獲得)からの年間売上が250万米ドル以上。加えて、過去5年に Plus・Enterprise のストアを2件、または標準のストアを40件
  • 資格:組織全体で Shopify の Verified Skills が10件以上あり、3人以上が1件以上を取得していること

Directory に掲載されるのは、Plus・Premier・Platinum のパートナー(招待制)と、限られた数の Registered のパートナーです。

ここから読み取れることは2つあります。1つは、ティアが「Shopifyでの商売の実績を、Shopify自身が数えた結果」だということ。大きな案件を任された実績を外から確かめる材料としては、いちばん客観的です。もう1つは、Plus 以上の条件に「3人以上」が入っているので、Verified Skills を持つ人が3人に満たない依頼先は、仕事の質と関係なく Plus 以上に上がれないということです。小さな依頼先ほど、Directory では見つけにくい仕組みになっています。

わたし自身も小さな依頼先の側なので、2つ目は自分に都合のいい話に聞こえるかもしれません。ただ、条件はヘルプに書かれているとおりで、どちらが良いという話ではありません。お店の規模に合ったティアから探す、というのが Shopify の説明にも沿った使い方です。たとえば、サイトで Shopify Platinum パートナーと掲げているフラッグシップ株式会社は、FAQでプロジェクト予算の目安を1,000万円以上としています(2026年10月6日確認)。大きな案件を中心に受けている会社としては自然な線引きで、予算が1,000万円に届かない立ち上げの相談なら、最初から別の候補を探すほうが話が早いでしょう。

制作会社のサイトで「Shopify Plus Partner」と書かれていたら、2024年12月に終了した旧プログラムの名前です。いまの「Plus」はティアの名前なので、どちらの意味で書いているのかを聞いてみると、情報が新しいかどうかも分かります。

出典:Shopify Help Center「Eligibility for the Shopify Partner Directory」

出典:フラッグシップ株式会社(よくある質問)

依頼先の種類ごとに、向き不向きはどう違う?

依頼先は大きく4つに分けられます。どれが良い悪いではなく、何を頼みたいかで合う相手が変わります。

向いている依頼 テーマの部分的な改修、アプリの設定、小〜中規模のストアの立ち上げ、決まった相手に続けて相談したい場合。相談した人がそのまま作るので、話が伝言で崩れにくいのが、この形の良さです。

気をつけたいこと 体調や繁忙で作業が止まったときの代わりがいないこと。デザイン、撮影、広告の運用まで1人でまかなえるとは限らないので、どこまで自分でやり、どこを外に頼むのかを聞いておきます。

契約で確かめること 相手が従業員を使わない個人なら、お店側にフリーランス法の義務がかかります(後の章で説明します)。

依頼先向いている依頼特に確かめたいこと
フリーランス・個人部分的な改修、小〜中規模の立ち上げ休んだときの代わり、取引条件の書面での明示
小規模の制作会社中小規模の構築から運用まで窓口と作る人が同じか、再委託の有無
大手の制作会社・代理店Plus、システム連携、海外、広告まで含む予算の目安、担当の交代と引き継ぎ
マッチングサービス候補探しと要件の整理紹介の仕組み、契約の相手

同じShopifyの構築でも、金額には大きな幅があります。株式会社Web幹事が運営するマッチングサービスのWeb幹事は、自社経由のShopify構築の発注金額を公開していて、2022年〜2024年3月のデータで平均127.8万円、中央値91.2万円でした。17%が30万円以下、33%が30万〜100万円、33%が100万〜300万円です(件数は公開されていません)。

出典:Web幹事「Shopify構築の費用相場は?」

費用の内訳と、何にいくらかかるのかは、Shopify構築の費用の内訳と相場で詳しく比べています。

Shopify制作会社の選び方で確かめる7項目は?

どの種類の依頼先でも、契約の前にこの7つを聞いておけば、公開後に「権限がない」「コードがない」「誰に頼めばいいか分からない」で止まりにくくなります。

依頼前に確かめる7項目

  • 実績似た業種・規模のストアが、いまも動いているか
  • ストアの名義お店のアカウントで作るか、クライアント移管ストアで渡すか
  • 権限の渡し方コラボレーターアカウントで、必要な範囲だけ渡すか
  • コードと資料テーマのコード、カスタムアプリ、設定の資料を渡してもらえるか
  • 公開後の保守何が月額に入り、何時間まで作業してもらえるか
  • アプリの扱い入れすぎないか、依頼先しか触れないアプリに縛られないか
  • 契約の書面作業の範囲・金額・支払期日・納期を書面にするか

1. 実績:似た業種・規模のストアが、いまも動いているか

実績ページのスクリーンショットより、いま公開されているストアのURLを見せてもらうのが確実です。実際に開いて、商品を探し、カートに入れて購入手続きの手前まで進めてみると、作りの丁寧さはかなり分かります。

あわせて、そのストアで依頼先が何を担当したのかを聞きます。ディレクション、デザイン、実装、公開後の運用のどこまでを担当したかで、同じ「実績」でも意味が変わるからです。公開から時間が経っているストアなら、いまも同じ相手が運用しているかも聞いてみてください。

2. ストアの名義:お店のアカウントで作るか、移管ストアで渡すか

Shopifyのストアを依頼先と作る方法は、大きく2つあります。

進め方ストアのオーナー気をつけたいこと
お店が自分でストアを開き、依頼先をコラボレーターとして招く最初からお店依頼先が作業できる範囲は、お店が許可で決める
依頼先がクライアント移管ストアで作り、公開前に所有権をお店に移す移管するまでは依頼先の組織、移管後はお店移管前はカスタムアプリを入れられず、実際の取引もできない。移管後のストアはプロモーションや無料体験の対象外

どちらの進め方でも、公開する時点でストアのオーナーがお店になっていれば困ることはありません。確かめたいのは「いつ、どうやってお店の名義になるのか」です。なお、ストアの所有権をコラボレーターに譲ることはできないので、お店が自分で開いたストアは、依頼先に招いてもお店のものです。

移管ストアの注意点は、お金にも関わります。Shopifyの料金ページでは、3日間の無料体験のあと、ほとんどのプランで最初の3か月は月額150円と案内されています(2026年10月6日時点)。移管ストアで受け取ったストアは、こうしたプロモーションや無料体験の対象外です。また、Shopify ペイメントなどの金融サービスが有効なままだと移管できないので、決済を有効にするのは移管が済んでからになります。

有料のテーマを使うなら、どのストアで購入するかも確かめます。Theme Store で買ったテーマのライセンスは、最初に購入したストアにだけ付きます。

出典:Shopifyヘルプセンター「クライアントが移行されたストアとコラボレーション」

出典:Shopifyヘルプセンター「テーマのダウンロード」

3. 権限の渡し方:コラボレーターアカウントで、必要な範囲だけ

依頼先にストアを触ってもらうときは、オーナーのログイン情報を渡すのではなく、コラボレーターアカウントを使います。Shopifyが外部のパートナーのために用意している仕組みです。

コラボレーターアカウント

ストアへのアクセスを許可したShopifyパートナーのためのアカウント。どの作業まで許可するかを、お店が役割(ロール)で決められます。ストアのユーザー数の上限には数えられません。

使うときの要点は次のとおりです。

  • 4桁のコラボレーターリクエストコードを、管理画面の[設定]→[ユーザー]の[セキュリティ]で確かめ、依頼先にだけ伝えます。コードを知っているパートナーしか申請できず、新しいコードを作れば古いコードは使えなくなります
  • 申請が届いたら、依頼先が求めている許可を見て、作業に必要なものだけを残して承認します
  • 組織に入っていないストアでは、コラボレーターに「管理者」の役割は付けられません。POS アプリにもアクセスできません
  • パートナーは2段階認証を有効にしないとログインできません。90日ログインがないと、アクセスは自動で失効します
  • 作業が終わったら、コラボレーターアカウントを削除します

承認の画面には、パートナーの登録年月やリクエストの送信元の国などが出ることがあります。ただしヘルプには、これらはパートナーの身元や仕事の質を保証するものではない、と書かれています。心当たりのない申請は承認しないでください。

スタッフアカウントとの違いや、役割の作り方はShopifyのスタッフ管理・権限設定にまとめています。

出典:Shopifyヘルプセンター「コラボレーターアカウント」

4. コードと資料:何を、どの形で渡してもらうか

ストアがお店の名義なら、テーマはストアの中にあります。管理画面の[オンラインストア]→[テーマ]から、テーマのファイルをダウンロードしてバックアップできます(.zip のファイルがメールで届きます)。ただし、テーマのダウンロードには、商品、ページ、ブログ記事、画像などは含まれません。

ストアの外にあるものは、契約で決めておかないと手元に残りません。たとえば次のようなものです。

  • カスタムアプリのソースコードと、アプリを動かすサーバーやそのアカウント
  • テーマを Git などで管理しているなら、そのリポジトリ
  • どのアプリを何のために入れたか、メタフィールドや配送・税の設定をなぜそうしたか、の資料
  • 商品の登録やページの更新など、日々の作業の手順書

成果物(デザイン・コード・文章)の権利をどちらが持つのか、引き渡すものの一覧も、契約書に書いておきます。

5. 公開後の保守:何が月額に入り、何時間まで頼めるか

保守や運用の月額は、同じ「保守」という名前でも中身がかなり違います。比べるときは、次の4つを聞いておきます。

  • 月額に入る作業(質問への回答、不具合の調査、実際の修正やページの追加)
  • 作業時間の上限と、超えたときの単価
  • 最低契約期間と、解約の連絡はいつまでか
  • カスタムアプリの API の更新を、保守に含むか

公開されている例を1つ挙げます。株式会社フルバランスの保守サポート(2026年10月6日にサイトで確認)では、月5万円の Starter がチャットでの質問対応と不具合の初動対応まで、月10万円の Basic は技術面の作業が月8時間まで、月20万円の Standard は月16時間まで、月80万円の Enterprise は相談で、決まった工数を超える作業は1時間1万円です(税の表記はページにありません)。同じ会社の中でも、作業時間が入るかどうかでプランの中身が分かれています。

カスタムアプリを作ってもらった場合は、API の更新も保守の一部です。Shopify の API は3か月ごとに新しい版が出て、それぞれの版は1年間使えます。アプリを壊すような変更が入ったときは開発者に通知が届き、9か月のうちに更新しないと、アプリはサポートの対象外になって期待どおりに動かなくなるおそれがあります。この更新を誰がいつやるのかを、保守の範囲に入れておきます。

出典:株式会社フルバランス「Support for Growth」

出典:Shopifyヘルプセンター「アプリについて」

6. アプリの扱い:入れすぎないか、依頼先しか触れないアプリに縛られないか

アプリには、App Store で公開されている「公開アプリ」と、そのストアのためだけに作る「カスタムアプリ」があります。

公開アプリは、お店のストアにインストールされるので、依頼先との契約とは別に使い続けられます。ただ、アプリは1本ずつ月額がかかり、ストアの固定費として積み上がります。依頼先には、入れるアプリの一覧と、それぞれ何のために入れるのか、テーマの設定で済ませられないかを聞いておきます。

カスタムアプリについては、Shopifyのヘルプ自身が、作成には開発の知識が必要で、難しい場合はShopifyパートナーを雇えると書いています。依頼先に作ってもらうのはふつうのことで、確かめたいのは次の3点です。

  1. 01

    どのアカウントで作るか

    新しいカスタムアプリは Dev Dashboard で作ります。ストアのオーナーは作成と管理の権限を自動で持っていますが、コラボレーターは Dev Dashboard に入れません。お店の側で持ちたいなら、依頼先には[アプリ開発]→[開発]の権限を持つスタッフとして入ってもらいます。依頼先の側で作るなら、契約が終わったあとにアプリをどう扱うかを決めておきます。
  2. 02

    ソースコードとサーバーの持ち主

    サーバーが要るアプリなら、その契約者と費用を誰が持つのか。契約が終わったときに、ソースコードを渡してもらえるのか。
  3. 03

    プランと合っているか

    Shopify Functions を含むカスタムアプリを使えるのは、Shopify Plus のストアだけです(App Store の公開アプリに入った Functions は、どのプランでも使えます)。Plus 以外のストアで、割引や配送の独自ルールをカスタムアプリの Functions で作る提案が出たら、その前提を確かめてください。

出典:Shopify.dev「Function APIs」

カスタムアプリの費用と進め方はShopifyのカスタムアプリ開発、Plus と通常プランの違いはShopify Plusの料金と通常プランの違いで詳しく書いています。

7. 契約の書面:取引条件を、書面かメールで残す

見積もりを承認したら、作業の範囲、金額、支払期日、納期、検収(何をもって完成とするか)、追加作業の単価、成果物の権利、引き渡すもの、解約の条件を書面にします。Partner Directory 経由で出会った相手でも、どう進めるか、どんな条件で、どう支払うかは、お店とパートナーの間で決めるもので、Shopify が間に入るわけではありません。

相手がフリーランスなら、取引条件を書面やメールで示すのは、お店側の法律上の義務です。次の章で詳しく見ます。

取引条件を書面にまとめるイメージ

フリーランスや小さな会社に頼むとき、お店が守る法律は?

個人や小規模の依頼先と契約するときに関わるのが、フリーランス法と取適法の2つです。どちらも「頼む側」であるお店に義務がかかる法律です。

フリーランス法:相手が従業員を使わない個人なら

フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、2024年11月1日に施行されました。この法律でいう「フリーランス」は、業務委託の相手方で、従業員を使わない事業者です。個人のほか、代表者1人だけで、ほかに役員も従業員もいない法人も含まれます。「従業員を使う」とは、週20時間以上・31日以上の雇用が見込まれる人を雇っていることをいいます。

公正取引委員会のQ&Aでは、事業者が仕様やテーマを指定して、ソフトウェアやデザイン、文章などの作成を頼むことが、この法律の「業務委託」に当たると説明されています。ストアのデザインやテーマの実装を、内容を決めて個人に頼む場合も、この説明に沿って考えることになります。Q&Aは、委託する時点で相手に従業員がいるかを確かめ、メールなど記録が残る方法で確認しておくことも勧めています。

どのお店にもかかる義務が、取引条件の明示です。業務を委託したら、すぐに書面か、メールや SNS のメッセージなどで、次の9項目を示します。口頭だけでは足りません。

フリーランスに示す取引条件の9項目

  • 給付の内容(何を作ってもらうか)
  • 報酬の額
  • 支払期日
  • お店とフリーランス、双方の名称
  • 業務委託をした日
  • 給付を受け取る日(役務の提供を受ける日)
  • 給付を受け取る場所(役務の提供を受ける場所)
  • 検査をする場合は、検査を終える日
  • 現金以外で払う場合は、支払方法に必要な事項

ほかの義務は、お店に従業員がいるかと、委託の期間で変わります。公正取引委員会の特設サイトにあるチャートをまとめると、次のとおりです。

お店(頼む側)委託の期間かかる義務
従業員を使っていない期間を問わない取引条件の明示
従業員を使っている1か月未満取引条件の明示、支払期日の設定と期日内の支払い、募集情報の的確な表示、ハラスメント対策の体制整備
従業員を使っている1か月以上6か月未満上に加えて、7つの禁止行為
従業員を使っている6か月以上上に加えて、育児・介護との両立への配慮、中途解除などの事前予告と理由の開示

従業員を使っているお店の場合、支払期日は、成果物を受け取った日から数えて60日以内の、できるだけ短い期間で決め、その日までに払います。1か月以上の委託でかかる7つの禁止行為は、受領拒否、報酬の減額、返品、買いたたき、購入・利用の強制、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更・やり直しです。たとえば、決めた報酬から手数料を差し引いて払うことや、納品のあとに追加の費用なしで作り直しを頼むことは、これに当たるおそれがあります。

Shopifyの運用で関わりやすいのは、公開後の月額の保守です。従業員のいるお店が、個人の依頼先に6か月以上続けて頼んでいる場合、契約をやめたり更新しなかったりするときは、少なくとも30日前までに書面やメールなどで予告します。

出典:公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」

出典:公正取引委員会「フリーランス法 Q&A」

出典:中小企業庁「フリーランス・事業者間取引適正化等法」

取適法:資本金・従業員数と、委託の内容で決まる

取適法(中小受託取引適正化法)は、下請法を改正して名前を変えた法律で、2026年1月1日に施行されました。協議を適切に行わない一方的な代金の決定や、手形での支払いなどが禁止され、対象を決める基準に従業員の数が加わりました。

対象になるかどうかは、お店と依頼先の資本金または従業員の数と、委託の内容で決まります。公正取引委員会の取適法簡易診断ツールで、資本金・従業員数・委託の内容を選ぶと、1分ほどで目安が分かります(結果はあくまで簡易的な目安です)。

ECサイトに近い例として、公正取引委員会の取適法のQ&Aには、自社のホームページの外注が載っています。ホームページは通常、自社の宣伝に使う「自家使用」の情報成果物なので、自社で作る力がない部分の外注は、取適法の情報成果物作成委託に当たらない、という説明です。ただし、ホームページで有償で提供するコンテンツ(画像など)の作成を頼む場合は対象になります。自分のストアの構築がどちらに当たるかは、委託の内容で変わります。

一方、フリーランス法の業務委託は取適法より広い範囲が対象で、自社で使う役務の委託も含まれると、フリーランス法のQ&Aで説明されています。相手が従業員を使わない個人なら、まずフリーランス法の義務を確かめておきます。

法律の説明は、公正取引委員会と中小企業庁の公開資料に書かれている範囲にとどめています。自分の取引が対象になるか、契約書の書き方で足りるかの判断は、弁護士などの専門家に相談してください。

出典:公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」

出典:公正取引委員会「よくある質問コーナー(取適法)」

この記事を書いている弊社は、どの種類の依頼先?

最後に、利害関係者としての弊社の立ち位置を、事実だけ書いておきます。

Pepin は、Shopify アプリ「まるっとシリーズ」(予約・サイト内検索・請求書・売上ランキングの4本)を開発・運営している開発元で、上の4つでいえば小さな依頼先の側です。ご相談から公開後の運用まで、アプリを作っている開発者が直接担当します。ストアはお店の名義でつくり、管理者の権限・テーマのコード・設定の資料をお渡しします。まるっとシリーズは App Store で公開しているアプリなので、契約が終わっても使い続けられます(各アプリの月額は別)。ご要望に合わないときは、他社のアプリをおすすめします。これまでに、DE BLANKK 株式会社とのコラボレーションで、Karen Moriyama の EC サイトと DE BLANKK のコーポレートサイトを、ディレクションから実装まで担当しました(どちらも Shopify で稼働中)。

逆に、広告の運用や撮影までまとめて任せたい場合や、大きな体制で同時に進めたい案件は、制作会社や代理店のほうが向いています。

→ Shopify構築・伴走支援の料金と進め方を見る

よくある質問

Shopifyパートナープログラムには、誰でも無料で参加できます。参加すると全員がRegisteredから始まり、Shopifyにもたらした売上や案件の数、Verified Skillsという資格の数などに応じて、Select、Plus、Premier、Platinumのティアに上がります。以前の「Shopify Experts」は2023年12月に、「Shopify Plus Partner」のプログラムは2024年12月に終了しています。ティアはShopifyが数えた実績の区分で、仕事の品質を保証するものではありません。

頼みたい作業の範囲と体制が合えば、問題ありません。相談した人がそのまま作るので話がずれにくい一方、休んだときの代わりがいないことや、デザインや広告まで1人でまかなえるとは限らないことは確かめておきます。相手が従業員を使わない個人なら、お店側にフリーランス法の義務がかかり、少なくとも取引条件の9項目を書面かメールで示す必要があります。

ストアがお店の名義で、依頼先にはコラボレーターアカウントで権限を渡しているなら、前の依頼先のアカウントを削除し、新しい依頼先から申請してもらえば切り替えられます。切り替える前に、テーマのファイル、カスタムアプリのソースコードとサーバー、設定の資料がそろっているかを確かめてください。お店に従業員がいて、個人の依頼先に6か月以上委託している場合は、フリーランス法により、契約をやめる少なくとも30日前までの予告が必要です。

決まった数はありません。比べたい点(費用、期間、公開後の体制、名義と引き渡し)の違いが見える数で十分です。同じ内容を同じ文面で送ると比べやすくなります。Shopifyのヘルプも、正確な見積もりのために、予算、スケジュール、期待する成果を前もって決めておくよう勧めています。

頼めます。ストアがお店の名義なら、構築した依頼先とは別のパートナーをコラボレーターとして招けます。ただ、前の依頼先が自分の側で作ったカスタムアプリや、前の依頼先のサーバーで動いている仕組みがあると、新しい依頼先が手を入れられないことがあります。どこに何があるかの資料を、引き継ぎの前にそろえておくと話が早くなります。

コラボレーターアカウントは、Shopifyパートナーのための仕組みです。ストアのユーザー数の上限に数えられず、4桁のリクエストコードを伝えた相手だけが申請できます。組織に入っていないストアでは管理者の役割を付けられず、90日ログインがないと自動で失効します。社内の人にはスタッフアカウント、外部のパートナーにはコラボレーターアカウントを使うのが基本です。

まとめ

  • Shopifyの制作会社の選び方は、実績の規模と業種、公開後の運用、ストア・コード・資料の名義の3つが軸です
  • Partner Directory で探せますが、ティアは Shopify にもたらした売上・案件の数・資格の数で決まる区分で、品質の保証ではありません
  • ストアはお店の名義に。移管ストアで受け取ると、プロモーションや無料体験の対象外になります
  • 権限はコラボレーターアカウントで必要な範囲だけ渡し、作業が終わったら削除します
  • カスタムアプリは、作るアカウント・ソースコード・API の更新を誰が持つかを契約で決めておきます
  • 個人に頼むなら、フリーランス法の取引条件9項目を書面かメールで示します。取適法は規模と委託の内容で対象が決まります

依頼先の種類に正解はありません。自分のお店の規模と、公開後に何を続けたいかがはっきりしていれば、候補は自然に絞れます。迷ったら、7項目をそのまま質問として送ってみてください。答え方そのものが、その依頼先と長く付き合えるかを判断する材料になります。

→ Shopify構築・伴走支援の料金と進め方を見る

この記事は、Shopifyアプリ「まるっと」シリーズの開発者、大島慎平(SHIN)が書いています。

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大島慎平(SHIN)

この記事の執筆者

個人開発者 / ソロプレナー

日本のShopifyストア向けアプリ「まるっとシリーズ」を、AIのコーディングツールと一緒に1人で企画・開発・運営しています。書籍編集者からWebエンジニアに転じて約10年。YouTubeでは、1人で事業をつくる過程を話しています。

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